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仲間の二の舞になるのを恐れてか、頼慶と対峙する男を信用してか、周りの者は手を出さず他の敵を相手取っている。蔵人たちの突進で陣が乱れ、その綻びを突いて行雲の配下の者が突撃してきたのだ。敵味方入り乱れての戦いへと戦況は変化している――。
――肥満の男が、得物の間合いを生かして薙ぎ払いと突きを交えて繰り出した。
頼慶は大きく跳躍し、体を開いて攻撃を躱す。一撃でも受ければ、それで終わりだ。だが、ただ逃げているだけではない。師の工夫の様から思いついた技を遣おうと、その時機を待っているのだ。
……穂先の部分が胸を掠める。その痛みに、頼慶は顔をしかめた。
敵は攻勢を強める――得物に備わる鉤爪の部分で頼慶の袖を引っ掛け動きを止める。
刹那、蔵人の背筋は凍りついた。死の恐怖に心の臓が縮む。
肥満の男はにやりと笑って、頼慶の脚狙いの薙ぎ払いを打った。外見に比べ、執拗さを感じさせる戦法を取るため、慎重を期してこういう一撃を放つことは判っていた――。
肉厚の刃が頼慶の脚を薙ぐ――が、その瞬間には、地面を蹴って頼慶は腰の高さまで飛び上がっている。剣光一閃、敵の鼻先を刀で狙った。が、大刀の間合いでは届かない。対手は慌てて体を逸らせながらも、厭(いや)らしく笑う。次いで攻撃の構えを取ろうとした。
しかし、その瞬間には一陣の風となって頼慶がその懐に飛び込み様、袈裟斬りに刀を振るっている――名づけて逆握(ぎゃくあく)。
肩口から腰にかけてまで裂かれた敵が、眼を見開いて信じられないという顔をしながら、ゆっくりと膝を折って浜に倒れる。
そこで動きを止めることなく、頼慶は側にいた敵へと血刀を振り上げ襲い掛かった。
手練の者を殺られ茫然となっている南蛮人をその刃があの世へと即座に送る……さらに砂地に転がる骸が増えて、周囲で戦いを目撃していた南蛮人が浮き足立った。
瞬く間に数人を斬り伏せた文五郎に、柱を思わせる鉄の塊が叩きつけられる。
回避する――が、二本目が襲い掛かった。
それも辛うじて、文五郎は大きく跳び退って躱す。
――肥満の男が、得物の間合いを生かして薙ぎ払いと突きを交えて繰り出した。
頼慶は大きく跳躍し、体を開いて攻撃を躱す。一撃でも受ければ、それで終わりだ。だが、ただ逃げているだけではない。師の工夫の様から思いついた技を遣おうと、その時機を待っているのだ。
……穂先の部分が胸を掠める。その痛みに、頼慶は顔をしかめた。
敵は攻勢を強める――得物に備わる鉤爪の部分で頼慶の袖を引っ掛け動きを止める。
刹那、蔵人の背筋は凍りついた。死の恐怖に心の臓が縮む。
肥満の男はにやりと笑って、頼慶の脚狙いの薙ぎ払いを打った。外見に比べ、執拗さを感じさせる戦法を取るため、慎重を期してこういう一撃を放つことは判っていた――。
肉厚の刃が頼慶の脚を薙ぐ――が、その瞬間には、地面を蹴って頼慶は腰の高さまで飛び上がっている。剣光一閃、敵の鼻先を刀で狙った。が、大刀の間合いでは届かない。対手は慌てて体を逸らせながらも、厭(いや)らしく笑う。次いで攻撃の構えを取ろうとした。
しかし、その瞬間には一陣の風となって頼慶がその懐に飛び込み様、袈裟斬りに刀を振るっている――名づけて逆握(ぎゃくあく)。
肩口から腰にかけてまで裂かれた敵が、眼を見開いて信じられないという顔をしながら、ゆっくりと膝を折って浜に倒れる。
そこで動きを止めることなく、頼慶は側にいた敵へと血刀を振り上げ襲い掛かった。
手練の者を殺られ茫然となっている南蛮人をその刃があの世へと即座に送る……さらに砂地に転がる骸が増えて、周囲で戦いを目撃していた南蛮人が浮き足立った。
瞬く間に数人を斬り伏せた文五郎に、柱を思わせる鉄の塊が叩きつけられる。
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それも辛うじて、文五郎は大きく跳び退って躱す。
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