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前編
第三話
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アーサー・ケインがリース・ハーストに申請を出したという話は、いったいどこから漏れたのか、次の日にはもっぱらの噂になっていた。
朝の点呼でアーサーと顔を合わせることを昨日の晩から憂鬱に思っていたが、拍子抜けするほどにいつも通りだった。だが、どこかを歩くたびに向けられる下賤な視線のおかげで、輪をかけて不快な気持ちでヒートの前兆がまとわりつく昼間を過ごすことになった。不快な視線を感じる度、まだ右ポケットに入ったままのあの申請書の存在がちらつき、この講義が終わったら捨てよう、と決意を固めた。
木曜の二限目は、戦略理論の授業だ。
二年生になってようやく、専門の授業が多くなってきた。特にこの戦略理論は実践的で、リースにとってはお気に入りの授業のひとつだった。
この授業を担当する教官は実戦経験のある元士官であり、教科書には載っていない話を交えて語ってくれる、厳しくも優しい語り口が好きだった。だから休み時間の間に一番前の席へと移動して、ノートを広げて待っていた。
そんなリースの隣の席に、誰かが座る気配があった。わざわざこんな前の席で、しかもリースの隣で受けようだなんていう男は、学年に一人しかいない。
「聞いたよ、噂で。そういうことだったんだな」
その声色で、ジュリアンが既に探偵モードに入っていることを悟る。リースは溜息をつきながら、仕方なく教科書から視線を上げた。
「……どうやら僕はとんだ思い違いをしていたようだ」
始まった。聞かなくてもわかる。今日のホームズは、絶対にロクなことを言わないと。
「アーサー・ケインの方が、君のことが好きなんだな」
ほらやっぱり。その言葉に、リースはジュリアンを思いっきり睨んだ。
「そんなわけがない。あのアーサー・ケインだぞ?」
語気を強めてそう言うが、ジュリアンは怖気付くでもなく、得意げに推理を続けた。
「だって、それ以外に理由がない。
彼は四年生にもなって初めての申請だろ?
君のヒートに当てられただけなら、もっと早く申請するはずだが、しなかった。ここまで我慢してたんだろう。これはつまり……愛だ」
「頼むからやめてくれ」
「で、受諾するのか?」
「……しない。するわけない」
力強くそう言い切った時、始業の鐘が鳴って、いつものようにゴロゴロと建付け悪げな音を立てて扉が開いた。
だがその先に見えた光景に、教室が一気にざわついた。リースはそれと同時に、この席に座ったことを深く後悔した。
細身の長身に、綺麗なブロンドの短髪。その整った制服姿だけで、顔を見るまでもなく分かる。
スーツ姿の教官の後ろをついて現れたのは、なんとあのアーサー・ケインだった。
「今日の補佐に入ってくれる、四年生のケイン候補生だ。特進過程が内定している学生で、配属に向けた研修の一環だ。挨拶を」
アーサーが一歩前に出たその瞬間、後ろから視線が集まるのを感じた。どこを見ていいのか分からず思わず隣を見ると、ジュリアンはなんとも愉快そうに笑っていた。
「アーサー・ケイン、四年生。本日、ライト教授の授業を補佐する。進行を妨げるような行為は慎むように。問題があれば私に報告してほしい」
低く冷淡なアーサーの声が、湿った講義室に硬く響く。目は合わなかった。例のごとく背筋をまっすぐに伸ばして、わざと遠くを見ているような気もした。
教授が黒板の前に立ち、ざわめく教室に掌を二回打つ。
「静粛に。本日の講義は『戦術と撤退判断』だ」
教授がそう言うと、アーサーが一枚の大きな紙を持って前に出る。彼の手によって黒板に貼られたのは、一枚の海図だった。
その海図上では、補給艦の動線を敵国の潜水艦が分断しかけていた。艦隊は前進か撤退かを迫られている。
「この状況における判断を問う。補給線を失うリスクと包囲される危険を加味した上で、艦隊司令は撤退すべきか、進軍すべきか。理由と共に解答を」
教授のその問いに、教室が静まり返る。誰も手を挙げなかった。
リースは、迷った。普段なら挙手して解答したいところだったが、今日だけは無駄に目立ちたくはなかった。考えるふりをして、誰かが挙手するのを待つ。だが、いつまで経っても誰も手を挙げなかった。その状況を見かねたライト教授が、名簿に目を通し始める。リースは祈るように下を向いていた。
