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学園1年生編

ルシアンの成長

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 私ことルシアン・グランツは、ここグランツ皇国の第三皇子である。


 最近までの私は…自分でもどうかと思うほどに愚かな人間だった。
 物心ついた頃からずっと家族に対し抱いていた劣等感。私はそれを誰に相談することもなく、しかし上手く付き合うことも出来ず…。

 いつしか憧れの兄上は…憎悪の対象になっていた。

 皇子という地位があったのも災いし、私はどんどん堕落していった。もう自分では、引き返せない所まで行ってしまったのだ…。


 そんな私を殴って力尽くで引っ張り上げてくれたのがセレスタンという名の少女だった。そしてそんな彼女に付き合って、諦めないでいてくれたエリゼという少年。

 私は生涯、彼らへの感謝の念を忘れることは無いだろう。






 そうして私は特に忌み嫌っていたルキウス兄上とルクトル兄上に、長年抱いていた全ての感情をぶつけることを決意した。


「ルシアン、ルキウスが呼んでいるわ。
 コレに着替えて中央広場に行きなさい」

「姉上…わかりました」

 どうやって話を切り出そうか悩んでいたところ…向こうからお呼び出しがかかった。
 だが私の部屋にやって来た姉上は…何故かジャージ(赤)姿だった。そして渡されたコレも、どこからどう見てもジャージ(黒)だ…。

 とりあえず着替えて皇宮の敷地内にある広場に向かう。ここはよく騎士が鍛錬をしている場所だ。
 だが今日は…彼らはこっちを遠巻きに見ているだけ。そして広場の中央には…。


「よく来たな、ルシアン」

「待っていましたよ」

「ルキウス兄上(青)、ルクトル兄上(緑)…」

 ルクトル兄上もいたのか、丁度いい。そのヘルメットとピコハンには突っ込まないでおこう。

 と思っていたら…私にも渡された。深く考えることを諦めた私は、とりあえず装着。
 そして立ち尽くす私にはお構いなしに、2人は距離を取り…ピコハンをスッと構えた。つられて私も構える。意味が分からない。

 よく見ると、父上に母上もいる。姉上は何故カメラを構えている???
 この状況を理解していないのは私だけのようだ。助けてラサーニュ、ラブレー。


「ではルシアン…まずは私の話を聞きなさい!」

「あ、はい」

 話をするだけならば、室内でよいのでは?
 いつもは威厳たっぷりの兄上だが、ジャージ姿でヘルメットとピコハンを装着し、真面目な顔で構える様は間抜けそのものだった。


 あれ、もしかして兄上って…意外とポンコツ?



「……いいか!授業は真面目に受けなさい!テストで一番になれとは言わないから、せめて平均点は取りなさい!お前前回のテスト、落第点ギリギリだっただろう!!」

「なんで知ってるんですかあーーー!!?」

 そしてなんで大声で言うかな!?「言われて恥ずかしいと思うなら勉強しろ!」じゃないよー!!!
 その後も兄上は、私の普段の行いに対してズバズバ言ってきた。私もそれに対して言い返す。未だにピコハンの使い途が分からない。


「なんですか、兄上達が優秀だから私が比較されて落とされるんでしょうが!!!」

「誰だそんなこと言った奴は!!私が拳骨をくれてやる、教えなさい!!」

「多すぎて忘れましたよ!」

「いいですかルシアン!今後はそういう時、僕達にちゃんと言うんですよ!」

「ルクトル兄上…」

「そもそもお前は!!外見だけで言えば誰よりも皇帝に相応しいと言われているんだぞ!」

「は、はあ!!!?」

「そうですよ。そんな言葉を聞いた兄である僕や、皇太子である兄上の気持ちを考えたことはありますか!?」

 待って、なんで?見た目って…どこが???
 どっちかって言うと、ルキウス兄上のほうがザ☆皇帝って感じじゃないか。

「「その黒髪だ/です!!!」」

「へ?なんで?私にとってこの髪は…コンプレックスの1つなのですが…」

「「はあ!!?」」

「だって…父上の金髪でも母上の茶髪でもない、異物だから…。
 もしかして私は、もしかして…家族と血が繋がって無いんじゃ…って思ってて…」

 そんな私の言葉に、家族全員その場にぶっ倒れた。騎士達は、あれは…ずっこけってやつだな!全員仰向けに倒れた。
 その場に立っているのは私のみ、これは私の勝利ということでいいかな?
 だがルクトル兄上がほふく前進で私に近寄り、隔世遺伝について細かく解説してくれた。


「つまり…この色は、ルシュフォード様のもの…?」


 …………恥ずかしいいい!!!偉大すぎて尊敬することも畏れ多い、崇拝するルシュフォード殿下と同等に思われていたなんて…しかもそれを、私だけ知らなかったなんて…!!!

