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第二章 第一節 再びカースへ
17 帰宅
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3人のやり取りを聞いていたトーヤが半分笑いながら言った。
「まあ考えても分かんねえな。神様も人間も関係ねえ、とにかく今やることやるしかねえんだよ」
「そうなのかなあ……って、あっ!」
うっかりベルがトーヤの言葉に返事を返し、慌てて右手で自分の口を押さえた。
それを見たシャンタルがまた笑う。
「今はよく笑うよなあ、シャンタル」
「楽しければね」
「ってことは、その頃は楽しいことってなかったのか?」
「うーん、知らなかったんだよね、まだ」
「楽しいを知らねえってのがまた分かんねえなあ……」
ベルが腕を組んで考え込む。
「とにかくそんな感じでね、その頃は。だからトーヤにクソガキって呼ばれたけどすごく納得だよ」
「そんでそのクソガキ様に振り回されたのが俺様ってわけだ」
ダルと一緒に村に戻った頃、もうすでに夜は明け始めていた。
村長の家に近づくと、家の前に数人の人影が見えてきた。
大きな人影はルギ、その横で両手を胸の前で組んでこちらを見ているのがミーヤ、そしてその横の小さいのはフェイだ。
「よお、どうした、こんな朝早くによお」
トーヤが明るく手を振って言う。
「どうしたって……」
ミーヤが言葉を飲み込んでトーヤを見た。
「いやあ、早くに目が覚めちまってな、そんでダルとちょっと酔い醒ましに散歩に行ってたんだよ」
「ちょっと海を見にね」
「ああいう風に見る海ってのも悪くねえよな」
「そうだな」
いつもの2人だ。いつもの友人同士の2人であった。
「心配します」
思わぬところから声が聞こえた。フェイだった。
「ちび、心配してくれたのか?」
「はい、心配しました」
「おいーまた泣くんじゃねえぞ!」
「大丈夫です、泣きません」
慌てて言うトーヤにフェイが目に涙を浮かべて言う。
「って、泣いてんじゃねえかよ、おい」
「泣いてません!」
うつむいた目からぽつりと1つ涙がこぼれた。
「うわ、わわわ、泣くなって!また俺が怒られんじゃねえかよ!」
「黙って怒られてください」
ミーヤが厳しく言う。
「ほら~あ、な、泣くなよ、泣くなって」
フェイに近づくと座って下から覗き込んだ。
「な、どこにも行ってねえだろ?ここにいるじゃねえか」
「はい、泣いてません」
「泣いてねえってよ、だから怒らないでくれよな?あんた、怒るとこええからなあ」
座ったままでミーヤを見上げて言う。
「怒ります」
「こええ~第2夫人はこええよな~なあ、ちび」
「だ、誰が第2!」
「だって、あんたが第1は嫌だっつーたからな、そんでちびが第1になったんだよな?」
「ま!」
フェイがそれを聞いて泣きながら笑い、ダルも一緒になって笑い、トーヤと、やがてミーヤも笑った。ルギだけが無表情にそれを見ていた。
「あ~腹減ったなあ、なんか食うもんあるかな」
「もう皆さん食事を済ませて漁に出ていらっしゃいましたよ」
「あ、しまった!」
ダルが慌てて言った。
「俺も漁いかなきゃ」
「って、どうやって追いかけるんだよ、泳いでか?」
「無理だよ~」
「大丈夫ですよ」
ミーヤが笑って言った。
「お父様がダルさんはトーヤ様のお相手をするようにとおっしゃってました」
「親父が?そっか、よかった」
心底ほっとするように言う。
その後、トーヤとダル、それからミーヤとフェイ、ルギも他の村人より遅い朝食をとり、その後は少し休んでからやることもないのでダルの剣の訓練をすることになった。
いい天気の日だった。秋の日差しの下、軽く木を削った剣(模擬刀は宮にあるのでダルが自分で木を削って作った)でやりとりをする。本当に軽いやりとりだけだ。
「なんせ二日酔いだからな~」
「あれっぽっちでかよ。しかも全部吐いてたじゃねえか」
「しょうがねえだろ~だめなんだからよ」
「じゃああれだ、俺が剣のお礼に酒の訓練してやろうか?」
「って、酒って訓練してどうにかなるもんか?何回もやったがだめだったぞ」
「そうか、体質じゃしょうがねえのかなあ。残念だなあ」
砂浜にべったり座ってそんな話をしていると時刻は昼頃になった。
朝出た船がそろそろ戻ってくる頃だ。みんな、何をするでもなく海を見て船が帰ってくるだろう方向を眺めていた。
と、
「ダルー!」
アミが、手を振りながら砂浜を走ってくる。
「なんだー?」
ダルが立ち上がって手を振って聞く。
