【R18】熱波師の俺が転生したら、氷河期の異世界で【惑星ごと整う】らしい ~伝説のタオル捌きで女神たちを昇天させてみた~

のびすけ。

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第一部 最終章 さらば氷獄、こんにちは灼熱

渇きの炎帝、潤いの熱波師

「ハハハハハ! 燃えろ、燃えろ! 湿気たものなど、この世に一つも残すな!」

上空で高笑いする炎帝イフリータ。 
彼女が振るう大鎌から放たれる熱線によって、再生したばかりの世界樹の森が次々と火の海に変わっていく。 
圧倒的だ。 
単純な火力(カロリー)において彼女は俺たちを遥かに凌駕している。

「くっ……! 私の氷壁が、展開する前に蒸発させられるなんて……!」

セレーネが展開した氷の盾が一瞬で水蒸気爆発を起こして消滅する。

「風で吹き飛ばすのも無理! 逆に火の勢いを強めちゃう!」

ゼファが歯噛みする。
風属性は火属性の餌にしかならない。

「水も……お湯になる前に干上がってしまいますわ!」

ミズチが召喚した温泉水も、イフリータに届く前に白い湯気となって消えてしまう。

「……ふん。口ほどにもないわね」

イフリータが冷ややかな目で見下ろす。

「貴様らの熱は『ぬるい』のよ。……水分を含んだ熱など、不純物が混ざった紛い物。真の熱とは全てを炭化させる『乾き』のことよ」

彼女の周囲だけ、空気が陽炎のように歪んでいる。 
超高温の乾燥地帯。 
ドライサウナで言えば、湿度が低すぎて肌がピリピリと痛む昭和のストロングスタイルだ。 
だが、その温度は桁違い。
おそらく500度を超えている。

「……へぇ。乾きこそが至高、か」

俺はタオルで口元を覆いながらニヤリと笑った。 
ピンチだが、勝機はある。 
彼女は「熱」については最強かもしれないが「サウナ」については素人だ。

「おい、イフリータ。……お前、サウナに入ったことねぇだろ?」

「……は? 今さら何を」

「教えてやるよ。『乾いた熱』なんてのはな、空気の膜(断熱層)があるから意外と耐えられるんだよ。……だがな」

俺はヒロインたちを手で招き、作戦を伝えた。 
セレーネ、ミズチ、ゼファ、コキュートス。 
四人が頷き、それぞれの配置につく。

「『濡れた熱』は違うぞ。……湿気はな、熱を直接骨の髄まで叩き込む『凶器』になるんだよ!」

俺は両手を広げ最大出力でスキルを発動した。

「準備だ! コキュートス、絶対零度で空気を冷やして結露させろ! ミズチ、ありったけの源泉を出せ!」

「うん! ……世界を、冷やす!」 
「はい、旦那様! 大洪水をお見せしますわ!」

コキュートスの冷気が戦場に漂う湯気を冷やし、大量の水滴を生む。 
ミズチが地面から間欠泉を噴出させる。

「無駄よ! そんな水、焼き尽くして……」

イフリータが鎌を振り上げる。 
だが、その瞬間を待っていた。

「今だセレーネ! その水を一瞬で凍らせて『氷の弾丸』にしろ!」 
「分かったわ! ……氷結乱舞(アイシクル・ストーム)!」

数千、数万の氷の粒が、イフリータに向かって放たれる。 
当然、彼女の炎の結界に触れれば蒸発する。 
だが、それが狙いだ。

「ゼファ! 風で氷を『一点』に集めろ! 拡散させるな!」 
「任せて! ……嵐よ、集え!」

氷の礫がイフリータの目の前で竜巻のように収束する。

「……何をする気? 氷など、溶かせばただの蒸気……」

「そうだ! その蒸気が怖いんだよ!」

俺は蒸気機関車のような突進で、竜巻の中心へと飛び込んだ。

「俺の熱で膨張率を限界突破させる! くらえ、特大ロウリュ・キャノンッ!!」

俺は灼熱化したタオルを、氷の竜巻に向けて全力で振り下ろした。 
超高温の俺の熱と、イフリータの炎。 
二つの熱源に挟まれた大量の氷が一瞬で昇華し、体積が1700倍に膨れ上がる。

ボシュゴォォォォォォォォォォォッ!!