 その後復活したルキウス兄上とルクトル兄上と、互いの心の中をぶち撒け合った。



 そしてふと気付く。今散々ダメ出しされたが…

 その中で一度も、「皇族として」という言葉は無かった。


 それはつまり兄上達は今、皇子としてでなく…兄として、弟である私を案じ叱責してくれているのだ。


「……あ!?どうした急に…!?」

「あ!!!兄上言い過ぎですよ!!」


 気が付くと、私は涙を流していた。どうしようもなく嬉しくて。同時に情けなくて。私の背中をさするルクトル兄上の手が暖かくて。眉を下げて謝罪するルキウス兄上の顔が面白くて…。



 そうして吹っ切れた私は…ルクトル兄上と結託してルキウス兄上に襲い掛かった。初めてピコハンが役に立つ時が来た。
 だがアッサリ返り討ちに遭い、取っ組み合いになったが私は沈んだ。
 受け止めてもらえなかった時は…色んな意味で泣いた。


「あんた達ィ…ルシアンに何をしてるの…!?」

「「あ、姉上ぇ!!?」」

 私が地面にうつ伏せに倒れて動かないでいたら、ついに姉上が参戦してきた。撮影はいつの間にか母上に交代していた、すごい連写音が聞こえてくる…。
 姉上はさっき兄上達が落としたピコハンを拾い、私からヘルメットを奪い。静かに構えた。


「覚悟ーーー!!!!」

「「ぎゃああああーーー!!!!」」


 逃げ惑う兄上達を、1人ずつ正確に仕留めていく姉上。
 そして湧き上がる観衆を背に勝利宣言し、横たわる私に近づいて来た。


「今度から、嫌なことがあったら全部お姉ちゃんに言いなさい。
 ルキウスだろうとルクトルだろうと、父上であっても私がとっちめてあげるから!」

「姉上ぇ…」

 その言葉は非常に嬉しかったが…ちょっと恥ずかしい…。
 私は…兄上達と一緒に…姉上と母上を守れる男になりたい…。




 その後私は兄上達と和解し、今では些細な争いをしたり笑い合ったり出来るようになった。
 セレスタン達にも謝罪し、友人になることが出来た!

 ちなみにセレスへのプロポーズだが、私は本気だったぞ。恋愛感情かは分からないが…。
 彼女があの時、道場で…涙を流しながら私を叱責してくれた。その姿が眩しいほどに美しくて、愛おしいと思ったのは事実だ。
 そうして彼女を泣かせてしまったことを恥じて…今後はあらゆるものから私が守る!と決意した。人によっては、それが恋愛感情と言えるのかもしれない。私は…どうだろう?




 ※※※




 そして昨日。私は友人達を皇宮に招待した。
 友人と言っても、セレスとエリゼ以外には距離があるから…もう少し親しくなりたいと思い、提案したのだ。

「いえ、僕は遠慮します!」

「いいじゃん、行こうよ!」

 だがラサーニュ嬢の執事であるリオは、最後まで抵抗していた。それは嫌だから、という感情から来るものではないと理解している。

 平民である彼が主人や貴族なんかと同等に振る舞えば…それは他者からの妬みを買う。きちんと立場を区別することは、彼を守る意味もあるのだ。
 それでもセレスとラサーニュ嬢は、彼のことを弟のように思っているらしいので…他の使用人を一切排除した状態でパーティーを開始した。


 それでも少し前の私だったら…「使用人と同じ席に着けるか!!」と憤慨していたに違いない。
 身分はきちんと弁えるほうが互いの為になるのは事実だが、こういう非公式の場においては…別に気にしなくていいんじゃないか?と思うようになった。


 パーティーは始まったが、やはり皆私に対して壁がある。
 そうだ、すごろく!確か完成していたんだった、アレをやろう!

 そう考え部屋に取りに行く。ついでに兄上の部屋に忍び込み…美味しそうなジュースも分けてもらおう。普通に飲ませてくれればいいのに、ケチ。



 後に私はこう思う。
 兄上が…「これは酒だから、もう少し待ちなさい」と説明してくれていれば…マクロンがあんな目に遭うことも無かったのに……!!