「……リース・ハースト候補生。どうかね?いつも熱心に聞いてくれているが」
だが、希望は打ち砕かれた。今日に限って挙手しないところを見て、少しは状況をくんで欲しいものだと内心苛立つ。リースはジュリアンにだけ小さく目配せをして、静かに立ち上がった。
「はい……撤退すべきだと考えます」
リースはなるべくアーサーの方を見ないよう、視線を上げた。
「理由は三つです。
一つ、補給線の喪失は戦力維持を困難にし、長期戦が不可能になること。
二つ、敵の進軍速度から見て包囲される可能性が高く、突出は危険であること。
三つ、現時点で情報が不確かであり、情報が錯綜する場面では後退が最善策であること。
よって、撤退が人的損失の最小化においても合理的であると判断します」
教授が頷いたのを確認して、性急に着席した。そのせいでギシリと軋む椅子の音が大きく響いてしまった気がして、少し後悔する。
「ふむ、論理的で良い答えだ。では――ケイン候補生、君は彼の答えをどう思うかね」
余計なことを。アーサーは一歩前へ出ると、教壇に手を置いた。まだ学生のくせに、まるで教官のような立ち姿だ。
「はい。ハースト候補生の判断は、非常に適切で、教科書的には正解に近いと思います。……ただし、撤退という判断には、もう一つ意味があるかと」
一拍の間。アーサーの視線が、ふとリースに向けられた。今日初めて、目が合った。リースは思わず息を呑んだ。冷たくて迷いのない、人を見定めるような視線。これと交われば、いつだって一瞬喉が詰まる。
「それは――『誰を置いて帰るか』という決断についてです」
だが、その言葉を聞いた瞬間、心臓の辺りが急激に冷えていくのが分かった。この男が一体何を言おうとしているのか、考えるだけで血の気が引いた。
アーサーは目を逸らし、また教室の一番後ろを見つめるように視線を上げた。
「戦術上の最善とは、常に全員を救うことではない。前線に残された兵士、補給が途絶えた基地、回収できない傷病者――それらを『見捨てる』という選択を、命令として出すのが艦隊司令の職責であると考えます。この場合ですと、前線の潜水索敵部隊と、外洋の連絡艇です。彼らの犠牲があって初めて、主力艦隊が包囲を免れ、補給線の再構築に移れる。そう考えます」
抑揚のないアーサーの声が、教室にズドンと重く落ちる。それまで僅かに浮ついていた空気が、その一言で底冷えするように変わっていた。
手が震えた。わかっている、これが正答なのだと。リースだって、それを承知で軍に入った。それでも、そんなふうに模範解答のように言われると悔しかった。
だって、それじゃあーー父の犠牲が、教科書通りのシナリオだったみたいじゃないか。
リースは俯いて震える手を握りしめ、静かに唇を噛んだ。
「……もちろん」
その時、アーサーが再び口を開いた。心做しかどこかさっきよりも柔らかい声色が、教室にふわりと波紋を広げる。
「置いて帰る兵士にも、家族や大切な人がいることを忘れてはならない。僕の身内にも、犠牲となった人がいて……。僕は彼のことを、とても尊敬しています」
その言葉に、リースは思わず顔を上げた。
「え……」
思わず喉から、声にならない息が小さく漏れた。
目が、合ったからだ。さっきまでよりも、いや、今まで見たどの視線よりも柔らかくて、どうしていいか分からなくなった。まるでリースだけに語りかけられたような、そんな気さえした。ふと脳裏に、遠い記憶が微かに蘇る。――霧と、石畳。いや、もっと昔のような気もしたし、もっと違う場所のような気もした。さっき冷え切ったはずの心臓が、柔らかな熱に浮かされて鳴り始める。
「素晴らしい解答です。戦術理論は、命令の合理性を学ぶ学問。ただ、彼の言うとおり、実戦で問われるのは、合理の先にある非情への耐性であり――」
教授の言葉が入ってこなかった。静かにノートに目を落としてペンを走らせながらも、どうしてもアーサーの視線が気になって仕方なかった。
――あの人が、なぜあんな紙を。
淡い期待のような感情が、胸の奥で静かに疼き始める。
――この人は、やっぱり他のアルファとは違うんじゃ。
海へ行く人だ。リースの先を歩く人だ。
そして何より、父を理解してくれる人、なのかもしれない。
肌に張り付く制服の裾を、ぎゅっと握りしめた。
だから――この人なら、と思ってしまった。
それに、こんなことでも繋がりを持てるのなら持ってみたいと、そんなちょっとした好奇心でもあった。
そっとペンを置いて、アーサーを見上げる。
