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双竜隊
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V谷兵の真ん中に降り立ったアロンとヨロン
キューロを突き出す
V谷兵が
多数一挙に吹き飛ぶ
アロンは
左手でキューロを振り回しながら
右手の指でトゥルの実を
四個同時に発射させる
トゥルの実は鉄よりも固い
真新しい鎧を身に付けたV谷兵がトゥルに貫かれ四人倒れる
同時にアロンが振り回すキューロで
辺りのV谷兵はごっそり薙ぎ倒される
ヨロンはアロンと背中合わせになり
アロンと全く同じ動きを
少し時間をずらしながら行っている
双子の同調の成せる技である
アロンとヨロンが
無理やり開けた場所に
次々と
キューロを棒高跳びのように使い
竜Q兵が
舞い降りる
すべて双子である
竜Q国第二軍師フールモの部下
アロン将軍とヨロン将軍が率いる
双子だけで構成された『双竜隊』である
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数にものを言わせ
V谷兵が
一塊となり
槍を構え
突進してくる
双竜隊はキューロを棒高跳びのように使い
高く跳ぶ
V谷兵の突進の上を飛び越しながら
ジュグの実から採取した油を撒く
火が放たれて
V谷兵が燃える
照らされながらアロンはキューロを二本振り回す
キューロはフールモによって改造されている
植物の改造という考えと実行はフールモしか成し得ない
キューロの棘は鋭い
金属より鋭い棘の生成はフールモしか成し得ない
キューロの棘はたちまちV谷兵を倒してゆく
双竜隊の動きには躊躇がなく無駄がない
軍師フールモの特殊な訓練による成果だ
ヨロン
「だが、きりがない 」
アロン
「援軍は期待できない 」
竜Q国から駆けつけた兵は
まだ数が少ない
それに比べ
V谷兵の数は圧倒的に多い
これほどの兵がV谷国にいるのは訝しいとアロンとヨロンは思っている
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竜Q国第二軍師フールモが率いる兵が迅速に
V谷との国境付近に駆けつけることができたのは
馬に与える餌が良いからであった
植物の専門家であるフールモは
馬の餌の研究も長年続けている
だが
尋常ならぬ速度で戦場に駆けつけた馬たちは戦力としては
しばらく使えない
あまりにも負担をかけすぎた早駆けであったのだ
竜Q国第二軍師フールモ
フールモには謎が多い
そしてフールモは多忙である
フールモは
植物による武器開発の研究
馬などの生体への植物の影響及び強化の研究
人体及び心理への植物の影響
植物による環境の改造
などなど
多数の研究と同時に
軍隊の訓練、自身の鍛練、軍略の研究
それらを同時に長年続けている
竜Q国の誰に訪ねても
「フールモ軍師は昔から研究を続けている 」と答える
どのような長老に訪ねても同じ答えだ
フールモはいったいいつからこの世界にいるのだろうか
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