 すごろくの紙を広げ、セレスが解説する。最初聞いた時、サイコロと言ったら賭博に使われるのが一般的だから…健全な遊びなのかと心配になったものだ。
 だが話を聞くと面白そうだったので…夜な夜な作成した。勉強しろとか言わないで…後でやるから。

 他のメンバーも、面白そうと言ってくれてゲームはスタートした。



 乾杯をしてセレスがサイコロを振り…そう、地獄のゲームがスタートしてしまった………。








 異変はゲームが始まってすぐに訪れる。


「そいや!えっとー…5だ!何…『自分の長所を言う』か。うーん……諦めが早いとこ!」

「もうセレスちゃん!それは長所じゃ無いですわ!」

「あれー!?じゃあ、切り替えが早いとこ!」

「物は言いよう、だな!!」

 エリゼがそう言って大笑いしている。なんか皆…テンション高い…?
 とにかく、次は私の番…っと。

「どれ…空白だ、じゃあ次」

 次のマクロンだが…このメンバーの中で、リオを除くと彼が一番私と距離があるように思える。
 賢い彼が、私のことを忌み嫌っていたことは気付いていた。だが今後は…そういった人にも、私の成長を見てもらいたい、と思う。


「俺ですね…殿下と同じ、空白です」

 淡々と進めるマクロン。だが…顔をよく見ると、ほんのり赤くなってないか…?

「次はボクだな!!えと…1だ!!!あははあははっ!!」

 ???そんなに笑える要素はあったか?そこも空白なのだが…エリゼは腹を抱えて笑っている。

「次、ジスラン!!……あれ?」

「………zzzzz」


 あれ、ブラジリエ…うつ伏せで、寝てる?エリゼが隣から叩いても蹴っても動かない。ひっくり返すと、その顔は真っ赤に染まっていた…。


 ま、まさか………!!!


「仕方ない、邪魔だから端っこに転がしとこう!じゃあバジルだな!!」

「ふぁい!えっと……振り出し…」

「うははあははは!!!」

 !?振り出しに戻ったリオが、静かに涙を流す。そんなに悲しかったのか…!?

「ぐす、お注ぎします…」

「ああ、ありがとう……」

 リオは、私達のグラスが空になるとすかさずジュースを注ぐ。エリゼとマクロンはどんどん飲んでいるが…これは…!!


「次い、ロッティだよ」

「ありがとうお兄様。えっと…『ジュース一気飲み』ね、任せて!!」

「待てラサーニュ嬢!これは…!!」

 止める間もなく、彼女はグラスに入っていたものを飲み干した。すかさずリオが注ぐが…。

「次は私ですわ…あら、サイコロが2つある…?」



 間違いない、これは…酒だ!!!!



「全員飲むのをやめ…あっ!!」

「ふにゅ~…」

 ルネが後ろに倒れた。なんとかセレスが受け止めたが…彼女も一緒に倒れてしまった!
 慌てて近付くと、ルネは完全に眠っている。ブラジリエのように床に転がしておく訳にもいかず、ソファーの上に寝かせた。
 そしてセレスはというと…。

「う~ん…起きれないい、ひっぱって~」

「はーい、お兄さま」

 すでにフラフラしており、ラサーニュ嬢にもたれ掛かっている。そのままサイコロを…まだ続ける気か!?



「えっと。腕相撲のマスかあ。右…ルネちゃんいないから、ロッティ!僕と腕相撲しよ~」

「はーい♡」

 腕相撲姉妹対決か。少し興味ある…。
 だが…あっさりセレスの勝利に終わった。ラサーニュ嬢が「お兄さまを傷付けるなんて出来ないわ!」と、明らかに手を抜いていたのだ。
 それでもセレスは「勝ったー!」と喜んでいるので…まあいいか。


「なあ皆、一旦やめに…「もう、ルシアン!ちゃんとやって!!」あ、ごめん。じゃあ、ほいっと」

 えっと?1回休みか。丁度いい、今のうちに人を呼びに…


「俺ですね…『腕立て伏せ20回(※女子は5回)』か…よし!!」

「ゴブファッッッ!!!?」

「「きゃーーー!!?」」

「あっっっっはあはじゃはっははっ」


 私は立ち上がり扉に向かおうとしたのだが…突然、マクロンが上半身の服を脱ぎ捨てた!!?

「何故脱いだ!!?」

「運動するからですが?1、2、3…」

 そのまま腕立て伏せを始める。
 駄目だ、今この現場を誰かに見られたら…マクロンはただの変態だ!!というか、そこで顔を真っ赤にしている姉妹が見えないのか!?


「ひ~…ひはっ。ボクはなんだあ?
『国歌独唱』よっしゃ!!!~♪」


 エリゼの歌声をBGMに腕立てをする半裸のマクロン。段々とカオスになって来た…!


「僕は…また4!!また振り出し!!うわああああああん!!!」

 そして身動きが取れないリオは、今度は号泣してしまった。こんなに騒いだら、誰か来てしまう…!!




