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広間side
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とある騎士視点
何がどうなっていることやら……俺はルイス様の偉業が未だに信じられずにいた。
ルイス様の美しさとそれに相反するような性格は周知の事実のはずなのに、立太子式の時の飾り気の無い服に画期的なレシピ、ディヴィス様のお話される様子など、あまりに噂とかけはなれた姿に俺は未だ戸惑いを隠せていなかった。
この場にいるほとんどの人がそう思っているだろう、それほど衝撃的だった。
扉が開いた瞬間、あまりに現実離れした美しさに俺は息を飲んだ。俺だけではない、広間中がルイス様に見蕩れていた。
こんなにお美しい方だっただろうか……洗練された衣装に身を包んだルイス様は絨毯を1歩、2歩と進み、ふっと上を見上げて小さく微笑んだ。
天井の硝子から差し込む光が金糸のごとき髪を透かし、柔らかく照らしている。碧の瞳が光を映して煌めき。名画を見ているような、いや、どんな名画も敵わない、どこか神聖ささえ感じる光景だった。
式は無事に終わりに近づき、ルイス様がこちらに振り返ろうとした瞬間、
「かふっけふっけふっ」
覆った手の隙間から漏れ出る赤が衣装に、絨毯に染みを残していく。これは、なんだ。何が起こっている。
破られた沈黙、その後の全ての言葉に理解が追いつかない。
ルイス様が去った後、広間は大混乱に陥った。フィリスの呪い、誰かがそんな言葉を零した。
ぼかしているが子供の絵本にも出てくる有名な話だ。美しい魂を持った王家の者にだけかかるという、恐ろしい呪いだ。
運命の番とのキスによって呪いをとくか、7人の命と引き換えに生きながらえるか。触れた人を死に至らせ、やがて自分も死ぬ、孤独の呪い。
人を避け、少しでも近づかせないようにしていたのは……そればかりか民のためにレシピを開発していただなんて。
どれだけ孤独だっただろう、呪いの進行で体調も思わしくなかっただろうに。
ルイス様が去った扉を見つめながら、後悔と焦燥が胸を満たしていた。
何がどうなっていることやら……俺はルイス様の偉業が未だに信じられずにいた。
ルイス様の美しさとそれに相反するような性格は周知の事実のはずなのに、立太子式の時の飾り気の無い服に画期的なレシピ、ディヴィス様のお話される様子など、あまりに噂とかけはなれた姿に俺は未だ戸惑いを隠せていなかった。
この場にいるほとんどの人がそう思っているだろう、それほど衝撃的だった。
扉が開いた瞬間、あまりに現実離れした美しさに俺は息を飲んだ。俺だけではない、広間中がルイス様に見蕩れていた。
こんなにお美しい方だっただろうか……洗練された衣装に身を包んだルイス様は絨毯を1歩、2歩と進み、ふっと上を見上げて小さく微笑んだ。
天井の硝子から差し込む光が金糸のごとき髪を透かし、柔らかく照らしている。碧の瞳が光を映して煌めき。名画を見ているような、いや、どんな名画も敵わない、どこか神聖ささえ感じる光景だった。
式は無事に終わりに近づき、ルイス様がこちらに振り返ろうとした瞬間、
「かふっけふっけふっ」
覆った手の隙間から漏れ出る赤が衣装に、絨毯に染みを残していく。これは、なんだ。何が起こっている。
破られた沈黙、その後の全ての言葉に理解が追いつかない。
ルイス様が去った後、広間は大混乱に陥った。フィリスの呪い、誰かがそんな言葉を零した。
ぼかしているが子供の絵本にも出てくる有名な話だ。美しい魂を持った王家の者にだけかかるという、恐ろしい呪いだ。
運命の番とのキスによって呪いをとくか、7人の命と引き換えに生きながらえるか。触れた人を死に至らせ、やがて自分も死ぬ、孤独の呪い。
人を避け、少しでも近づかせないようにしていたのは……そればかりか民のためにレシピを開発していただなんて。
どれだけ孤独だっただろう、呪いの進行で体調も思わしくなかっただろうに。
ルイス様が去った扉を見つめながら、後悔と焦燥が胸を満たしていた。
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