58 / 353
第一章 第三節 動き始めた運命
13 真名
しおりを挟む
「そもそも次代様ってのはなんだ? そのへんからぽっと湧いて出るもんじゃねえ」
「それは生まれる前にシャンタルが託宣で選ぶんだろ?」
「そうだ。つまりそれは?」
「親から赤ん坊を取り上げる、ってことか」
アランが言う。
「そういうことだ」
「かわいそうだな……」
ベルが胸の前でキュッと右手を握り、下を向いてぼそっと言った。
「大体二十年、大事な子供を取り上げられるわけだから、まあかわいそうと言えるだろうな。その代わり次代様の親には結構な金が渡されるんだ、子供が戻ってくるまで毎年な。子供が戻ってきてもその子が生きてる限りずっとな。一生金の心配をする必要はねえ。だから、貧乏人なんかは自分が親御様になれねえかなって交代の時を楽しみにしてるやつもいるらしい」
「そりゃまあ金でしか贖えねえんだろうが、うーん、なんて考えりゃいいんだろうなあ」
アランもベルも幼い時に家族を戦争に奪われた。それゆえに家族が引き裂かれる出来事には弱いのだ。
「子供が生まれても親には一度も抱かせてももらえないらしい」
「それ、ひどくねえか?」
「穢れからちょっとでも遠ざけたいんだろうな」
「かわいそ過ぎんだろうがよ!」
ベルが憤慨して言う。
「そういう国だからな、単にかわいそうって言うのも違うと思うぞ? 自分の子供が唯一絶対の神になるんだ、誇らしくもあるだろうよ」
「それにしたってよ……」
まだ何か言いたそうにするがうまく言葉にできない。
「そんな親が唯一、子供にしてやれることがある、それが『真名』だ」
「なんだよ、そのまな、ってのは」
「名前だな。名前をつけてやることができる」
「大層な言い方だなあ、親が子供に名前をつけてやるなんて普通だろうによ」
「まあな」
トーヤも認める。
「その決めた名前をな、神殿に預けるんだそうだ。そしてマユリアが人間に戻る時にそれを受け取り、親がつけてくれた自分の名前を知ると人間に戻る」
「なんだよそれ、そんだけで人間に戻るとかって、なんだよ、なんだよそれ」
ベルの質問をアランが制する。
「名前はな、ある種の魔法なんだよ。名付けることで名付けた相手を縛ることもできる。聞いたことねえか?」
「ねえな」
「おまえは本当に何も知らねえなあ」
アランが妹に呆れたように言う。
「知るかよ、そんなの」
「まあ知らねえなら教えといてやるよ。名前ってのはな、そんだけ大事なもんなんだよ、こっちでもな」
「わっかんねえなあ、名前は単に名前だろうが」
「理由とかは俺も知らねえから聞くな。単純に名前は大事だとだけ覚えとけ」
「わかったよ」
ベルが不服そうにアランに言う。
「その名前を受け取らない限りマユリアはマユリアのままなんだな? マユリアも一時的に2人になるわけか?」
「いや、それはない。シャンタルの場合は1日だけ2人になるが、マユリアは受け渡しが終わったらすぐに名前をもらって人に戻るそうだ」
「もらわないとどうなるんだ?」
「俺もそこまでは知らんが、今のマユリアがちょっと形は違うが結果的に受け取ってないと思うから、そのままになるんじゃねえのか?」
「ふうむ……」
アランが左手で右手の肘を受け、右手であごをさすりながら考える。
「ってことは、うちのシャンタルもそれを知ったら人間に戻るのか?」
「そこも分からねえんだよなあ」
トーヤがためいきをつく。
「そういう前例がないんだとよ。だから、一度マユリアになってでないと人間に戻れねえのか、それとも名前を知ったら戻るのか分からん」
「面倒だな」
「ああ、そうだな」
「もしかして、シャンタルがシャンタルなままなのもそのせいか?」
「鋭いな、さすがアラン」
トーヤが感心したように言うとまたベルがぶうぶう文句を言った。
「わかんねーよ、わけわかんねーなんでだよーよー」
「うるせえなあ、説明してやるから大人しくしとけ」
「とっととしてくれよな」
兄に言われ、ぶうぶう言いながら説明を聞く。
「俺だったらな、こんな目立つやつを連れて国に戻るなら見た目や名前を変える、分からんようにな。もしもシャンタリオの人間とかがこっちでたまたまシャンタルを見かけてみろ、名前を耳にしてみろ、あれ? って思わねえか?」
「そうか、そうだよな、シャンタルめちゃくちゃ目立つもんな」
うんうんと頭を振りながらベルが納得する。
「だろ? 隠すんなら適当な名前をつけて髪も短く切るとか染めるとかして外観も変える。そんで男らしい格好させてみろ、そんだけでもう誰もこのシャンタルがあのシャンタルとは思わんだろう」
「そうか、なるほどな」
「だがな、適当な名前をつけてみてもしもそれがシャンタルの真名だったら?」
「あ、人間に戻っちまうのかも知れねえのか」
「そうだ」
トーヤもうなずく。
「俺も適当になんか呼び名でもつけてやろうかとも思ったんだがそう言われててな。まさかそんな偶然あるわけないとも思ったんだが、そもそもがそれまでのことが全部そんなことあるわけないの連続だろ? そんでどうしても思い切れなかったんだよ」