 コンコン「あの、殿下…何事でしょうか…?」


 おばーーー!!?ドアの前に控えているメイドが!!


「なんでもないっ!!ちょっとゲームで盛り上がってて…私が呼ぶまで絶っっ対に入って来ないように!」

「かしこまりました…」


 ふう…せめて、マクロンに服を着せねば…!

「よし、20回!」

「お疲れ様、マクロン。さあ服を着ろ!!」

「ん~…暑いので、いいです」

 よくなーい!!!力尽くで着せようとしたら、セレスに「変態皇子だ~あはは~」と言われてしまったので…私の心は折れた。


 こうなったらいっそ…全員ルネとブラジリエのように潰してしまうか…!?



 こうして私は選択肢を間違えた。

 たとえマクロンが変態扱いされようとも…人を呼ぶべきだったのだ…!






 数十分後。


「うあああああああん!僕、また振り出しですああああ!!!」

「あはっはっ、はー!!げほっあ"ー…」

 このすごろくに振り出しマスは3つしか無いのだが…リオが引っ掛かりまくっている。そして手足をバタつかせて号泣している…。
 そしてエリゼは笑いすぎで、声が掠れてきている。


「次、わたし…?お兄さま~サイコロふって~…」

「ん~…?」

 この姉妹は限界が近そうだ。ラサーニュ嬢は、ルネの眠るソファーに腰掛けうとうとしている。床に蹲るセレスもまとめて、寝かしつけてしまおうか。
 そう思ってセレスの腕をゆっくり引っ張ったのだが…。


「ん……?あったか~い…」

「!!!!??」


 な、ななななな…!!!


 セレスはそのまま、私に抱き着いてきてしまった…!柔らかくて、いい匂い…じゃなくてっ!!

「んん…」

「………!!」

 彼女が身じろぎすると、変な感覚に襲われる…!ていうか、顔近…このままじゃ、マズい!!!
 彼女をべりっと引っぺがし、私は乱れた呼吸を整える。


「だ、だめだセレス!そんな誰彼構わず抱き着くな…!!」

「でもお…寒いんだもん…!」

「ならば俺が温めよう!!!」

「わーい…」

「お前は駄目だーーー!!!」

「ぶははははははははは!!!!」

 なんと、今度は半裸のままでマクロンがセレスを抱き締めた!やめろ、相手は隠してはいるが女性だぞ!!!しかも…。


「ん…セレス…」

「あはは、くすぐったいよう…んン…?」

「わーーーーー!!?」

 マクロンが、彼女の頬に、額に、瞼に、鼻に…キスをしてる!?エリゼはその様子に大笑いし、リオはいつの間にか眠っている。
 ついに唇にキスをしようと…それは駄目だーーー!!!マクロンを後ろから羽交い締めにする。


「やめろマクロン!!(社会的に)死ぬ気か!!?
 そんな格好で抱き着いている時点でアウトだぞお前!!!」

「そんな、格好…?

 ………はっ!分かりました!!!」

「分かってなあーーーい!!!」


 彼がセレスから手を離した瞬間に、彼女の救助に成功したが…!

 この野郎、ついに下まで脱ぎやがった!!!パンツ一丁になったマクロンは、再びセレスに襲い掛かる!!


「待て待て待て待て!!!お前、後悔するの自分だぞ!?」


 私はパンツ一丁の男に抱き着く趣味は無いが…服を着ていない彼は、掴む場所が無い。
 パンツを掴んで万が一ずり下ろしたら、マクロンの目の前にいるセレスがあまりにも可哀想なので…結果的に再びマクロンを羽交い締めにする羽目に…。うぅ気持ち悪い…。


「うおおお!殿下、何をする!?離せ!!」

「何ってお前を(犯罪者にしないよう)守ってやってるんだよ!!セレス、今のうちに避難しろ…って無理か!!
 エリゼ、セレスを連れて部屋の隅に行け!!」

「はは、あはっは、あ…げっほ、げほっ、うぐ…気持ち悪い…」

「やっぱトイレ行け今すぐ!!!」

 駄目だ、エリゼも当てにならん!!!
 マクロンには何を言っても効かないし、こうなったら力尽くで気絶させ…!!








「…………お前達、何してるんだ……?」



「…………え」



 この場にそぐわない、冷静な声が後ろから聞こえて来た……。


 私は壊れた人形のように…ギギギ…とゆっくりと振り向くと………。



「あに、うえ……」


 そこには、目を丸くするルキウス兄上、ルクトル兄上、ナハト、ブラジリエ(兄)の姿があったのだった……。



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