飛んで火に入る夏の虫に転生しました【BL】

いんげん

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兄さんが帰ってきて、一緒に夕食を食べ、僕はお風呂へと向かった。
もちろん「冷蔵庫にゼリーを作っておきました」という一言は忘れずに。

とにかく兄さんの様子が気になって、頭を洗っている時、シャワーの水流が減り、おっ…兄さん今は、食器を洗ってくれているな、体を洗っているとき、静かになったぞ、そろそろ落ち着いてデザート食べているかな…と気が気じゃ無かった。

湯船につかっていても、とにかく部屋の方に耳を澄ませた。

もし、媚薬ゼリーを食べたなら…ソロソロ、作用して来るはず。

- カチャン -

「っ!」

僕の耳は、外でスプーンが落ちるような音を聞き逃さなかった。
湯船から、ザバーンっと上がり、一瞬立ちくらみがしたけれど、体を拭いてタオルを腰に巻いて部屋へ急いだ。

「兄さん、今何か音がしたけど大丈夫⁉」
「…なっ…お前…」

脱衣所のドアを開けて顔を出すと、兄が驚いた顔で振り返った。
兄は床に土下座に近い格好で座り込んでいる。
テーブルには、食べきったゼリーの皿があり、スプーンが床に落ちている。

やった!!成功だ。
少し罪悪感を感じながらも、しゃがみ込む兄の元に近づいた。

「兄さん、どうしたの?具合わるい?」
「っ!お…おい…」

兄の肩に僕の手を乗せると、兄は身を引いて後ずさった。
兄さんのズボンの股間部分は、もっこりと膨らんでいる。顔は赤く、目は潤んでいて…色気が…色気が半端なくて…鼻血が出そうかも。

「何でも無い!それより…風邪を引くぞ……着替えて来い!」

兄さんは、腕で顔を隠しながら、更に一歩下がった。

「…兄さん…どうしたの?何だか様子がおかしいよ」

自分でも、白々しい台詞だと思い、心の中で謝りながら一歩近づいた。
ジリジリと床を後退する兄の背がベッドまで辿り着いた。

「いいや…何もない!良いから……っ……近寄るな…」
「……兄さん」

あああああ!!
真っ赤にって困った顔の兄さんが、可愛すぎる!!
興奮で僕の目には涙が浮かんできた。抑えきれない萌えの衝動が手を震わせる。

「……ちがう…悪い……怒っているわけじゃない……くそっ……なんで……ぅ…」

兄さんの手が、強く握りしめられている。
あぁ…ごめんね兄さん。僕のせいで、こんなになっているのに…僕、いま鼻息が荒くなるのを止められない!
あぁ…坂巻ヒナタは、やっぱり最悪な弟だ。

「兄さん…」

僕は、兄さんの上に乗り上げるように抱きついた。
貴方に媚薬を盛ったのは、僕なんです。そう言ってしまいたい。でも…嫌われるのが怖くて言えない。
兄を抱きしめて、罪悪感と欲望と戦う。

「ヒ…ヒナタ!はなせ……駄目だ……ヒナタ!」

切羽詰まった兄さんの声に、はっとして顔を上げた。
あっ…僕のお尻で潰しているあたりに、兄さんの股間の膨らみが…。

エッ……エッロ!エロス!!

僕の中の天使が粉々になって召されていった。
エロスの悪魔は強かった。

強ばる兄の体を解して媚薬の作用に溺れさせようと、Tシャツ越しの兄の胸に手を置いた。
手のひらに兄さんの鼓動のリズムが伝わってくる。

「兄さん…すごく…ドキドキしてる…」
「…お…降りろ……ヒナタ……俺は…っう…今……駄目だっ…」

後ろに手をついて、僕から顔を背ける兄さん。
その首筋にも汗を掻いている。

「……凄い…汗を掻いているよ…兄さん……」

兄のTシャツを捲り上げて、その汗を拭いた。
すると露わになった、兄さんの割れた腹筋と、左の雄っぱい。その乳首はツンっと立ち上がっている。僕の恥ずかしいピンクの乳首と違って、兄さんの乳首は、ほんのり赤みがかったベージュ色だ。