「お客さん、あんたんちにお客さんが来てるよ」
「お客さん?」
「なんか神殿からのお使いだって」
「まあ考えても分かんねえな。神様も人間も関係ねえ、とにかく今やることやるしかねえんだよ」
「そうなのかなあ……って、あっ!」
うっかりベルがトーヤの言葉に返事を返し、慌てて右手で自分の口を押さえた。
それを見たシャンタルがまた笑う。
「今はよく笑うよなあ、シャンタル」
「楽しければね」
「ってことは、その頃は楽しいことってなかったのか?」
「うーん、知らなかったんだよね、まだ」
「楽しいを知らねえってのがまた分かんねえなあ……」
ベルが腕を組んで考え込む。
「とにかくそんな感じでね、その頃は。だからトーヤにクソガキって呼ばれたけどすごく納得だよ」
「そんでそのクソガキ様に振り回されたのが俺様ってわけだ」
ダルと一緒に村に戻った頃、もうすでに夜は明け始めていた。
村長の家に近づくと、家の前に数人の人影が見えてきた。
大きな人影はルギ、その横で両手を胸の前で組んでこちらを見ているのがミーヤ、そしてその横の小さいのはフェイだ。
「よお、どうした、こんな朝早くによお」
トーヤが明るく手を振って言う。
「どうしたって……」
ミーヤが言葉を飲み込んでトーヤを見た。
「いやあ、早くに目が覚めちまってな、そんでダルとちょっと酔い醒ましに散歩に行ってたんだよ」
「ちょっと海を見にね」
「ああいう風に見る海ってのも悪くねえよな」
「そうだな」
いつもの2人だ。いつもの友人同士の2人であった。
「心配します」
思わぬところから声が聞こえた。フェイだった。
「ちび、心配してくれたのか?」
「はい、心配しました」
「おいーまた泣くんじゃねえぞ!」
「大丈夫です、泣きません」
慌てて言うトーヤにフェイが目に涙を浮かべて言う。
「って、泣いてんじゃねえかよ、おい」
「泣いてません!」
うつむいた目からぽつりと1つ涙がこぼれた。
「うわ、わわわ、泣くなって!また俺が怒られんじゃねえかよ!」
「黙って怒られてください」
ミーヤが厳しく言う。
「ほら~あ、な、泣くなよ、泣くなって」
フェイに近づくと座って下から覗き込んだ。
「な、どこにも行ってねえだろ?ここにいるじゃねえか」
「はい、泣いてません」
「泣いてねえってよ、だから怒らないでくれよな?あんた、怒るとこええからなあ」
座ったままでミーヤを見上げて言う。
「怒ります」
「こええ~第2夫人はこええよな~なあ、ちび」
「だ、誰が第2!」
「だって、あんたが第1は嫌だっつーたからな、そんでちびが第1になったんだよな?」
「ま!」
フェイがそれを聞いて泣きながら笑い、ダルも一緒になって笑い、トーヤと、やがてミーヤも笑った。ルギだけが無表情にそれを見ていた。
「あ~腹減ったなあ、なんか食うもんあるかな」
「もう皆さん食事を済ませて漁に出ていらっしゃいましたよ」
「あ、しまった!」
ダルが慌てて言った。
「俺も漁いかなきゃ」
「って、どうやって追いかけるんだよ、泳いでか?」
「無理だよ~」
「大丈夫ですよ」
ミーヤが笑って言った。
「お父様がダルさんはトーヤ様のお相手をするようにとおっしゃってました」
「親父が?そっか、よかった」
心底ほっとするように言う。
その後、トーヤとダル、それからミーヤとフェイ、ルギも他の村人より遅い朝食をとり、その後は少し休んでからやることもないのでダルの剣の訓練をすることになった。
いい天気の日だった。秋の日差しの下、軽く木を削った剣(模擬刀は宮にあるのでダルが自分で木を削って作った)でやりとりをする。本当に軽いやりとりだけだ。
「なんせ二日酔いだからな~」
「あれっぽっちでかよ。しかも全部吐いてたじゃねえか」
「しょうがねえだろ~だめなんだからよ」
「じゃああれだ、俺が剣のお礼に酒の訓練してやろうか?」
「って、酒って訓練してどうにかなるもんか?何回もやったがだめだったぞ」
「そうか、体質じゃしょうがねえのかなあ。残念だなあ」
砂浜にべったり座ってそんな話をしていると時刻は昼頃になった。
朝出た船がそろそろ戻ってくる頃だ。みんな、何をするでもなく海を見て船が帰ってくるだろう方向を眺めていた。
と、
「ダルー!」
アミが、手を振りながら砂浜を走ってくる。
「なんだー?」
ダルが立ち上がって手を振って聞く。
「お客さん、あんたんちにお客さんが来てるよ」
「お客さん?」
「なんか神殿からのお使いだって」
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