ゲームだと騙されて転生させられたので、異世界を満喫しようと思います。

白月

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「うぅ……」

あの後エリシアは目が覚めて悲鳴をあげたのが余程恥ずかしかったらしくたまに唸っているのだが、あれは多分普通はあげて当たり前だと思うのだがなぁ。私はあの惨状を作った本人だから驚かなかっただけで。

そうしてゆっくりとだが歩いている遠目にだが壁らしき物がうっすらと見えてきた。

「うーうー唸るのも良いが向こうに見えているのが目的の街で良いのか?」

「うぇ!?うん!じゃなくてはい、あれが……?って殆ど見えないんですがよくあれが街だと分かりますね?」

「まぁ種族上目は良くてね?」

そう言ってみたら「そうですよねエルフですもんね?あれ?」と言っていたが嘘は言ってない。そもそもエルフだと言ってないからな。

「でもこの感じだと夕方には着けそうにないですね……ごめんなさい足を引っ張ってしまって。」

「いや構わないさ。それにね?」

そう言って振り向くと何かを悟ったのか後退るエリシアを横抱き(所謂お姫様抱っこ)にしてそのまま全力疾走を開始。

「お……おねねがいで……からもっとゆっくり……」

「あっははは、たまにはこういうのも良いだろう。」

「いーーやぁーーーー!!」

その日奇声をあげながら爆走する未確認生物が出たと騎士団に報告が行き、後日呼び出される羽目になった見た目金髪エルフが居たそうな。

その後2時間程爆走して踏ん張ってブレーキをかけたら止まる勢いで削った土を門番さんに思いっきりかけて(謝ったら許してくれた)入るのにお金がいると言われたので、盗賊から貰った銀貨を渡して入るといかにもな中世ファンタジーな世界が広がっていた。

「なにお上りさんみたいにキョロキョロしているんですか。行きますよ?」

「初めての街なんだしさ、少し位見ても良いじゃないかってちょっと待て!?」
    
言いきる前に手を繋がれて半ば引っ張る形でエリシアが歩きだし、何処に行くかと聞けば冒険者ギルドに行くと言われて、何故?と聞いたら物凄く残念な子を見るような目で見られた後説明してくれたんだが、この世界だと冒険者とは傭兵兼何でも屋みたいな存在で、まぁ当たり前だが信用が第一な仕事らしく、今回依頼して受けてもらったパーティーも護衛の達成率は8割以上(この世界だとかなり高いらしい)で失敗しても被害は積み荷だけの場合があったりと生還率が高いから依頼したらしい。(まぁ実態は襲った盗賊とグルだった訳だが)なので、それを伝えて処罰を求めるらしい。

「あいつらがエディにやった事はまだ割りきれてないし許す事は絶対に無いけど、私達みたいなのがこれ以上出てほしくないからやれる事はやっておきたいの……って何してるの?ねぇ私今真面目な話をしてたよね?」

「ん?いやなに、髪が余りにもボサボサだったからね。ちょっと簡単にだがお手入れをね?」

後ろから眺めているとどうしても気になって、何故かアイテムボックスに入っていた櫛も使ってこそこそと毛先の手入れをしていたら気付かれて怒っているのだが……

「エリシアは怒っている顔も可愛いのだな。」

「な!?いきなり何を言ってるのよ!私達女の子同士なの「エリシア?」……なによ?」

「ここ……往来ね?」

そう言うとエリシアは、あっと言いつつ周囲に見られている現状に気付いて逃げようとするが、少しイタズラを仕掛ける為に抱き寄せて逃げられない様に腰を片手でホールドしつつ頭をゆっくりと撫でると、エリシアは何が起きてるのか理解出来ないのか「な……ななななな」と壊れたスピーカーの様な状態になったので、少しやり過ぎか?とも思ったが楽しいので続行することに。

「君が望むのなら私は災厄から守る盾となり行く手を阻む敵を切り裂く剣となろう。」

そこまで言った所でエリシアの顔がボッと言う擬音が出そうな勢いで真っ赤になり「ふにゅ~」とか意味の無い言葉を言いながらフリーズした、意外とポンコツだな?この娘。そしてポンコツ娘エリシアが未だに帰って来ないので周りに集まっていた野次馬の1人に適当に聞くとするか。

