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2度目
23 少年……おじいちゃん?
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「よく来たのう~」
森が近くの静かな場所に立つ高い塔。ツタが絡まる雰囲気のある外装に少し身構えていた俺を迎えたのは少年のようなソプラノだった。
袖の拡がった長いローブを纏った……少年、で合っているのか?緑の髪をひと房だけ後ろに長く流し、これまた緑のいたずらっぽい瞳が印象的だ。
「こんにちは。レイ・ヒイラギです。あの、賢者様ですか?」
「そうじゃよ~おや、コハクちゃんも一緒に来たんかの?まぁ自分で話すのが丁度いいし2人とも入った入った~」
ローブを翻したその少年の髪がさらりと乱れ、尖った耳がよく見える。
塔の中は壁一面の本棚に吊り下がる薬草、並べられたガラスの容器などが所狭しと置いてあり、その中をかき分けるようにして上に進んでいく。
「ここが客間じゃ!歓迎するぞい」
塔の最上階、窓から爽やかな風が吹き抜け髪を揺らす。飴色の木と石が素敵な内装に整った机……
「いや、めちゃくちゃ綺麗ですね?」
思わずツッコミを入れてしまう。
外観も、途中の本と薬草だらけのカオスな廊下も、正直それなりに年季が入っていたはずだ。なのにこの部屋だけは綺麗に整っている。
「そりゃそうじゃろ~?ここは客間じゃからの~」
いそいそとお茶を入れに行く賢者様を見送る。
「お待たせ~2人とも」
そんな軽やかな声とともに、賢者様は長い袖からちらりと覗く両手に乗せた盆を器用に運んできた。
ほのかに香る薬草茶と、添えられた小さな菓子。
「遠慮せず飲むといいぞい」
促されるままにカップを手に取ると、ふんわりとした甘い香りが鼻をくすぐる。スッキリとした程よい甘みが美味しいそのお茶に、賢者様は容赦なく角砂糖を投入していく。
「くう~染みるの~」
おじいちゃん……?
最後にぷっはぁ!と息をついてお茶を飲み干した賢者様がこちらに向き直る。
「うむ、ではそろそろ本題に入るとするかの」
急にすっと真面目な顔になるものだから解けかけていた緊張が戻ってくる。
「はい、よろしくお願いします」
「それではまず……レイちゃんって呼んでもいい?」
なるほど……ってそっち!?お守りは?
「だ、大丈夫です……?」
「せんきゅーじゃ!」
そう言うと瞳をパッチリと開いて俺を見つめる。吸い込まれそうな緑眼、全てを見透かされるような心地に少しだけ怖くなった。
「……いや、んー?シンプルに人の子じゃな」
賢者様が目を伏せた途端、さっきまでの異様な雰囲気が消え軽くなった空間に窓から風が吹き抜ける。
「おぬし……本当に人の子よの?15年前と姿が変わってないとかそう言う噂を聞くから、わしと同じ長命種かと思ったのじゃが……めっちゃ人間じゃ!」
それにしては魔力の質が人の子で見たことないくらい上質で変わってるんじゃが……と首を捻る賢者様。
「とまあそれはさておき!」
さておいちゃった……
「お守りを作った時に特別なことはしていないのじゃな?」
「はい、初めて作ったのでお店の方にアシストして頂いて、その通りに」
「ふうーむ、魔力の質も関係していそうじゃが……」
賢者様が俺とコハクを代わる代わる見つめ、にっこりと微笑んだ。
「コハクちゃんや、大切にされているのう」
「はい、俺はレイの1番大事ですから」
ふふん、と胸を張るコハク。覚えていてくれたんだな……得意げな耳を思わずぽふぽふする。
「それにしても本当に人の子がこんなものを作るとはのう……」
「あの、そういえばそのお守り、何が凄かったんですか?」
「おっと!忘れておった、すまんの、コハクちゃんや、説明プリーズじゃ!」
「はい、あれは……」
❀・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・❀
ダメだ……!あの日がフラッシュバックする。無力感、絶望感、喪失感……もう、嫌だ、もう、何も失いたくない……!
襲われる仲間を押しのけ、俺に魔物の爪が振り下ろされる。大きな爪が眼前に迫った、次の瞬間──
パァンッ……!
胸元から光が弾ける。光の膜が俺を包み、敵の攻撃を弾き飛ばした。
眩しさに目を細めると、光の中から桜の花びらが舞い上がる。
それは優しく、けれど力強く風に乗り俺の傷を温かく癒していく。仲間たちの傷もまた、桜の光に包まれて消えていった。
これは……
暖かく舞い上がった桜吹雪は傷を癒し終わると春の嵐のように吹き荒れ、魔物を次々と散らしていく。
「また、守られた……レイ!」
優しい、春を纏ったような人、俺の光。
けれど──
「……もう、守られてばかりじゃいられないんだ」
胸元をぎゅっと握る。
そこにあるのは、レイがくれたお守り。
この力に守られて、それで終わりにしたくない……!俺がちゃんと立ち上がるための、力に!
「みんな、立てるか!」
仲間が頷く。俺たちはまだ終わっていない。
背中を押されるような力を感じながら、俺は剣を構えた。桜の光を背に、魔物へと駆け出す。
もう、守られるだけじゃ終われない。あの日のように、全身が熱くなった。魔力が渦巻く、そして───
❀・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・❀
「そんなことがあったのか……」
「その後覚醒したコハクちゃんが敵を蹴散らしフィニッシュ!というわけじゃな」
「あの時は俺も必死で気づいたら、ですが」
「いやあ……それにしても普通は1個か2個くらいしか術式が入らんのに少なくとも結界、治癒、それに加えて反撃のあれは複合とも言えるし、全く新しいなにかとも言える……気になるのう」
気になるから今後もちょくちょく顔を見せておくれ!と名残惜しそうに下まで送ってくれる賢者様。……正直ほぼ分からなかったけど、コハクを守れたのなら良かった。もう夕方、空気が少し冷たさを帯び、頬をくすぐる。
「コハク、お家に帰ろうか!」
「うん!」
駆け出したコハクがあっという間に追いつき俺の手を握った。今日の夕飯は何にしようか……帰りに買い物して決めよう。いっぱい作らないとな、この可愛くておっきいワンコのために。
「言葉にするのも惜しいほど純粋な光景じゃ……コハクちゃん、難儀な恋をしておるのう……」
2人とも本当に可愛い子じゃ……そして、くっそ面白いのう!
暫くは退屈のたの字も聞かなくて済みそうじゃ……と緑の瞳が楽しげに微笑んだ。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
昨日は体調崩し人でした……次は閑話2個目、「コハク団長がワンコすぎる件」になります。
森が近くの静かな場所に立つ高い塔。ツタが絡まる雰囲気のある外装に少し身構えていた俺を迎えたのは少年のようなソプラノだった。
袖の拡がった長いローブを纏った……少年、で合っているのか?緑の髪をひと房だけ後ろに長く流し、これまた緑のいたずらっぽい瞳が印象的だ。
「こんにちは。レイ・ヒイラギです。あの、賢者様ですか?」
「そうじゃよ~おや、コハクちゃんも一緒に来たんかの?まぁ自分で話すのが丁度いいし2人とも入った入った~」
ローブを翻したその少年の髪がさらりと乱れ、尖った耳がよく見える。
塔の中は壁一面の本棚に吊り下がる薬草、並べられたガラスの容器などが所狭しと置いてあり、その中をかき分けるようにして上に進んでいく。
「ここが客間じゃ!歓迎するぞい」
塔の最上階、窓から爽やかな風が吹き抜け髪を揺らす。飴色の木と石が素敵な内装に整った机……
「いや、めちゃくちゃ綺麗ですね?」
思わずツッコミを入れてしまう。
外観も、途中の本と薬草だらけのカオスな廊下も、正直それなりに年季が入っていたはずだ。なのにこの部屋だけは綺麗に整っている。
「そりゃそうじゃろ~?ここは客間じゃからの~」
いそいそとお茶を入れに行く賢者様を見送る。
「お待たせ~2人とも」
そんな軽やかな声とともに、賢者様は長い袖からちらりと覗く両手に乗せた盆を器用に運んできた。
ほのかに香る薬草茶と、添えられた小さな菓子。
「遠慮せず飲むといいぞい」
促されるままにカップを手に取ると、ふんわりとした甘い香りが鼻をくすぐる。スッキリとした程よい甘みが美味しいそのお茶に、賢者様は容赦なく角砂糖を投入していく。
「くう~染みるの~」
おじいちゃん……?
最後にぷっはぁ!と息をついてお茶を飲み干した賢者様がこちらに向き直る。
「うむ、ではそろそろ本題に入るとするかの」
急にすっと真面目な顔になるものだから解けかけていた緊張が戻ってくる。
「はい、よろしくお願いします」
「それではまず……レイちゃんって呼んでもいい?」
なるほど……ってそっち!?お守りは?
「だ、大丈夫です……?」
「せんきゅーじゃ!」
そう言うと瞳をパッチリと開いて俺を見つめる。吸い込まれそうな緑眼、全てを見透かされるような心地に少しだけ怖くなった。
「……いや、んー?シンプルに人の子じゃな」
賢者様が目を伏せた途端、さっきまでの異様な雰囲気が消え軽くなった空間に窓から風が吹き抜ける。
「おぬし……本当に人の子よの?15年前と姿が変わってないとかそう言う噂を聞くから、わしと同じ長命種かと思ったのじゃが……めっちゃ人間じゃ!」
それにしては魔力の質が人の子で見たことないくらい上質で変わってるんじゃが……と首を捻る賢者様。
「とまあそれはさておき!」
さておいちゃった……
「お守りを作った時に特別なことはしていないのじゃな?」
「はい、初めて作ったのでお店の方にアシストして頂いて、その通りに」
「ふうーむ、魔力の質も関係していそうじゃが……」
賢者様が俺とコハクを代わる代わる見つめ、にっこりと微笑んだ。
「コハクちゃんや、大切にされているのう」
「はい、俺はレイの1番大事ですから」
ふふん、と胸を張るコハク。覚えていてくれたんだな……得意げな耳を思わずぽふぽふする。
「それにしても本当に人の子がこんなものを作るとはのう……」
「あの、そういえばそのお守り、何が凄かったんですか?」
「おっと!忘れておった、すまんの、コハクちゃんや、説明プリーズじゃ!」
「はい、あれは……」
❀・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・❀
ダメだ……!あの日がフラッシュバックする。無力感、絶望感、喪失感……もう、嫌だ、もう、何も失いたくない……!
襲われる仲間を押しのけ、俺に魔物の爪が振り下ろされる。大きな爪が眼前に迫った、次の瞬間──
パァンッ……!
胸元から光が弾ける。光の膜が俺を包み、敵の攻撃を弾き飛ばした。
眩しさに目を細めると、光の中から桜の花びらが舞い上がる。
それは優しく、けれど力強く風に乗り俺の傷を温かく癒していく。仲間たちの傷もまた、桜の光に包まれて消えていった。
これは……
暖かく舞い上がった桜吹雪は傷を癒し終わると春の嵐のように吹き荒れ、魔物を次々と散らしていく。
「また、守られた……レイ!」
優しい、春を纏ったような人、俺の光。
けれど──
「……もう、守られてばかりじゃいられないんだ」
胸元をぎゅっと握る。
そこにあるのは、レイがくれたお守り。
この力に守られて、それで終わりにしたくない……!俺がちゃんと立ち上がるための、力に!
「みんな、立てるか!」
仲間が頷く。俺たちはまだ終わっていない。
背中を押されるような力を感じながら、俺は剣を構えた。桜の光を背に、魔物へと駆け出す。
もう、守られるだけじゃ終われない。あの日のように、全身が熱くなった。魔力が渦巻く、そして───
❀・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・❀
「そんなことがあったのか……」
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「あの時は俺も必死で気づいたら、ですが」
「いやあ……それにしても普通は1個か2個くらいしか術式が入らんのに少なくとも結界、治癒、それに加えて反撃のあれは複合とも言えるし、全く新しいなにかとも言える……気になるのう」
気になるから今後もちょくちょく顔を見せておくれ!と名残惜しそうに下まで送ってくれる賢者様。……正直ほぼ分からなかったけど、コハクを守れたのなら良かった。もう夕方、空気が少し冷たさを帯び、頬をくすぐる。
「コハク、お家に帰ろうか!」
「うん!」
駆け出したコハクがあっという間に追いつき俺の手を握った。今日の夕飯は何にしようか……帰りに買い物して決めよう。いっぱい作らないとな、この可愛くておっきいワンコのために。
「言葉にするのも惜しいほど純粋な光景じゃ……コハクちゃん、難儀な恋をしておるのう……」
2人とも本当に可愛い子じゃ……そして、くっそ面白いのう!
暫くは退屈のたの字も聞かなくて済みそうじゃ……と緑の瞳が楽しげに微笑んだ。
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