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19話 四天王の居城への侵入

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それからしばらく歩くと、遂に目的の場所へ到着した。

「ここが……」

俺は辺りを見回す。

目の前には城のようなものが建っている。

「ここでいいんだよな?」

俺は確認する。

「うん。そうみたい」

サラが答えた。

「では、入りましょうか」

エルザが促す。

俺たちは門をくぐり抜け、中へと入った。

「広いですね……」

エルザが呟いた。

「そうだね……」

サラが同意する。

「さっさと終わらせるか」

俺は奥に見える扉に向かって歩き始める。

「待って!」

サラが呼び止めた。

「どうしたんだ?」

俺は立ち止まる。

「なんか変じゃない?」

サラが疑問を口にした。

「確かに……。何でしょう?」

エルザも違和感を感じているようだ。

「何も感じないが……」

俺は首を傾げる。

『マスターは鈍感なのですから……』

ルーナの声が聞こえた気がした。

『とにかく慎重に進みましょう』

ルーナの忠告に俺たちは無言で従うことにした。

それから少し進むと、魔物が現れた。

「早速来たか」

俺は構える。

「今度は私に任せて」

サラが一歩前に出る。

「わかった」

俺は了承した。

「いくよ!【ホーリーランス】」

サラが唱えると、光の槍が魔物に飛んでいった。

そして、見事命中し、消滅した。

「やるじゃないか」

俺はサラの成長ぶりに驚いた。

「ありがとう」

サラは嬉しそうだ。

その後も何度か魔物と遭遇したが、全てサラが倒した。

そして、とうとう目的の部屋の前に辿り着いた。

「ここにいるんだよね?」

サラは不安げだ。

「ああ」

俺は答える。

「じゃあ開けようか」

エルザがドアノブに手をかけた時だった。

突然爆発音と共に部屋の壁が崩れ落ちたのだ。

「え!?」

サラは驚いている。

『これは……』

ルーナは何か知っているようだ。

「大丈夫か?」

俺は二人に声をかける。

「うん。私は平気だけど……」

サラは困惑している様子だ。

「一体何が起きたんでしょうか?」

エルザは不思議そうな顔をしている。

『おそらく罠だと思われます』

ルーナが言う。

「どういうことだ?」

俺は尋ねた。

『この壁の向こう側に敵がいるはずです』

ルーナが説明する。

「なるほどな」

俺は納得した。

「とりあえず行ってみるしかないか……」

俺が提案すると、

「そうですね……」

エルザも賛同してくれた。

そして、俺たちは瓦礫を越えて先に進む。
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