「……僕のも、兄さんと同じ色がよかった…」

肌寒さで勃っている僕のピンクの乳首を、右手でギュッと摘まみ、兄さんの乳首を左手で突いた。
その刺激に此方を見た兄さんは、目を見開いて僕の胸を見ている。

「……どうして、こんなにツンって尖ってくるのかなぁ……ピンクだし…かっこ悪い…」
「……ヒナ…タ…」

兄さんの喉がゴクリと鳴った。
あっ…媚薬のせいで喉がカラカラなのかな?
媚薬、一本分全部入れちゃったし、ちょっとテイスティングしたバイウ-と、数滴かけた僕があんなになったのに、一本も飲ませて大丈夫なのかな⁉

今になって僕は不安になってきた。

「兄さん、僕、水とってくるね!」

水を沢山飲んで排出しようと思い、兄の上から立ち上がろうとした。

「…ぅあ!」
「…っぐ」

でも、腕を掴まれて、再び兄の上に乗り上げた。
そして兄の股間を踏んでしまう形になり、兄が呻いた。

「ごめん、兄さん!大丈夫⁉」

勃起しているペニスの上に乗るなんて…痛そう……。
本気で心配をした僕は、兄さんのズボンに手をかけた。

「…はぁ…はぁ…」

荒い呼吸の兄が、苦しそうに俯いている。

「…駄目だ……うっ……ヒナタ……見るな……」

勃起したペニスのせいで、張り詰めたズボンの前をそっと開いた。
ジ、ジ、ジ…と痛くないように、ジッパーを下ろした。
すると…ソレが、パンツの布を押し上げて出てきた。
既に先走りで濡れたパンツから…エッチな匂いがする。

「……兄さん…」

僕の手が興奮で再び震え始めた。

「…うっ……離れろ…ヒナタ……うぅ……おかしい……俺は……今、変なんだ……くそっ…お前を怖がらせたくない……」

離れろという兄さんの手は、僕の肩を痛いくらい掴んでいる。

「…に…兄さん……大丈夫だよ…」

そういえば、兄さんって恋人とか見たことないけど…処女童貞なのかな?
僕もそうだけど…。
バイウーと、チンチン合わせしたから、僕のほうが性的には兄だ。僕が兄さんをどうにかしてあげないと。
媚薬も一杯精液を出せは落ち着くはず。
まぁ…出し切る前に、この家を出ないとだけど。

「…兄さん……僕知ってるよ……ここから、びゅって出すと治るんだよ……バイウーの時もそうだったよ……」
「っ!」

バイウーの名前を聞いた瞬間に、兄さんが表情を変えた。

「んんっ…うっ…」

後頭部を掴まれ、強引に引き寄せられると、噛みつくようにキスをされた。
僕の唇が、兄さんの口に吸われ、兄さんの荒い呼吸がリアルに感じられる。

「…ヒナタ…ヒナタ……うっ…くっ…うぅ!」

キスをされながら、逆に押し倒された。
乗り上げてきた兄さんが、僕の上で腰を振る。
すると…僕の股間を隠していたタオルが捲れ、兄さんのパンツから飛び出したペニスが、僕のちんちんを擦った。

「ひゃあっ……」
「…くっ……んっ……ヒナタ!ヒナター!」

下腹部に熱い何かが飛び散った。
熱くて…肌に絡みつく…兄さんの精液だ。
兄さんの脈立つペニスから、ドク…ドクと更に精液が飛び出す。

「…はぁ…はぁ……んっ…」
「うぁっ!ちょ…兄さん!」

射精して、呼吸の整わないまま、兄さんが僕の胸にしゃぶりついた。

「んぁ……やめっ……や……だめ…」

吸い付き、乳輪を舐め回した舌が、乳首をコロコロと転がし始めた。

「兄さん!…だ…だめだよ!いやぁ!」

反対の乳首も、そっと指で弾かれ、じんじんする快感が僕のペニスにまで走った。

どうしよう…た…勃っちゃった!






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