凄まじい爆音が響いた。 
火薬の爆発ではない。
水蒸気爆発だ。 
行き場を失った超高密度の「過熱水蒸気」が指向性を持った砲撃となってイフリータを直撃した。

「なっ……!? きゃぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

イフリータの悲鳴が上がる。 
彼女の炎の翼が白濁した蒸気に飲み込まれ、ジュッという音と共に鎮火していく。

「あ、熱っ!? なにこれ、熱いぃぃぃっ!?」

「どうだ! 湿球温度(しっきゅうおんど)の恐ろしさは! 湿度が100%になれば、汗もかけず、熱は逃げない! お前の体温ごと蒸し焼きだ!」

蒸気の中、イフリータがもがく姿が見える。 
自慢のボンテージ衣装は湿気で肌に張り付き、セットしていた髪はペシャンコに濡れそぼっている。 
乾燥肌の彼女にとってこの高湿度は毒ガスにも等しい苦痛だ。

「や、やだっ、ベタベタする……! 息ができない……! 化粧が落ちるぅっ!」

「へっ、とんだあばずれ女かと思ったら、濡れると随分とあどけない顔するじゃねぇか!」

俺は追撃の手を緩めない。 
タオルを旋回させ、蒸気をさらに彼女へと送り込む。

「整え! 強制的に整え! これが俺たちの『潤い』だァッ!」

「ひぐっ、あ、あついっ、のぼせるぅぅっ……! 覚えてなさいっ!」

イフリータは顔を真っ赤にし、涙目で叫んだ。 
もはや戦意喪失。
これ以上ここにいれば、自分が「茹でダコ」になると悟ったのだろう。

「こ、今回は引いてあげるわ! でも、勘違いしないで!」

彼女は残った魔力を振り絞り、火柱を上げて上空へと退避した。

「次は……次は私の本拠地、南方の『焦熱の火山群(ヴォルカヌス)』に来なさい! そこなら湿気なんて存在しない! 本当の地獄を見せてあげるからぁッ!」

捨て台詞を残し、彼女は赤い彗星となって南の空へと消えていった。

「……ふぅ。勝った……か」

俺はその場に大の字になって倒れ込んだ。 
周囲にはまだ白い湯気が立ち込めている。 
世界樹は少し焦げてしまったが、ミズチの水のおかげで致命傷は避けたようだ。

「ごうさん!」 
「旦那様!」

ヒロインたちが駆け寄ってくる。 
全員、汗と蒸気でびしょ濡れだ。 
服や肌が透けて、艶めかしいことこの上ない。

「……みんな、無事か?」

「ええ。ごうさんの機転のおかげよ。……まさか、あんな方法で撃退するなんて」

セレーネが俺の額の汗を拭ってくれる。 
その胸元が汗ではりつき、谷間が露わになっているのを見て、俺の理性が少し戻ってきた。

「……でも、逃げられちゃったわね」

ゼファが悔しそうに南の空を睨む。

「ああ。だが、次は向こうのホームだ。……火山か。面白そうじゃねぇか」

俺は体を起こした。 
イフリータの言葉が、逆に俺のサウナ魂に火をつけていた。 
湿気のない火山地帯。 
そこで、いかにして最高の「湿度」を作り出し、彼女を陥落させるか。 
新たな攻略目標(ターゲット)が決まった瞬間だった。

「ごうさん……。私たち、ついていくよ」

コキュートスが俺の腕にしがみついてくる。

「私も、もっと熱いの知りたい。……あの赤いお姉ちゃんよりも、ごうさんの熱のほうがすごいって証明したい」

「ふふ。そうですわね。……火山だろうと、私の温泉(愛液)があれば干上がることはありませんわ」

ミズチも妖艶に微笑む。 
頼もしい仲間たちだ。

「よし! そうと決まれば、準備だ!」

俺は立ち上がり、握りこぶしを作った。 
さっきまでの戦闘の緊張感はどこへやら、俺の顔は少年のように輝いていたはずだ。

「あのイフリータの『乾燥地獄』に対抗するには今の馬車じゃ力不足だ。……トトロキ号を対火山用『超・加湿サウナ要塞』に大改造するぞ!」

「ええーっ!? まだ改造するの!?」 
「今度はお金かかりそう……」

呆れるセレーネとゼファをよそに、俺はすでに設計図を脳内で描いていた。 
冬を越え、春を迎え、次は灼熱の夏へ。 
俺たちの「整い」を求める旅はまだまだ終わらない。

だがその前に――。

「……とりあえず、風呂入り直すか。汗かいて気持ち悪いしな」

俺の言葉に四人の美女たちが同時にあざとい笑顔を向けた。

「賛成♡」 
「今度こそ、最後まで……ね?」 
「背中、流して差し上げますわ♡」 
「ごうさんのおちんちん、洗ってあげる!」

イフリータ戦でお預けになっていた「ご褒美」の続き。 
どうやら火山の前に、ここでもう一戦、激しい「夜の火山活動」が待っているようだ。 
俺は嬉しい悲鳴を上げながら、再び美女たちの園へと引きずり込まれていった。
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