相変わらず綺麗な立ち姿。板書の音が響く教室で、静かに視線だけが交わった。
その瞬間、もう引き返せない気がした。
朝の点呼でアーサーと顔を合わせることを昨日の晩から憂鬱に思っていたが、拍子抜けするほどにいつも通りだった。だが、どこかを歩くたびに向けられる下賤な視線のおかげで、輪をかけて不快な気持ちでヒートの前兆がまとわりつく昼間を過ごすことになった。不快な視線を感じる度、まだ右ポケットに入ったままのあの申請書の存在がちらつき、この講義が終わったら捨てよう、と決意を固めた。
木曜の二限目は、戦略理論の授業だ。
二年生になってようやく、専門の授業が多くなってきた。特にこの戦略理論は実践的で、リースにとってはお気に入りの授業のひとつだった。
この授業を担当する教官は実戦経験のある元士官であり、教科書には載っていない話を交えて語ってくれる、厳しくも優しい語り口が好きだった。だから休み時間の間に一番前の席へと移動して、ノートを広げて待っていた。
そんなリースの隣の席に、誰かが座る気配があった。わざわざこんな前の席で、しかもリースの隣で受けようだなんていう男は、学年に一人しかいない。
「聞いたよ、噂で。そういうことだったんだな」
その声色で、ジュリアンが既に探偵モードに入っていることを悟る。リースは溜息をつきながら、仕方なく教科書から視線を上げた。
「……どうやら僕はとんだ思い違いをしていたようだ」
始まった。聞かなくてもわかる。今日のホームズは、絶対にロクなことを言わないと。
「アーサー・ケインの方が、君のことが好きなんだな」
ほらやっぱり。その言葉に、リースはジュリアンを思いっきり睨んだ。
「そんなわけがない。あのアーサー・ケインだぞ?」
語気を強めてそう言うが、ジュリアンは怖気付くでもなく、得意げに推理を続けた。
「だって、それ以外に理由がない。
彼は四年生にもなって初めての申請だろ?
君のヒートに当てられただけなら、もっと早く申請するはずだが、しなかった。ここまで我慢してたんだろう。これはつまり……愛だ」
「頼むからやめてくれ」
「で、受諾するのか?」
「……しない。するわけない」
力強くそう言い切った時、始業の鐘が鳴って、いつものようにゴロゴロと建付け悪げな音を立てて扉が開いた。
だがその先に見えた光景に、教室が一気にざわついた。リースはそれと同時に、この席に座ったことを深く後悔した。
細身の長身に、綺麗なブロンドの短髪。その整った制服姿だけで、顔を見るまでもなく分かる。
スーツ姿の教官の後ろをついて現れたのは、なんとあのアーサー・ケインだった。
「今日の補佐に入ってくれる、四年生のケイン候補生だ。特進過程が内定している学生で、配属に向けた研修の一環だ。挨拶を」
アーサーが一歩前に出たその瞬間、後ろから視線が集まるのを感じた。どこを見ていいのか分からず思わず隣を見ると、ジュリアンはなんとも愉快そうに笑っていた。
「アーサー・ケイン、四年生。本日、ライト教授の授業を補佐する。進行を妨げるような行為は慎むように。問題があれば私に報告してほしい」
低く冷淡なアーサーの声が、湿った講義室に硬く響く。目は合わなかった。例のごとく背筋をまっすぐに伸ばして、わざと遠くを見ているような気もした。
教授が黒板の前に立ち、ざわめく教室に掌を二回打つ。
「静粛に。本日の講義は『戦術と撤退判断』だ」
教授がそう言うと、アーサーが一枚の大きな紙を持って前に出る。彼の手によって黒板に貼られたのは、一枚の海図だった。
その海図上では、補給艦の動線を敵国の潜水艦が分断しかけていた。艦隊は前進か撤退かを迫られている。
「この状況における判断を問う。補給線を失うリスクと包囲される危険を加味した上で、艦隊司令は撤退すべきか、進軍すべきか。理由と共に解答を」
教授のその問いに、教室が静まり返る。誰も手を挙げなかった。
リースは、迷った。普段なら挙手して解答したいところだったが、今日だけは無駄に目立ちたくはなかった。考えるふりをして、誰かが挙手するのを待つ。だが、いつまで経っても誰も手を挙げなかった。その状況を見かねたライト教授が、名簿に目を通し始める。リースは祈るように下を向いていた。
「……リース・ハースト候補生。どうかね?いつも熱心に聞いてくれているが」
だが、希望は打ち砕かれた。今日に限って挙手しないところを見て、少しは状況をくんで欲しいものだと内心苛立つ。リースはジュリアンにだけ小さく目配せをして、静かに立ち上がった。
