悪役令息(?)に転生したけど攻略対象のイケメンたちに××されるって嘘でしょ!?

望百千もち

文字の大きさ
8 / 86
本編

7.目的は明確に

しおりを挟む
正規ルートと言えば。

主人公──小山内千秋が高等科入学から物語が始まる。


攻略対象は5人。

先日俺を強姦した3人······。
厳島龍玄、霧ヶ谷陽星、俺の従者でもある蓮楼透。
それに俺の寝ているのを良いことに睡姦していた我が兄、美園燈夜。
唯一、未だに関係の無い生徒会長の聖柄ひじりづか煌紀こうき
    
この5人が攻略対象者だ。





さてと。ここで問題が1つ·······。



·······俺···大きいイベントはともかく、細々した設定覚えてねぇええっ!!

そう。
BLのゲームをBLとして遊んでない俺だ。バトルアクション系のイベントは不安は残るが大丈夫だろう。しかし、その他好感度上げるための会話イベントとか、いや本編でさえ思い出すのが厳しいぞ·······。ストーリーイベント全っ然っ覚えて無いんだが?

記憶では攻略対象への好感度と主人公のレベルによって分岐の際に進むストーリーが違い、エンドは2種類だったがその分岐までにかなり多くのイベントがあった気がする。


詳しく覚えているのはそれくらいだ。
何しろ心を無にしてプレイしてた訳で、唯一の救いはギルドで稼いだ数千万にもなるドール·······あぁ、ドールってのはこの世界のお金のこと。基本はドールで変換するけど、10枚で1ドール銀貨、100枚で1ドール大銀貨、更にその上には0が1つつく度に金貨、大金貨、白金貨、大白金貨となっていく。リンゴ1個で8~10ドールって感じだったから·······前世で換算すると1ドール=10円くらいのイメージだ。

ゲームクリア後はポーション作りにハマって作っては売ってたんだよなぁ···。そんで貯まりまくった訳だが笑。確かアカソマSECOND(略称)ってアップデート版の2作目では実際に現金に換金出来るって話題になってた。まぁ、その分ギルドで稼げるドールが減った&その下に新しい通貨が実装されたらしいけど。·····アップデートしてでも換金しとくべきだった。勿体ないことした···(泣)








さてと、話が逸れたな···まずは目的を明確にしよう。 

俺はこの世界に転生してしまった訳だが産まれた時から男女比10:0の現実を理解し受け入れている。前世が男子校だった俺は実際に男と付き合っているという友人(男)が居たし、大学で知り合った友人にもゲイの奴がいたけど、普通に良い奴だったし──つまり偏見はない。

が、ここが重要だ。

受け入れてはいるが俺自身男同士でどうにかなりたいと思っている訳じゃない。女の子が居るならば是非ともそちらと付き合いたい。しかし残念なことにそれは不可能だが。

この世界の結婚出産が強制でない以上、無理に結婚する必要はない。なんなら一生独身を貫いたって構わないだろう。俺はそのつもりでいる。
というか、俺自身が男と結婚······と言う未来が想像出来ない。やはり前世の記憶もあってなのか偏見は無いが抵抗はある。それこそ女々しいことを言うが、元彼女曰くの『好きになったものは仕方がない』状況になるまでは独身を貫く。

しかし既に2度も自らの尻に男を受け入れてしまっている訳で(断じて自分から受け入れたのではない。強姦だ、レイプだ、無理矢理だ)性交渉については·······まぁ、痛くなければしても良いんじゃないかと思ってしまっている自分がいるのも嘘じゃない。べ、別にビッチになった訳じゃないぞ!!?断じて貞操観念がゆるゆるになった訳でもない。ただ、この世界に男しかいない以上そういった性的なことはもちろん男同士が普通な訳で男のプライドどうこうは置いおいたとして·······痛くなくて気持ちいいなら···まぁ良いんじゃないか?って感じ。第一、俺が男を抱くなんてのも想像出来ないしな。


しかし、あくまでも抱かれるとして。
それはアカソマ攻略対象以外で、だ。

だって、ダ女神──改めコーネリアの話では俺が今進んでいるルートはヤンデレルートってことだろ?ヤンデレという事は俺への強姦やあの執着は彼等の気質に基づいたもので、奴らはこれが普通って事じゃないか。この先1度狂ってしまった彼らの相手をするなんて溜まったもんじゃない。次こそは俺の尻も無事では済まないかもしれないんだ···ガクブル。


とにかく、これ以上俺の貞操が汚されないように上手いこと学園生活を乗り切らなくてはならない。卒業後は家のことは兄に任せて騎士を目指すも、冒険者になるでもいい。好きなことが出来る次男で良かった!

