僕、逃亡中【BL】

いんげん

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「やばい……ちょっと勃っちゃった」
「ひぃ」
 その言葉で、つい太股に当たる夕太郎の股間部分を意識してしまった。
「犬って、よくご主人様に腰使ったりするよね……」
「ちょっと……夕太郎⁉」
 僕を押し倒した夕太郎が、擦りつけるように腰を動かした。

「やっ、ダメだって」
 少し膨らんでいる夕太郎のソレが、お互いのズボンを隔てて触れてくる。僕は今まで、他人との性的な経験は何も無い。共同生活だったから、自分でする機会すら少なかった。だから、予想出来ない刺激と羞恥心に僕のものまで反応してきた。

「もどかしいけど興奮する」
 夕太郎の視線が熱い。素肌に浮かんだ汗が生々しい。まるで本当に犯されているように感じる。
「あっ……だめ、こんなの変だよ」
「変でも良いよ、犬だし……俺は、気持ちいいし、すげぇ興奮する」
 夕太郎は、ズボンの前を少し寛げた。透け感のある紺の下着が、ペニスの膨らみと共に覗いている。なんて、卑猥なパンツを履いているんだ。僕は首を引いて、つい見入ってしまった。
 僕らの間で潰されるように押しつけられる夕太郎のペニスが、上下に擦られたり、回すように捏ねられたり。
「うっ……あ、あぁ」
「理斗、良いねっ……めちゃくちゃ、良い」
 段々と夕太郎のペニスは柔らかさが無くなってきた。それに、僕のペニスもズボンの中で張り詰めてきた。すごく、もどかしい。だから勝手に体が快楽を求めていく。手足に力が入る。勝手に漏れる喘ぐ声を飲み込もうと唇を噛みしめた。

「理斗」
 夕太郎の舌が、僕の唇を舐めて、思わず高い声で喘いで、手で口を塞いだ。
「んっ、うっ」
 もう一方の手で夕太郎の顎を押すと、夕太郎が妖艶な顔で微笑み、僕を見下ろした。その姿は、決して飼い犬なんかじゃない。飼われているは僕だ。
「ゆ、たろ……うぅ……もう、やめ……」
 凄く気持ち良いけど、いけなくて苦しい。夕太郎を押しのけて、何処かに籠もって何とかしたい。でも、夕太郎の支配から抜け出せない。

「俺と、セックスする?」
「し、しない」
「くぅーん、じゃあ、わんわんで」
 夕太郎の腰が再び動き出した。そして、僕の胸に置かれた手が、意地悪く動きだした。服の上から摘ままれた乳首がコリコリと刺激された。最初は、なんで男の胸なんて触っているんだろうと思ったけれど、ツンと尖って痼ってきた乳首が、信じられないくらいジンジンして、ペニスがもっと勃ってしまった。
「んー、あっ、ああ!」
 初めての身を焦がすような快楽に、わけがわからず、口を塞いでいた手も離れて夕太郎の腕に爪を立てた。
「理斗、かわいい。でも、背徳感が凄い……やばいっ、その顔見てるだけでイキそう」
「ど、どいて、夕太郎、どいて!」
 僕は情けないと思いながらも、半泣きになって夕太郎に頼んだ。
「え? なに? ペロペロして?」
「んー⁉」
 ニヤリと笑った夕太郎が、僕の耳を舐めた。濡れた感触と、夕太郎の吐息が、僕の体を跳ねさせた。勃起したペニスを収めているパンツが、しっとりしてきた。

「理斗、理斗の息子さんもペロペロしていい?」
 夕太郎が、股間を擦り合わせながら首を傾げた。
「駄目! 馬鹿! 変態! どかないと叩くよ!」
 僕は、拳を握りしめて自分の顔の前で構えた。すると、夕太郎が、ちょっと馬鹿にするような顔で目を見開いたので、僕はイラッとして、夕太郎の耳を思いっきり引っ張った。
「あ、痛い……酷い、動物虐待」
 大根役者な演技で夕太郎が、痛い痛い言いながら、僕の乳首をぎゅーっと摘まんだ。
「ひぃ、やっ、駄目! こんなの知らない、やめ、どいて!」
「理斗、かわいい。交尾しようよ」
「馬鹿! もう出て行く!」
「ええええ! まって嘘、嘘です。交尾しません。捨てないで、一回拾った犬は最後まで面倒見てぇ」

 夕太郎が僕の上からどいたので、僕は夕太郎を睨み付けてから、トイレに駆け込んだ。
そう、それを何とかするために……。
ドアの向こうから、くぅーんという夕太郎の鳴き声が聞こえてくる。ときより、カリカリとドアが引っ掻かれて、気が散って集中できない。

「理斗……せめて、理斗が頑張ってるところ見たいよぉ」
「五月蠅い!」
 僕は、少しだけトイレの扉を開けて、ドアの前にしゃがみ込んで居た夕太郎に、トイレットペーパーをワンロール投げつけて、扉を閉めた。チラリと見えた夕太郎の勃起したソレが脳に焼き付いて離れない。ペニスは身長に比例しないって高校の同級生達が騒いでいたのに。してるじゃん。

「理斗、俺……ワンロールじゃ足りないかも」
「もう、黙って!」
 ゴンとドアを叩いて、人生でこんな事したの初めてだな、と少しだけ感動した。
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