「はい……撤退すべきだと考えます」
リースはなるべくアーサーの方を見ないよう、視線を上げた。
「理由は三つです。
一つ、補給線の喪失は戦力維持を困難にし、長期戦が不可能になること。
二つ、敵の進軍速度から見て包囲される可能性が高く、突出は危険であること。
三つ、現時点で情報が不確かであり、情報が錯綜する場面では後退が最善策であること。
よって、撤退が人的損失の最小化においても合理的であると判断します」
教授が頷いたのを確認して、性急に着席した。そのせいでギシリと軋む椅子の音が大きく響いてしまった気がして、少し後悔する。
「ふむ、論理的で良い答えだ。では――ケイン候補生、君は彼の答えをどう思うかね」
余計なことを。アーサーは一歩前へ出ると、教壇に手を置いた。まだ学生のくせに、まるで教官のような立ち姿だ。
「はい。ハースト候補生の判断は、非常に適切で、教科書的には正解に近いと思います。……ただし、撤退という判断には、もう一つ意味があるかと」
一拍の間。アーサーの視線が、ふとリースに向けられた。今日初めて、目が合った。リースは思わず息を呑んだ。冷たくて迷いのない、人を見定めるような視線。これと交われば、いつだって一瞬喉が詰まる。
「それは――『誰を置いて帰るか』という決断についてです」
だが、その言葉を聞いた瞬間、心臓の辺りが急激に冷えていくのが分かった。この男が一体何を言おうとしているのか、考えるだけで血の気が引いた。
アーサーは目を逸らし、また教室の一番後ろを見つめるように視線を上げた。
「戦術上の最善とは、常に全員を救うことではない。前線に残された兵士、補給が途絶えた基地、回収できない傷病者――それらを『見捨てる』という選択を、命令として出すのが艦隊司令の職責であると考えます。この場合ですと、前線の潜水索敵部隊と、外洋の連絡艇です。彼らの犠牲があって初めて、主力艦隊が包囲を免れ、補給線の再構築に移れる。そう考えます」
抑揚のないアーサーの声が、教室にズドンと重く落ちる。それまで僅かに浮ついていた空気が、その一言で底冷えするように変わっていた。
手が震えた。わかっている、これが正答なのだと。リースだって、それを承知で軍に入った。それでも、そんなふうに模範解答のように言われると悔しかった。
だって、それじゃあーー父の犠牲が、教科書通りのシナリオだったみたいじゃないか。
リースは俯いて震える手を握りしめ、静かに唇を噛んだ。
「……もちろん」
その時、アーサーが再び口を開いた。心做しかどこかさっきよりも柔らかい声色が、教室にふわりと波紋を広げる。
「置いて帰る兵士にも、家族や大切な人がいることを忘れてはならない。僕の身内にも、犠牲となった人がいて……。僕は彼のことを、とても尊敬しています」
その言葉に、リースは思わず顔を上げた。
「え……」
思わず喉から、声にならない息が小さく漏れた。
目が、合ったからだ。さっきまでよりも、いや、今まで見たどの視線よりも柔らかくて、どうしていいか分からなくなった。まるでリースだけに語りかけられたような、そんな気さえした。ふと脳裏に、遠い記憶が微かに蘇る。――霧と、石畳。いや、もっと昔のような気もしたし、もっと違う場所のような気もした。さっき冷え切ったはずの心臓が、柔らかな熱に浮かされて鳴り始める。
「素晴らしい解答です。戦術理論は、命令の合理性を学ぶ学問。ただ、彼の言うとおり、実戦で問われるのは、合理の先にある非情への耐性であり――」
教授の言葉が入ってこなかった。静かにノートに目を落としてペンを走らせながらも、どうしてもアーサーの視線が気になって仕方なかった。
――あの人が、なぜあんな紙を。
淡い期待のような感情が、胸の奥で静かに疼き始める。
――この人は、やっぱり他のアルファとは違うんじゃ。
海へ行く人だ。リースの先を歩く人だ。
そして何より、父を理解してくれる人、なのかもしれない。
肌に張り付く制服の裾を、ぎゅっと握りしめた。
だから――この人なら、と思ってしまった。
それに、こんなことでも繋がりを持てるのなら持ってみたいと、そんなちょっとした好奇心でもあった。
そっとペンを置いて、アーサーを見上げる。
相変わらず綺麗な立ち姿。板書の音が響く教室で、静かに視線だけが交わった。
その瞬間、もう引き返せない気がした。
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