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双竜隊

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67


V谷兵の真ん中に降り立ったアロンとヨロン

キューロを突き出す

V谷兵が
多数一挙に吹き飛ぶ

アロンは
左手でキューロを振り回しながら
右手の指でトゥルの実を
四個同時に発射させる

トゥルの実は鉄よりも固い

真新しい鎧を身に付けたV谷兵がトゥルに貫かれ四人倒れる

同時にアロンが振り回すキューロで
辺りのV谷兵はごっそり薙ぎ倒される

ヨロンはアロンと背中合わせになり
アロンと全く同じ動きを
少し時間をずらしながら行っている

双子の同調の成せる技である

アロンとヨロンが
無理やり開けた場所に
次々と
キューロを棒高跳びのように使い
竜Q兵が
舞い降りる

すべて双子である

竜Q国第二軍師フールモの部下
アロン将軍とヨロン将軍が率いる
双子だけで構成された『双竜隊』である



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数にものを言わせ
V谷兵が
一塊となり
槍を構え
突進してくる


双竜隊はキューロを棒高跳びのように使い
高く跳ぶ

V谷兵の突進の上を飛び越しながら
ジュグの実から採取した油を撒く

火が放たれて
V谷兵が燃える

照らされながらアロンはキューロを二本振り回す

キューロはフールモによって改造されている
植物の改造という考えと実行はフールモしか成し得ない

キューロの棘は鋭い
金属より鋭い棘の生成はフールモしか成し得ない

キューロの棘はたちまちV谷兵を倒してゆく

双竜隊の動きには躊躇がなく無駄がない

軍師フールモの特殊な訓練による成果だ

ヨロン

「だが、きりがない 」

アロン

「援軍は期待できない 」

竜Q国から駆けつけた兵は
まだ数が少ない

それに比べ
V谷兵の数は圧倒的に多い

これほどの兵がV谷国にいるのは訝しいとアロンとヨロンは思っている



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竜Q国第二軍師フールモが率いる兵が迅速に
V谷との国境付近に駆けつけることができたのは

馬に与える餌が良いからであった

植物の専門家であるフールモは
馬の餌の研究も長年続けている

だが
尋常ならぬ速度で戦場に駆けつけた馬たちは戦力としては
しばらく使えない

あまりにも負担をかけすぎた早駆けであったのだ

竜Q国第二軍師フールモ

フールモには謎が多い
そしてフールモは多忙である

フールモは
植物による武器開発の研究
馬などの生体への植物の影響及び強化の研究
人体及び心理への植物の影響
植物による環境の改造

などなど
多数の研究と同時に
軍隊の訓練、自身の鍛練、軍略の研究

それらを同時に長年続けている

竜Q国の誰に訪ねても
「フールモ軍師は昔から研究を続けている 」と答える

どのような長老に訪ねても同じ答えだ

フールモはいったいいつからこの世界にいるのだろうか








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