超短編小説集 2024

いとくめ

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余生

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もう何も思い残すことがないよう

きっちりと片付けることができたら

その後は全部余生だと割り切って

わたしが欲しかったものを

覚えている人がいない土地で

別の人生を始めたい

ほとんど生きているとは思えないくらい

ひとりでおとなしくしているから

もうわたしのことは探さずに

放っておいてほしい

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