望月アグリと申します

有住葉月

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第6章 いざ東京

9、冨樫さんに聞きました

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望月アグリと申します。いつも、私の話にお付き合いいただき、ありがとうございます。

さて、冷たいヨウスケさんの対応がありましたね。

翌日、質屋を利用しようとヨウスケさんに聞こうとしたら、もう書斎にはいませんでした。

逃げられた!

困った私は隣の冨樫さんを訪ねました。

「困ったことになりました。」
「アグリさん、どうしたんだい?」
「昨日の夜、ヨウスケさん帰ってきたんですけど。」
「ありゃ、よかったじゃない。」
「朝はもぬけの殻でした。」
「ああ、そう言う人だね。」
「困ったことになりました。」
「どうした?」
「お金も尽きたことを話したら、ヨウスケさん、質屋さんに行けって。」
「ああ、うちも世話になってるよ。」
「教えていただいていいですか?」
「でも、いいのかなあ。」
「冨樫さん、藁をも縋る思いなのです。」
「質屋にはいいものを預けないとお金にならないよ。」
「預けてお金がもらえるんですか?」
「お金ができたら、返したら物も返してもらえるんだよ。」
「じゃあ、仕送りが来るまで、質屋さんに行きます。」

と言うことで、家に帰って、着物を何枚かまとめました。

「アグリさん、行くよ。」
冨樫さんが迎えにきてくれました。

「何を用意したんかね?」
「着物を何枚か。」
「ありゃ、これ西陣じゃないか?」
「ああ、姑が持たせてくれたんです。」
「これ、取り戻せなくなっちゃったら大丈夫なのかい?」
「仕送りしてもらいますから、大丈夫です。」

その時の私に言ってやりたいです。
私は軽率な行動をして質屋さんに度々お世話になってしまうことを。
もちろん、冨樫さんは何も悪くありません。
私はそれは銀行の一種だと思っておりました。

まさか、仕送りが来ないことになるなんてこの時の私は考えたこともありませんでした。

質屋さんではあっさりと一ヶ月分になるくらいのお金を借りる?もらう?ことができました。
安心しましたが、横にいた冨樫さんは何度も大丈夫かいと心配していました。

私はこの経験から、ヨウスケさんの軽率なアドバイスはタメにならないと言うことを学びました。
と言うことで今日はこの辺りで失礼します。お粗末さまでした。
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