「すまないお嬢さん少しいいだろう「何でしょうか?」……いや冒険者ギルド迄の道を聞きたくてね?」

何故か警戒心が全開だったので少し話を聞くと、どうやらエリシアの幼馴染みらしくエリシアの夫や彼女の夫の4人でよく遊んでいたそうだ。

「あの馬鹿も結婚して間もないのにさ、本当に馬鹿だよ……」

「結婚したばかりだったのか……無念だったろうな。それですまないが何と呼んだら良いのかな?」

「あぁそうだったね。あたしはノエルって言うんだ宜しくね?たらしのお兄さん?」

「いや待て私は男ではなく女性なのだが!?」

どうやら声の高い男性だと思われていたらしく、胸を触らせたら物凄く驚かれた……いや確かに元は男だしオッサンとも言える年齢だし今着ている簡易な防具と化している服も胸が目立たないのだが、(はいそこ壁とか言わない!きちんとAはある!)何故か不快な感情が沸き上がり即座に否定していた。でも私が男に抱かれるのを想像すると虫酸が走るし感覚は男性のままだと思うのだがなぁ。

「いえごめんなさいね?顔は整ってるし今女性1人で旅をしているなんて思わなくてね?ささここが冒険者ギルドだよ。早く用事を終わらせましょう!」

何か誤魔化そうとしているが、まぁさっさと終わらせるのは賛成だな……手を繋いで連れてきているポンコツ娘エリシアはまだ妄想から帰ってきていないので、聞くだけ無駄と言うよりもさっきから「うへへ」だの「私には愛する夫が」とか言ってるが、何を考えているのか理解したく何のだが。そうこうしている内に建物の中に入ると隣にいるノエルから「今報告している5人組がエリシア達が依頼したパーティーだよ。」と言われたのでエリシアをノエルに預けるとゆっくりと彼等に向かって歩いて行くが、何故か(本当に何故か)周りの厳つい男達が顔をひきつらせたり尻餅をついたりなど、おかしな事になっているがまぁ気にしない様にしよう。

「やぁそこの5人組ゴミクズ供少し話をいいだろうか?」

「あ?今は報酬の話をしてんだから後にしてもらえねぇか!?」

ははは、振り向いた5人組ゴミクズ供の中で一番大きいフルアーマーを着た男が振り向く途端に化け物を見たような風に驚いているのだが、おかしいな私はとても良い笑顔を浮かべているのだが。昔幼馴染みにも「鬼が現れた」だの「魔王が降臨したぞ」とか不本意な事を言われたが何が恐いのだろうか?それにしても男が3人に女性が2人だが黒いローブを羽織っている娘と神官服を着ている娘の様子がおかしいな?

「な……何だよ俺達が何かしたって言うのかよ?あぁ!?」

何か大男ゴミが喚いているが気にせずに調べる事にする。確かエリシアは魔法を使っていたからその辺りが怪しいか?

「ふむ『解析アナライズ』……あ?」

彼女達のステータス(普通は本人以外には見えないし調べる事が出来ないらしい)を見てみるとこんな状態になっていた。

_____________________________


Name:クロム 

Age:17

状態:心神喪失 言動支配

_____________________________

Name:ステラ

Age:18

状態:精神崩壊 言動支配

_____________________________

とかなっていたら誰でも怒ると思う。先ずは誰が操っているのかを知りたいのだが、魔力とは一種のエネルギーだと思うので見れないかと思っているとキンッと言う感覚と共に色の付いた薄い光の様な物が見えるようになった。

「成る程、あれがそうか。」

彼女達に絡み付く様に黒い糸が奴等の中の1人のローブを深く被っている奴に繋がっていたので今だに喚く大男を放置してローブの男に全力で駆けその勢いのまま光の塊と文字のような物が回っている場所に鳩尾から手を突き込むと「ぐびゅ!?」とか小さい悲鳴が上がったが、彼女達が受けた屈辱はこの程度ではないと思うと腑に落ちないが、さっさと解放するためにリズムよく鼓動している魔力の集まっている場所を握り潰すと破裂した感覚がして、男が目から血の涙を流し始めたのでとても驚いてくれたらしく、手を引き抜いて手に付いていた血を振り払うと男は何故か驚き過ぎたのか女の子座りをして俯いて血の涙を流し続けていた(黄色い液体が漏れだしていて汚いとか思ったのは秘密だ。)