つまり、第一関門は無事に学園を卒業することだ。




·······むむむ。そうなると、なるようになるしかないか···。
肝心なストーリーを覚えていない以上、イベントに突入したらその場その場で臨機応変に対応するしかない。ああ······こんなことになるんならもっと真剣にプレイしておけば良かった···。今更後悔しても遅いが仕方がない。

明日の午後から高等科の入学式なのだから。


それから1番近いイベントと言うと······。



「生徒会長──『聖帝』の入学式挨拶、か」























·······眠い。ハッキリ言おう、俺は眠い!!
周りを見渡せば数人·······コクン、コクンと頭を落とし既に意識を夢の世界に投げ出している奴らもいる。どうして学園長の話というのはこうも眠気を誘うのだろうか······壇上のマイクから催眠波でも出ているんじゃないか?

「ねーねー、律花ぁ」

「·······何だ」

「えへへ、また一緒のクラスになれて良かったねっ」


うっ、何だこの可愛い生き物は···。
俺の前列、右前の席に座っていた千秋がくるっと振り向き、そう言って俺に笑いかけた。席順はクラス順に、入学式前にあった高等科進級テストの総合点順になっている。流石主人公と言った所か魔力量の多い千秋は実技試験をほぼ満点で通過したと聞いた。それに比べ俺は魔力量もそこそこで、何とか筆記試験と技術試験で高得点を得た感じだ。

今度はその声には答えず、軽く微笑み返す。今は入学式の途中だ。千秋も小声で声をかけてきたのだが私語は慎むべきだし、それに俺としてはこの5年間千秋を避け続けて来た訳で、いきなり5年前と同じように接するなんて無理だ。
しかし千秋は俺のそんな思いになど気が付かないようで、俺と目が合うとほわんっと表情が崩れた。ほわんっとしたその笑みは凄く和む。声に出さずに『前を向いてろ』と伝えるとハッと気づいたのか頷きピンッと背筋を伸ばした。くくっ、思わず笑いが零れる。





『続きまして、生徒会長挨拶』


いつの間にか学園長の話は終わっていたようだ。壇上に進行役の教師が立ち、一言そう言うと降りて生徒会長に目で合図をした。

タン、タン、と壇上に上がるその姿は確かに初期スチルにあったと思う。ハニーブロンドの髪質の良さそうなさらさらしたセミロング、ミントグリーンの瞳は慈愛の象徴か。···あぁ、これは見たことある。兄も兄で整った容姿をしているが、こんなイケメン1度見たら忘れない。




『進級生の諸君、入学式おめでとう。私はラヴィラン学園高等科三部、聖柄ひじりづか 煌紀こうきだ。現在、生徒会長を務めさせて頂いている』




堂々としたその姿と凛とした透き通る声に、今まで夢の世界を彷徨っていた入学式の学園長挨拶犠牲者たちも戻ってきた。中には声にならない黄色い悲鳴···もとい熱い眼差しを向ける者が続々と現れ、さっきまでの講堂とは別世界のようだ。一言一言発せられる言葉に指を組み涙を流す者もいる。···どんな狂信者だ。


聖柄煌紀は現理事長の長男。公爵家である聖柄家の長男だ。
既に家督を継ぐ為に休日は実地見聞と領地を巡り回っているらしい。三部生で勉強との両立も大変だろうに······凄いよなぁ。

このディアルタリカは王政だ。つまり、階級・身分という物がある。実際、このラヴィラン学園には様々な階級の人達が通っている。

······初等科の時に1度子爵の息子にセクハラ紛いの絡まれ方をした事があった。うちは一応伯爵って身分でしかも父さんの方の血がかなり珍しいとか何とか、そんときは結構大きな騒ぎになっちゃったんだよな·······。父親は母親と息子を連れ立ってスライディング土下座カマしてくるし、父さんはのほほんとしてたけど目が笑ってなくて?何故か母さんがめちゃくちゃ怒ってて、被害者の俺はと言うとやや引いてたと思う。

ラヴィラン学園内での階級差別は罰則があるから教師に見つかれば減点だし、前世と比べてもあからさまな虐めや差別は少ない方だと思う。ま、ゲームの中の美園律花は堂々と男爵令息である小山内千秋に突っかかってたが。そこはお得意の媚びやら何やらで回避してたみたいだ。···俺はそんなこと出来ないけどな。俺が···と想像するだけで吐き気がする。無理。





『──と、言うことで私からの挨拶は締めさせて頂こうと思う』


あー、と。
いつの間にか生徒会長挨拶は終わりを迎えていたようだ。
すっかり大事なことだと言うのに聞き逃してしまった。この後のイベントって······何かあったか?本当のことを言うと、聖柄ルートは後半に手を付け始めたから連打でストーリーを殆ど飛ばしてた。初期スチルを覚えていただけ上々。以降に起こることは確実だ。警戒を強めておこう。


ん?なんか騒がしくなってないか?

周りを見渡すと壇上を仰ぎ、立っているのが数人···いやさらに増えていく···ちょっと待て、何が起こって──。





ヒュッ


「律花!!危ないっ!」
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される

中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」 夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。 相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。 このお話はムーンライトでも投稿してます〜

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

処理中です...