俺がそれを好きだからといって俺自身がそうなりたいわけじゃないっ!

サツキ

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1章

聞きたくないよー!

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『よかったー!私たちの意図を理解してくれたみたいね!』
『それはいいんだけど、早く水に突っ込んだほうがよくない?』
『そうだった!どうする?このまま更に追い詰める?』
「あの……俺の背後で怖い話しないでくれませんか」
『……』
『どぅわっ!!こっち見てる!てか私たちの声が聞こえてるの?!』
「いやだよぉ……この後の展開が読めちゃったよぉ……家帰りたい……」
『何か言ってるけど悪いわね!時間がないの!いいから湖に入らんかい!!』
「ぎゃー!!!また増えたー!!」

 一匹いると三十匹はいるっていうよね。這いよる混沌さん。嫌いです。



 で、無様に水中に落下したわけだが。これ、どうなってるんだろ。水中でも息ができている。まさかさっきの呪文?……あれ本物の呪文だったの?

『あんたの魔力がどれくらいあるかしらないけど、ちゃっちゃか済ませちゃうわよ!』
『そうね、このままこの子の魔力が切れて窒息なんてご主人と同じことになっちゃ本当に助けてくれる人もいなくなっちゃうだろうし!』
「嫌なことが聞こえてくる……不穏だ…死にたくねぇ…」

 水中でもなお追ってくる物体X達から逃げるように速足で進むと泡がポコポコと出てくる場所があった。そこには薄っすらと白い何かが置いてある。なんだ。

『いた!ご主人!』
『人間!早く早く!』

 ご主人?あれが?ご主人って海の生き物か何かだったのか?でもこいつらの口ぶりからして人間じゃ……。まて、ご主人は魔力切れ?で窒息したんだよな?あと、物体Xたちは白くなったって……。
 理解してはいけないそれを一度頭の中で整理してしまえばすぐに目の前のソレが何かわかってしまった。死体だ。人骨だ。本物だ。

『もう!ご主人ったらここの水が必要なんだー!ってここにきて急に苦しんじゃってそれからずーっとダンマリなの!ね、人間!ご主人を助けて?』
「…む、無理だよ……」
『ここまで来ておいてそんなこと言うの?!』
『そうだよ!この湖から連れ出して呪文を唱えるだけだから!お願い!私たちじゃ誰も助けられないの!』

 どうやって運べというのか。ていうか骨じゃ俺の手に抱えきれない。脚もさっきから震えっぱなしでまともに歩けそうにない。俺が助けてほしいくらいだ。

『人間!助けてくれたらあの家住んでもいいから!』
「……わかった」

 ああっ、ちょろい俺……。だって、ここ明らかに異世界っぽいし、痛いし、夢じゃないし、俺の行くところ見つかんないし、魔法使えるし、あの家は魔導書みたいなのがいっぱいあったし。どうしてここにきたのかわからないが、異世界でできることはなんでもやってやる。そしていつか自分の世界に帰ってこの体験を美少年だらけで書き起こしてコミケで頒布するんだ……!!
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