「てめぇ!?一体何を!?」

隣に居た盗賊の様な軽装をした男がナイフを抜いて斬りかかってきたので、その勢いを利用し足払いを行い。倒れる時に首筋に裏拳を叩き込み一瞬だけ受け身をとれない様に意識を飛ばし、床に叩き付けた瞬間に
頭を踏み潰しゴシャと言う音と共に男が死ぬのを確認し、彼女達がどうなったのかを確認するために視線を向けるとクロムと言う娘は杖を落としてそのまま無言で立ち尽くしていて、ステラと言う娘は「……あ……う?」等意味の無い言葉を呟いていてどうやら魔法を解除するだけだと意味の無い状態迄行っている事を思いだし、彼女達に近付いて行くと彼女達迄殺すと思ったのか、明らかに駆け出しの様な装備をした青年が立ちはだかり。

「彼女達は傷付けさぜぇ!?」

さっさと行きたいのに邪魔なので、足元がお留守とばかりに足の間を蹴り上げペキパキパチュンと言う音と共に体が浮き上がり。感じたことの無い痛みだったのか、持っていた剣を落とし周囲に居た男達が一斉に内股になったりしたが、今だに退いてくれないので、

「邪魔。」

の一言と共に回し蹴りを放つと勢いよく入り口から出ていってくれたので彼女達の方に向かおうとすると、まるでモーゼの様に退いてくれたので「ありがとう。」とお礼を言うと、何故か全員が顔を青ざめて気絶したのだが。何もしていないのに不思議な奴等だなと思いつつも彼女達の様子を改めて確認すると、完全に心が壊れているみたいなので彼女達には悪いが私の種族スキルを試す実験台になってもらう事にした。(支配されてはいたが、エリシア達を害したのは事実だからな)
さてここで紹介するが私の種族スキルは『眷属作成』と言う。効果は結構単純で対象の肉体を変質させると言うだけで、これを精神が壊れている存在に使うとどうなるのか少し気になったのでいい実験台だと思うのでステラとか言う娘を抱き寄せ、顔を此方に向けさせそのまま口付けをして私の力をそのまま流し込みコキュコキュと彼女が飲み込んでいくのを確認しつつ、感覚でもう入らないなと分かったので口を離すと少し口の端に唾液が付いていたのに気付いたので舌でぺろりと舐めとると、顔が赤くなった彼女と目が合い(何故か目に光が戻っている)「あぁ……これが……」等言い出し、遠くに居るノエルは「きゃーっ♪」とか言っていて私は何がそんなに楽しいんだ?とか思いつつももう1人のクロムに向き合い同じように口付けをすると隣からステラとか言う娘が食い入るように見つめてきているが(君神官じゃないのかな?)そのまま力を流し込み口を離すと、さっきから黙っていた大男がプルプルしだして昔ゲームでやった時に見た僕悪いスライムじゃないよ。とかを思いだしていると、

「てめぇ!俺のものに何をしやがる!」

とか言いつつ腰に吊り下げていた長剣を抜いて斬りかかってきたのでどうするかと考えていると、隣からクロムがゆっくりと歩き出してきて手を大男に向けたと思うと。

「私のご主人様に斬りかかるとか不快。『フレイム燃え尽きて』」

その瞬間にクロムから巨大な魔力の塊が大男に纏わり付き一気に燃えだし「ギャァァァぁぁ!?」と悲鳴を上げつつ転がり回るが回りに引火せずに大男だけを燃やし続け「いい様。」とかクロムは言っているが隣にステラが歩いてきて何かを耳打ちするとしょうがないとばかりに炎を消し、その代わりにステラが歩いていき祈りだすと「グギャァァァァ!?!?」と傷が治っていっているのに地獄の様な悲鳴を上げだした。

「このゴミには私達の神に牙を向いた罪を償って貰わないといけませんからね?たっぷりと痛みと死ねない絶望を味わって下さいね?」

この時だけはそう言いつつも笑顔で聖女の様に微笑んでいるステラが地獄で笑う悪鬼羅刹の様に見えた。

「うへへ……ダメだよぉ……はっ!?ここは?……一体何がどうなってるの??」

漸く本当に今更妄想から帰って来たポンコツ娘エリシアの声がほぼ大男の絶叫と、ステラが私を讃える讃美歌を歌いだしたりクロムが死なない程度に大男に魔法で氷の槍や岩をぶつけたりしている空間にやけに響いた。それに関しては私もどうしてこうなった!?って叫びたいかな?
この騒ぎは完全防音の部屋からギルドマスターが出てきて異常に気付く迄続いた。
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