「それは生まれる前にシャンタルが託宣で選ぶんだろ?」
「そうだ。つまりそれは?」
「親から赤ん坊を取り上げる、ってことか」
アランが言う。
「そういうことだ」
「かわいそうだな……」
ベルが胸の前でキュッと右手を握り、下を向いてぼそっと言った。
「大体二十年、大事な子供を取り上げられるわけだから、まあかわいそうと言えるだろうな。その代わり次代様の親には結構な金が渡されるんだ、子供が戻ってくるまで毎年な。子供が戻ってきてもその子が生きてる限りずっとな。一生金の心配をする必要はねえ。だから、貧乏人なんかは自分が親御様になれねえかなって交代の時を楽しみにしてるやつもいるらしい」
「そりゃまあ金でしか贖えねえんだろうが、うーん、なんて考えりゃいいんだろうなあ」
アランもベルも幼い時に家族を戦争に奪われた。それゆえに家族が引き裂かれる出来事には弱いのだ。
「子供が生まれても親には一度も抱かせてももらえないらしい」
「それ、ひどくねえか?」
「穢れからちょっとでも遠ざけたいんだろうな」
「かわいそ過ぎんだろうがよ!」
ベルが憤慨して言う。
「そういう国だからな、単にかわいそうって言うのも違うと思うぞ? 自分の子供が唯一絶対の神になるんだ、誇らしくもあるだろうよ」
「それにしたってよ……」
まだ何か言いたそうにするがうまく言葉にできない。
「そんな親が唯一、子供にしてやれることがある、それが『真名』だ」
「なんだよ、そのまな、ってのは」
「名前だな。名前をつけてやることができる」
「大層な言い方だなあ、親が子供に名前をつけてやるなんて普通だろうによ」
「まあな」
トーヤも認める。
「その決めた名前をな、神殿に預けるんだそうだ。そしてマユリアが人間に戻る時にそれを受け取り、親がつけてくれた自分の名前を知ると人間に戻る」
「なんだよそれ、そんだけで人間に戻るとかって、なんだよ、なんだよそれ」
ベルの質問をアランが制する。
「名前はな、ある種の魔法なんだよ。名付けることで名付けた相手を縛ることもできる。聞いたことねえか?」
「ねえな」
「おまえは本当に何も知らねえなあ」
アランが妹に呆れたように言う。
「知るかよ、そんなの」
「まあ知らねえなら教えといてやるよ。名前ってのはな、そんだけ大事なもんなんだよ、こっちでもな」
「わっかんねえなあ、名前は単に名前だろうが」
「理由とかは俺も知らねえから聞くな。単純に名前は大事だとだけ覚えとけ」
「わかったよ」
ベルが不服そうにアランに言う。
「その名前を受け取らない限りマユリアはマユリアのままなんだな? マユリアも一時的に2人になるわけか?」
「いや、それはない。シャンタルの場合は1日だけ2人になるが、マユリアは受け渡しが終わったらすぐに名前をもらって人に戻るそうだ」
「もらわないとどうなるんだ?」
「俺もそこまでは知らんが、今のマユリアがちょっと形は違うが結果的に受け取ってないと思うから、そのままになるんじゃねえのか?」
「ふうむ……」
アランが左手で右手の肘を受け、右手であごをさすりながら考える。
「ってことは、うちのシャンタルもそれを知ったら人間に戻るのか?」
「そこも分からねえんだよなあ」
トーヤがためいきをつく。
「そういう前例がないんだとよ。だから、一度マユリアになってでないと人間に戻れねえのか、それとも名前を知ったら戻るのか分からん」
「面倒だな」
「ああ、そうだな」
「もしかして、シャンタルがシャンタルなままなのもそのせいか?」
「鋭いな、さすがアラン」
トーヤが感心したように言うとまたベルがぶうぶう文句を言った。
「わかんねーよ、わけわかんねーなんでだよーよー」
「うるせえなあ、説明してやるから大人しくしとけ」
「とっととしてくれよな」
兄に言われ、ぶうぶう言いながら説明を聞く。
「俺だったらな、こんな目立つやつを連れて国に戻るなら見た目や名前を変える、分からんようにな。もしもシャンタリオの人間とかがこっちでたまたまシャンタルを見かけてみろ、名前を耳にしてみろ、あれ? って思わねえか?」
「そうか、そうだよな、シャンタルめちゃくちゃ目立つもんな」
うんうんと頭を振りながらベルが納得する。
「だろ? 隠すんなら適当な名前をつけて髪も短く切るとか染めるとかして外観も変える。そんで男らしい格好させてみろ、そんだけでもう誰もこのシャンタルがあのシャンタルとは思わんだろう」
「そうか、なるほどな」
「だがな、適当な名前をつけてみてもしもそれがシャンタルの真名だったら?」
「あ、人間に戻っちまうのかも知れねえのか」
「そうだ」
トーヤもうなずく。
「俺も適当になんか呼び名でもつけてやろうかとも思ったんだがそう言われててな。まさかそんな偶然あるわけないとも思ったんだが、そもそもがそれまでのことが全部そんなことあるわけないの連続だろ? そんでどうしても思い切れなかったんだよ」
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる