17 / 60
第17話
しおりを挟む
球技大会当日、俺は、やってやるぞ!と意気込んでいた。
そんな俺に対してキョウヘイが、「やる気は十分みたいだな。俺もしっかりアシストするから、今日は頑張ろうぜ!」と鼓舞するようなことを言ってきた。
「ああ、もう今日の結果に賭けるしかないからな!やってやるよ!」
「そうそう!その調子その調子!でもその気合が空回りしないようにしないとな!」
「分かってるよ。」
「あとカジワラに俺たちの試合を見に来てくれるように言わないとな。」
「それも分かってるよ!今から言いに行こうとしてたところだよ!」
「そうか。それならいいけど。」
今からしようとしていることをキョウヘイに言われて少しイラっと来たが、俺のことを心配してくれてるのだろうと考え、あまり苛立ちをぶつけないようにした。
球技大会が始まると話しかけるタイミングがないかもしれないので、カジワラとハタケが体操着に着替えてクラスに戻って来た時に話しかけた。
「カジワラ!ハタケ!今日は頑張ろうな!」
「うん。まあやれるだけやってみるけど、初戦がいきなり3年だからなぁ……。」
「そうそう。ミーちゃんの言う通りいきなり3年生と戦わなきゃいけないから、それでなくてもやる気が出ないのに余計にやる気が出なくてさ……。いいよね。トツカくんは1回戦シードだから。」
「おいおい!1回戦シードだからって決勝戦までシードで行けるって訳じゃないんだぞ!それに1回戦で勝ち上がってきたら、俺も初戦は3年が相手だよ!」
「そういえばそうだったね。ごめんごめん。ちょっとやっかみがあったかも。」
「分かってくれたのなら別にいいけどさ。なぁ?もし良ければなんだけど俺の試合の応援に来てくれないか?」
「うん。行く行く。あ!だけど咲ちゃんたちの試合の応援に行く約束もしちゃったから、それに被らなかったら行くよ!その代わりにトツカくんも私たちの応援に来てね!」
「うん。行くよ。絶対行く!」
そこまで話したところで、球技大会の開会式を行うので全生徒体育館に集まるように校内放送があった。
「それじゃあ、ミーちゃん。トツカくん。体育館に行こうか?」
俺がカジワラを振り向かせられるかどうかが決まる一日が幕を開けた。
俺とキョウヘイの出るバスケの試合はシードで2回戦からだし、カジワラたちの卓球の試合も後の方だったので、キョウヘイとカジワラとハタケと一緒に同じクラスの人の試合で一番早い女子のバスケの試合を応援に行った。
相手は1年生で背の高い人もあまりいないし、試合を見てると中学の時バスケをやっていた感じの人もいなさそうなので(要するにたいしてうまい人がいないので)楽々勝利していた。
次に男子のバレーの試合の応援に行った。この試合も相手は1年生で、相手の選手が全員アンダーハンドサーブだったため、レシーブで受けるのが楽だったので次のトスにつなげやすくスパイクでガンガン点を取った。それだけでなく、1年生はまだなのだろうけど、授業でオーバーハンドサーブの練習をさせられていた俺たちのクラスの男子は、サーブだけでもガンガン点を取って行き、楽々勝利していた。
バレーの試合が終わるとカジワラたちの卓球の試合の時間が近かったので、カジワラたちの試合が行われる体育館に向かった。カジワラとハタケは球技大会が始まる前にはやる気が出ないといっていたが、試合が行われる体育館に着くと緊張しているようだった。
「う~緊張する~。」
「あれ?やる気が出ないとか言ってたのにカジワラ緊張するのか?」
「そりゃ緊張するよ!1年生相手とはいえ、うちのクラス1回戦勝ってるとこが多いから、1回戦で負けたらクラスのみんなに合わす顔がないよ!」
「それじゃあ絶対に負けられないな!頑張れよ!」
「うん!せめて1ゲームくらいは取れるように頑張るよ!」
カジワラもやる気を出して試合に臨んでいった。卓球の試合は3ゲームマッチで11点制のゲームを2ゲーム先に取った方の勝ちだ。カジワラとハタケはダブルスの試合に出場した。
相手の選手は3年生とはいえ、パッと見た感じはおとなしそうな人たちだったので、カジワラたちと同じく消極的な理由で卓球を選んだのかもしれない!それならカジワラたちにも勝機はあるぞ!と考えたが、見た目で卓球の強さが分かるほど俺、卓球に精通してなかったな。もしかしたら中学の時に卓球部だったかもしれないよな。とも思った。えーい!前者であってくれ!と俺は祈り始めた。
「おい!試合始まるぞ!」
キョウヘイにそう言われて、俺は閉じていた目を開けてカジワラたちの試合を応援し始めた。カジワラたちの応援をし始めてすぐにとんでもないことに気が付いた。
この試合、とんでもなく泥臭い試合になりそうだな。
俺だけでなくキョウヘイやこの試合を見ている人たち全員がそう思っただろう。なぜならまずどちらもサーブが入らなかった。そしてサーブが運良く入ってもレシーブがうまく行かず返球できなかった。そのためほとんどラリーをすることなく、試合が進んでいった。そして1ゲーム目、カジワラとハタケが9点、相手の3年生が9点の同点になった時に俺とキョウヘイのバスケの試合が始まりそうになったので、後ろ髪を引かれながら(試合は全然面白くなかったが、カジワラたちの試合だったので結果だけは知りたかったため)その場を後にした。
バスケの試合が行われる体育館に向かいながら、キョウヘイが、「なあ、カジワラとハタケ勝つと思うか?」と聞いてきた。俺は願いを込めながら、「勝てるんじゃないかな?相手の人たちも全然上手くないし。ていうか勝ってほしい!」と答えた。
「そうだな。信じることが大事だよな。」
キョウヘイは俺の返答に納得したのか2度頷いた。何とか試合5分前に着いたが、俺たちのクラスも相手のクラスもすでにコート上にいた。俺とキョウヘイが急いでビブスを着ようとしたら1枚しかなかった。
一瞬、何故だろう?と思ったが、理由はすぐに分かった。俺たちのクラスはバスケを選んだ人が6人いるので、1人は補欠になる。先に来ていた八木たち4人がビブスを着てしまっているので残りは1枚しかないという訳だ。俺が、どうしよう?と迷っていると、キョウヘイが「セイ!早くビブス着てコートに行けよ!」と言ってきた。
それでも俺が「いいのかよ?キョウヘイ?」と踏ん切りをつけられずにいると、「カジワラにカッコいい所見せるんだろ!試合に出なかったらそれもできないぞ!俺はアシストできないけど頑張れよ!」と鼓舞してくれた。
そうだよ!カジワラにいい所見せるために今まで頑張って来たんだ!この試合でもしうちのクラスが負けてしまったら、もうカジワラにカッコいい所を見せるチャンスは巡ってこないかもしれない!
「分かった!ありがとう!キョウヘイ!」
そう言ってビブスを着て俺はコートの中に入って行った。試合開始時間前には来ていたので、審判の先生は何も言わなかった。
「それではこれより2回戦2-3対3-6の試合を始めます。」
「よろしくお願いしまーす!」
いよいよ始まるのか。相手は3年なのか。勝てるかな?いやいや、気持ちで負けちゃダメだ!勝つ勝つ勝つ勝つ勝―つ!よし!やるぞ!
俺は両ほほを両手で叩いて気合を入れた。そして八木が飛ぶジャンプボールの行方を見つめていた。
そんな俺に対してキョウヘイが、「やる気は十分みたいだな。俺もしっかりアシストするから、今日は頑張ろうぜ!」と鼓舞するようなことを言ってきた。
「ああ、もう今日の結果に賭けるしかないからな!やってやるよ!」
「そうそう!その調子その調子!でもその気合が空回りしないようにしないとな!」
「分かってるよ。」
「あとカジワラに俺たちの試合を見に来てくれるように言わないとな。」
「それも分かってるよ!今から言いに行こうとしてたところだよ!」
「そうか。それならいいけど。」
今からしようとしていることをキョウヘイに言われて少しイラっと来たが、俺のことを心配してくれてるのだろうと考え、あまり苛立ちをぶつけないようにした。
球技大会が始まると話しかけるタイミングがないかもしれないので、カジワラとハタケが体操着に着替えてクラスに戻って来た時に話しかけた。
「カジワラ!ハタケ!今日は頑張ろうな!」
「うん。まあやれるだけやってみるけど、初戦がいきなり3年だからなぁ……。」
「そうそう。ミーちゃんの言う通りいきなり3年生と戦わなきゃいけないから、それでなくてもやる気が出ないのに余計にやる気が出なくてさ……。いいよね。トツカくんは1回戦シードだから。」
「おいおい!1回戦シードだからって決勝戦までシードで行けるって訳じゃないんだぞ!それに1回戦で勝ち上がってきたら、俺も初戦は3年が相手だよ!」
「そういえばそうだったね。ごめんごめん。ちょっとやっかみがあったかも。」
「分かってくれたのなら別にいいけどさ。なぁ?もし良ければなんだけど俺の試合の応援に来てくれないか?」
「うん。行く行く。あ!だけど咲ちゃんたちの試合の応援に行く約束もしちゃったから、それに被らなかったら行くよ!その代わりにトツカくんも私たちの応援に来てね!」
「うん。行くよ。絶対行く!」
そこまで話したところで、球技大会の開会式を行うので全生徒体育館に集まるように校内放送があった。
「それじゃあ、ミーちゃん。トツカくん。体育館に行こうか?」
俺がカジワラを振り向かせられるかどうかが決まる一日が幕を開けた。
俺とキョウヘイの出るバスケの試合はシードで2回戦からだし、カジワラたちの卓球の試合も後の方だったので、キョウヘイとカジワラとハタケと一緒に同じクラスの人の試合で一番早い女子のバスケの試合を応援に行った。
相手は1年生で背の高い人もあまりいないし、試合を見てると中学の時バスケをやっていた感じの人もいなさそうなので(要するにたいしてうまい人がいないので)楽々勝利していた。
次に男子のバレーの試合の応援に行った。この試合も相手は1年生で、相手の選手が全員アンダーハンドサーブだったため、レシーブで受けるのが楽だったので次のトスにつなげやすくスパイクでガンガン点を取った。それだけでなく、1年生はまだなのだろうけど、授業でオーバーハンドサーブの練習をさせられていた俺たちのクラスの男子は、サーブだけでもガンガン点を取って行き、楽々勝利していた。
バレーの試合が終わるとカジワラたちの卓球の試合の時間が近かったので、カジワラたちの試合が行われる体育館に向かった。カジワラとハタケは球技大会が始まる前にはやる気が出ないといっていたが、試合が行われる体育館に着くと緊張しているようだった。
「う~緊張する~。」
「あれ?やる気が出ないとか言ってたのにカジワラ緊張するのか?」
「そりゃ緊張するよ!1年生相手とはいえ、うちのクラス1回戦勝ってるとこが多いから、1回戦で負けたらクラスのみんなに合わす顔がないよ!」
「それじゃあ絶対に負けられないな!頑張れよ!」
「うん!せめて1ゲームくらいは取れるように頑張るよ!」
カジワラもやる気を出して試合に臨んでいった。卓球の試合は3ゲームマッチで11点制のゲームを2ゲーム先に取った方の勝ちだ。カジワラとハタケはダブルスの試合に出場した。
相手の選手は3年生とはいえ、パッと見た感じはおとなしそうな人たちだったので、カジワラたちと同じく消極的な理由で卓球を選んだのかもしれない!それならカジワラたちにも勝機はあるぞ!と考えたが、見た目で卓球の強さが分かるほど俺、卓球に精通してなかったな。もしかしたら中学の時に卓球部だったかもしれないよな。とも思った。えーい!前者であってくれ!と俺は祈り始めた。
「おい!試合始まるぞ!」
キョウヘイにそう言われて、俺は閉じていた目を開けてカジワラたちの試合を応援し始めた。カジワラたちの応援をし始めてすぐにとんでもないことに気が付いた。
この試合、とんでもなく泥臭い試合になりそうだな。
俺だけでなくキョウヘイやこの試合を見ている人たち全員がそう思っただろう。なぜならまずどちらもサーブが入らなかった。そしてサーブが運良く入ってもレシーブがうまく行かず返球できなかった。そのためほとんどラリーをすることなく、試合が進んでいった。そして1ゲーム目、カジワラとハタケが9点、相手の3年生が9点の同点になった時に俺とキョウヘイのバスケの試合が始まりそうになったので、後ろ髪を引かれながら(試合は全然面白くなかったが、カジワラたちの試合だったので結果だけは知りたかったため)その場を後にした。
バスケの試合が行われる体育館に向かいながら、キョウヘイが、「なあ、カジワラとハタケ勝つと思うか?」と聞いてきた。俺は願いを込めながら、「勝てるんじゃないかな?相手の人たちも全然上手くないし。ていうか勝ってほしい!」と答えた。
「そうだな。信じることが大事だよな。」
キョウヘイは俺の返答に納得したのか2度頷いた。何とか試合5分前に着いたが、俺たちのクラスも相手のクラスもすでにコート上にいた。俺とキョウヘイが急いでビブスを着ようとしたら1枚しかなかった。
一瞬、何故だろう?と思ったが、理由はすぐに分かった。俺たちのクラスはバスケを選んだ人が6人いるので、1人は補欠になる。先に来ていた八木たち4人がビブスを着てしまっているので残りは1枚しかないという訳だ。俺が、どうしよう?と迷っていると、キョウヘイが「セイ!早くビブス着てコートに行けよ!」と言ってきた。
それでも俺が「いいのかよ?キョウヘイ?」と踏ん切りをつけられずにいると、「カジワラにカッコいい所見せるんだろ!試合に出なかったらそれもできないぞ!俺はアシストできないけど頑張れよ!」と鼓舞してくれた。
そうだよ!カジワラにいい所見せるために今まで頑張って来たんだ!この試合でもしうちのクラスが負けてしまったら、もうカジワラにカッコいい所を見せるチャンスは巡ってこないかもしれない!
「分かった!ありがとう!キョウヘイ!」
そう言ってビブスを着て俺はコートの中に入って行った。試合開始時間前には来ていたので、審判の先生は何も言わなかった。
「それではこれより2回戦2-3対3-6の試合を始めます。」
「よろしくお願いしまーす!」
いよいよ始まるのか。相手は3年なのか。勝てるかな?いやいや、気持ちで負けちゃダメだ!勝つ勝つ勝つ勝つ勝―つ!よし!やるぞ!
俺は両ほほを両手で叩いて気合を入れた。そして八木が飛ぶジャンプボールの行方を見つめていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる