40 / 60
第40話
しおりを挟む
「セイ!早く早く!こっちこっち!」
ナツキに急かされながらイルカショーが行われる会場に着いた。まだイルカショーまで30分近くあるのに、もうすでに席に座って待っている人たちがいた。
「やっぱり!もういい席は確保されちゃってるね。でも、まだ前の席で空いているところがあるから、そこに座ろ!」
ナツキが最前列の席に行こうと階段を降りようとしたので、俺は、もう言うしかない!と覚悟を決めて、「ナツキ!前の席に座るのはやめとかない?ほら、後ろの席の方が全体を見ることができるしさ。」と本当の理由は言えなかったが前の席に座るのはやめようと伝えた。
「え?前の席の方が迫力があってきっと楽しいよ!水しぶきも飛んでくるしねっ!だから前の席に座ろっ!」
ダメだ、こいつ。ナツキの奴、水しぶきが飛んでくることは理解しているのに肝心なことが頭から抜けてる。もう言うしかないのか?えーい!ナツキが恥ずかしい思いをしないためだ!覚悟を決めろ!
「水しぶきが飛んでくるから良くないんだよ。ほら、服が濡れるじゃん?」
「今日こんな暑いんだから、服なんてすぐに乾くよ!あれ?セイって、イルカの飛ばしてきた水は嫌だとか思う潔癖症だったっけ?」
「そうじゃない!あーもう、何で分かんないかな。濡れたら服が透けるだろ!って言いたいんだよ!」
今日は暑くなると天気予報で言ってたので、俺もナツキも薄着だった。こんな状態で服が濡れたらどうなるか、やっとナツキも理解したらしく、「そっか。そうだよね。服が透けたらまずいよね。それじゃあ、最後列の席に座ろうか?」と提案してきた。
俺はナツキの提案を受け入れて(ほぼ俺が提案したも同然だったが)最後列の空いてる席に座った。
イルカショーが始まるまでの20分ほどの時間はナツキとさっきまで見ていた展示物の話をして待った。時間が経つにつれて会場の席は人で埋まっていった。
イルカショーが始まると会場は大盛り上がりだった。
イルカがトレーナーさんの指示通りに泳いだりジャンプしたりするたびに歓声が沸き起こった。予想した通り前の席に座っている人たちにはイルカがジャンプした時の水しぶきが飛んでいた。それを見たナツキが、「座らなくて良かったぁ。」とボソッと口に出していたので、俺は、「ごめんな。俺が合羽を用意しておけばよかったんだけど。」と俺の不手際を謝罪した。
するとナツキは、「ううん。大丈夫だよ。後ろの席も全体が見渡せて楽しいよ。」と俺の不手際を責めなかったので、いくらか救われた気持ちになった。イルカだけでなくアシカのショーもあったりして20分ほどでショーは終わった。ショーが終わるともう12時近くだったので、俺は、「そろそろお昼だし、フードコートに行こうか?」と提案した。
しかしナツキは、「ううん。大丈夫だよ。」と提案を拒んだ。
「え?何で?お腹すいてない?」と俺が聞き返すと、「実は……その……お昼作って来たんだよね。」とナツキは顔を少し赤くしながらバッグからお弁当箱を取り出した。
彼女がお弁当を作ってきてくれる。なんてデートっぽいんだろう。と俺は少し感動していた。ちなみに感動が少しだったのは、お弁当を作って来たのがナツキだったからだ。カジワラが作ってきてくれたらすごく感動していたと思う。もちろん、そんな失礼なことは口に出したりせずに、「え?作ってきてくれたのか?ありがとう。」とお礼の言葉を言った。
「上手くできたかどうか分からないけど……。」と言いながらお弁当箱を開き始めた。お弁当の中身はサンドイッチと唐揚げと卵焼きとウインナーとフルーツといった感じだった。
見た目は全然悪くないので、「美味しそうだなぁ。いただきまーす!」と見た目の感想を述べてからサンドイッチを手に取り食べ始めた。ナツキは俺の味の感想をじっと待っているようだった。一口食べると、一般的なレタスとハムを挟んだハムサンドと言った感じだった。飛び切り美味しいという訳ではなかったが、全然まずくもなかったので、「うん。美味しい美味しい!」と感想を言うと、ナツキはホッとした様子だった。
「それじゃあ、私も。いただきます。」と言ってナツキも食べ始めた。
2人用にしては量が多いかな?と思ったが、ナツキも俺と同じくらい食べたので意外と食べきることができた。でもお腹いっぱいでしばらくは動きたくないなぁと思っていると、またイルカショーが始まる時間になったので、それをボーっと2人で眺めていた。
2回目のイルカショーを見終わると、まだ見てない展示物を見に行った。アザラシやペンギンなどの展示物を見てナツキは喜んでいた。俺もただ泳いでいるだけの魚を見るよりは楽しかった。午後2時半にはすべての展示物を見終えたので、このあとどうするかナツキに尋ねると、もう一度大きな水槽を見たいといったので、最初の方に見た大きな水槽を見に行った。
「いくら魚が動いてるからって同じの見て楽しいか?」
俺は正直に疑問に思ったことをナツキに尋ねた。するとナツキは水槽を眺めながら、「こういうのはね、誰と見るかも大事なんだよ。」と答えた。
誰と見るかが大事か。ナツキは俺と見てるから楽しいのか?形だけの彼氏と見て楽しいのかな?そういえば、形だけの彼氏に何で弁当なんて作ってきてくれたんだろう?うーん?これは深く考えない方がいいやつだな。
俺は結論を出すのをやめて、ナツキが水槽を満足するまで眺めるのを待った。午後3時くらいになるとナツキも満足したらしく俺たちは水族館を出た。そしてバスに乗って駅まで戻り、歩いて家まで帰ってきた。
「今日は楽しかったよ。付き合ってくれてありがとう。」
「私も楽しかったよ。それじゃ、また明日ね。」
「ああ、また明日な。」
2人同時にそれぞれの家の玄関のドアを開けて家の中に入って行った。
この日は家に帰ると母さんにナツキとのデートはどうだったかと質問攻めにあった。
母さんの質問攻めから逃れるため、俺は晩ご飯を食べ終えるとすぐに風呂に入って、さっさと自分の部屋に行った。部屋に入るとすぐに机に向かいノートを広げた。この日のナツキとのデートでカジワラとのデートに参考にできそうなことや改善すべきことをノートに書き始めた。
駅に9時に着いたのは良かったな。水族館に向かうバスにすんなりと乗ることができたから。カジワラとは9時に駅に待ち合わせすればいいかな?あと、カジワラにも学生証を持ってきてもらわないと。イルカショーを見る時、カジワラも前の席に座りたがるかもしれないから合羽を2つ用意しておかないと。
ナツキとは午後3時まで水族館にいたけど、カジワラとは午後3時まで水族館にいるかわからないよな。もっと長く滞在するのは一向に構わないんだけど、ナツキよりも早く切り上げられたらどうしよう?あー何で俺は水族館のあとにナツキとどこかの店に入ってお茶をしなかったんだ?そうしとけばカジワラと過ごせる時間を長くすることができたのに!これは今後気を付けなきゃいけないな!
フー。まあこんなところかな。俺はノートを閉じてスマホを手にした。カジワラにデートの約束を取り付けるためだ。
まだ午後8時前だし起きてるよな。
俺は、「今日ナツキとデートしたから、カジワラも都合がいい日にデートしてくれるか?」とメッセージを送った。
ずっとスマホの画面を見ていると、数分後に既読になり、さらに数分後にカジワラから返信が来た。
「へー。ヒナタさんとデートしたんだ?」
「それなら私もデートしてあげるよ。」
立て続けに2件のメッセージが送られて来た。
俺が2件目の「デートしてあげる。」というメッセージで喜んでいたら、「どこに行ったの?」と次のメッセージが送られて来た。
「水族館だけど。」と答えると、「へー。悪くないね。」「次の日曜日は予定ないから、その日でいい?」とまた2件メッセージが送られて来た。
ハタケに相談しといてよかったぁ。ハタケありがとう!と俺はハタケに心の中で感謝しながら、「俺も予定ないから、次の日曜日で全然構わないよ。」と返信した。
「了解。それじゃあ、次の日曜日ね。」
「うん。次の日曜日な。それじゃあ、おやすみ。」
「おやすみ~。」
カジワラとのラインでのやり取りを終えると、俺は小躍りするほど喜んだ。(実際に少し小躍りしていた)
よーし!これでやっとカジワラとデートができる!それもこれも俺の形だけの彼女になってくれて、デートまでしてくれたナツキのおかげだ!ナツキには感謝しないとな!
まだ午後8時半を少し過ぎたくらいだったので、俺はナツキに「まだ起きてるか?起きてるなら通話してもいいか?」とメッセージを送った。
数十秒後に「OK」という意味のスタンプが送られてきたので、通話をかけた。
「セイ、どうしたの?こんな時間に?」
「ごめんごめん!ナツキにお礼が言いたいから通話をかけたんだ。」
「お礼?何の?」
「今日俺とデートしてくれたことだよ。そのおかげでカジワラが俺とデートしてもいいって言ってくれたんだ。いや~、これもナツキのおかげだよ!ありがとう!」
「へー。そうなんだ?良かったじゃん。」
「ああ、ホント良かったよ!あ!でも、今後もカジワラとデートする前にはナツキとデートしなくちゃいけないから、部活が休みの日とかあったら教えてくれよな。」
「……うん。了解。話はそれで終わり?それじゃあ、私そろそろ寝るから通話切るね。おやすみ。」
「ああ、おやすみ~。」
ナツキとの通話が終わったあと、何だかナツキの元気がなかったことが気になった。
まあ、そろそろ寝るって言ってたし、眠かったのかもしれないな。と深く考えずに結論を出してしまったが、もう少し深く考えておけばよかった。と後々俺は後悔した。
ナツキに急かされながらイルカショーが行われる会場に着いた。まだイルカショーまで30分近くあるのに、もうすでに席に座って待っている人たちがいた。
「やっぱり!もういい席は確保されちゃってるね。でも、まだ前の席で空いているところがあるから、そこに座ろ!」
ナツキが最前列の席に行こうと階段を降りようとしたので、俺は、もう言うしかない!と覚悟を決めて、「ナツキ!前の席に座るのはやめとかない?ほら、後ろの席の方が全体を見ることができるしさ。」と本当の理由は言えなかったが前の席に座るのはやめようと伝えた。
「え?前の席の方が迫力があってきっと楽しいよ!水しぶきも飛んでくるしねっ!だから前の席に座ろっ!」
ダメだ、こいつ。ナツキの奴、水しぶきが飛んでくることは理解しているのに肝心なことが頭から抜けてる。もう言うしかないのか?えーい!ナツキが恥ずかしい思いをしないためだ!覚悟を決めろ!
「水しぶきが飛んでくるから良くないんだよ。ほら、服が濡れるじゃん?」
「今日こんな暑いんだから、服なんてすぐに乾くよ!あれ?セイって、イルカの飛ばしてきた水は嫌だとか思う潔癖症だったっけ?」
「そうじゃない!あーもう、何で分かんないかな。濡れたら服が透けるだろ!って言いたいんだよ!」
今日は暑くなると天気予報で言ってたので、俺もナツキも薄着だった。こんな状態で服が濡れたらどうなるか、やっとナツキも理解したらしく、「そっか。そうだよね。服が透けたらまずいよね。それじゃあ、最後列の席に座ろうか?」と提案してきた。
俺はナツキの提案を受け入れて(ほぼ俺が提案したも同然だったが)最後列の空いてる席に座った。
イルカショーが始まるまでの20分ほどの時間はナツキとさっきまで見ていた展示物の話をして待った。時間が経つにつれて会場の席は人で埋まっていった。
イルカショーが始まると会場は大盛り上がりだった。
イルカがトレーナーさんの指示通りに泳いだりジャンプしたりするたびに歓声が沸き起こった。予想した通り前の席に座っている人たちにはイルカがジャンプした時の水しぶきが飛んでいた。それを見たナツキが、「座らなくて良かったぁ。」とボソッと口に出していたので、俺は、「ごめんな。俺が合羽を用意しておけばよかったんだけど。」と俺の不手際を謝罪した。
するとナツキは、「ううん。大丈夫だよ。後ろの席も全体が見渡せて楽しいよ。」と俺の不手際を責めなかったので、いくらか救われた気持ちになった。イルカだけでなくアシカのショーもあったりして20分ほどでショーは終わった。ショーが終わるともう12時近くだったので、俺は、「そろそろお昼だし、フードコートに行こうか?」と提案した。
しかしナツキは、「ううん。大丈夫だよ。」と提案を拒んだ。
「え?何で?お腹すいてない?」と俺が聞き返すと、「実は……その……お昼作って来たんだよね。」とナツキは顔を少し赤くしながらバッグからお弁当箱を取り出した。
彼女がお弁当を作ってきてくれる。なんてデートっぽいんだろう。と俺は少し感動していた。ちなみに感動が少しだったのは、お弁当を作って来たのがナツキだったからだ。カジワラが作ってきてくれたらすごく感動していたと思う。もちろん、そんな失礼なことは口に出したりせずに、「え?作ってきてくれたのか?ありがとう。」とお礼の言葉を言った。
「上手くできたかどうか分からないけど……。」と言いながらお弁当箱を開き始めた。お弁当の中身はサンドイッチと唐揚げと卵焼きとウインナーとフルーツといった感じだった。
見た目は全然悪くないので、「美味しそうだなぁ。いただきまーす!」と見た目の感想を述べてからサンドイッチを手に取り食べ始めた。ナツキは俺の味の感想をじっと待っているようだった。一口食べると、一般的なレタスとハムを挟んだハムサンドと言った感じだった。飛び切り美味しいという訳ではなかったが、全然まずくもなかったので、「うん。美味しい美味しい!」と感想を言うと、ナツキはホッとした様子だった。
「それじゃあ、私も。いただきます。」と言ってナツキも食べ始めた。
2人用にしては量が多いかな?と思ったが、ナツキも俺と同じくらい食べたので意外と食べきることができた。でもお腹いっぱいでしばらくは動きたくないなぁと思っていると、またイルカショーが始まる時間になったので、それをボーっと2人で眺めていた。
2回目のイルカショーを見終わると、まだ見てない展示物を見に行った。アザラシやペンギンなどの展示物を見てナツキは喜んでいた。俺もただ泳いでいるだけの魚を見るよりは楽しかった。午後2時半にはすべての展示物を見終えたので、このあとどうするかナツキに尋ねると、もう一度大きな水槽を見たいといったので、最初の方に見た大きな水槽を見に行った。
「いくら魚が動いてるからって同じの見て楽しいか?」
俺は正直に疑問に思ったことをナツキに尋ねた。するとナツキは水槽を眺めながら、「こういうのはね、誰と見るかも大事なんだよ。」と答えた。
誰と見るかが大事か。ナツキは俺と見てるから楽しいのか?形だけの彼氏と見て楽しいのかな?そういえば、形だけの彼氏に何で弁当なんて作ってきてくれたんだろう?うーん?これは深く考えない方がいいやつだな。
俺は結論を出すのをやめて、ナツキが水槽を満足するまで眺めるのを待った。午後3時くらいになるとナツキも満足したらしく俺たちは水族館を出た。そしてバスに乗って駅まで戻り、歩いて家まで帰ってきた。
「今日は楽しかったよ。付き合ってくれてありがとう。」
「私も楽しかったよ。それじゃ、また明日ね。」
「ああ、また明日な。」
2人同時にそれぞれの家の玄関のドアを開けて家の中に入って行った。
この日は家に帰ると母さんにナツキとのデートはどうだったかと質問攻めにあった。
母さんの質問攻めから逃れるため、俺は晩ご飯を食べ終えるとすぐに風呂に入って、さっさと自分の部屋に行った。部屋に入るとすぐに机に向かいノートを広げた。この日のナツキとのデートでカジワラとのデートに参考にできそうなことや改善すべきことをノートに書き始めた。
駅に9時に着いたのは良かったな。水族館に向かうバスにすんなりと乗ることができたから。カジワラとは9時に駅に待ち合わせすればいいかな?あと、カジワラにも学生証を持ってきてもらわないと。イルカショーを見る時、カジワラも前の席に座りたがるかもしれないから合羽を2つ用意しておかないと。
ナツキとは午後3時まで水族館にいたけど、カジワラとは午後3時まで水族館にいるかわからないよな。もっと長く滞在するのは一向に構わないんだけど、ナツキよりも早く切り上げられたらどうしよう?あー何で俺は水族館のあとにナツキとどこかの店に入ってお茶をしなかったんだ?そうしとけばカジワラと過ごせる時間を長くすることができたのに!これは今後気を付けなきゃいけないな!
フー。まあこんなところかな。俺はノートを閉じてスマホを手にした。カジワラにデートの約束を取り付けるためだ。
まだ午後8時前だし起きてるよな。
俺は、「今日ナツキとデートしたから、カジワラも都合がいい日にデートしてくれるか?」とメッセージを送った。
ずっとスマホの画面を見ていると、数分後に既読になり、さらに数分後にカジワラから返信が来た。
「へー。ヒナタさんとデートしたんだ?」
「それなら私もデートしてあげるよ。」
立て続けに2件のメッセージが送られて来た。
俺が2件目の「デートしてあげる。」というメッセージで喜んでいたら、「どこに行ったの?」と次のメッセージが送られて来た。
「水族館だけど。」と答えると、「へー。悪くないね。」「次の日曜日は予定ないから、その日でいい?」とまた2件メッセージが送られて来た。
ハタケに相談しといてよかったぁ。ハタケありがとう!と俺はハタケに心の中で感謝しながら、「俺も予定ないから、次の日曜日で全然構わないよ。」と返信した。
「了解。それじゃあ、次の日曜日ね。」
「うん。次の日曜日な。それじゃあ、おやすみ。」
「おやすみ~。」
カジワラとのラインでのやり取りを終えると、俺は小躍りするほど喜んだ。(実際に少し小躍りしていた)
よーし!これでやっとカジワラとデートができる!それもこれも俺の形だけの彼女になってくれて、デートまでしてくれたナツキのおかげだ!ナツキには感謝しないとな!
まだ午後8時半を少し過ぎたくらいだったので、俺はナツキに「まだ起きてるか?起きてるなら通話してもいいか?」とメッセージを送った。
数十秒後に「OK」という意味のスタンプが送られてきたので、通話をかけた。
「セイ、どうしたの?こんな時間に?」
「ごめんごめん!ナツキにお礼が言いたいから通話をかけたんだ。」
「お礼?何の?」
「今日俺とデートしてくれたことだよ。そのおかげでカジワラが俺とデートしてもいいって言ってくれたんだ。いや~、これもナツキのおかげだよ!ありがとう!」
「へー。そうなんだ?良かったじゃん。」
「ああ、ホント良かったよ!あ!でも、今後もカジワラとデートする前にはナツキとデートしなくちゃいけないから、部活が休みの日とかあったら教えてくれよな。」
「……うん。了解。話はそれで終わり?それじゃあ、私そろそろ寝るから通話切るね。おやすみ。」
「ああ、おやすみ~。」
ナツキとの通話が終わったあと、何だかナツキの元気がなかったことが気になった。
まあ、そろそろ寝るって言ってたし、眠かったのかもしれないな。と深く考えずに結論を出してしまったが、もう少し深く考えておけばよかった。と後々俺は後悔した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~
浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。
本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。
※2024.8.5 番外編を2話追加しました!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる