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第56話
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ナツキとデートをした日の次の日、俺は先週と変わらず学校で夏期講習を受けていた。
ナツキから俺を好きになった理由を聞くことはできたが、それを聞いて俺がカジワラを好きになった理由を思い出すきっかけにならなかったことに俺は少し焦りを感じていた。あと3週間後にはナツキとハナザワさんをフラなくてはいけないのに、俺がカジワラを好きになった理由も答えられないようじゃ、ナツキとハナザワさんに申し訳なく感じるからだ。
こうなったら、一縷の望みに賭けてハナザワさんにも俺を好きになった理由を聞くしかないな。よし!今日会う時に聞いてみるか!
そんなことを考えてるうちにこの日の授業は終わった。
なんかカジワラに告白してからいろいろなことがあって、勉強に身が入ってる時と身が入ってないときの落差がすごいなと自分のことながら少し呆れて苦笑してしまった。
そんな俺の心の内を知ってか知らずか、この日の最後の授業をした英語担当の藤井が授業が終わった後、「いいか。受験は高校3年から始まるわけじゃないんだからな。今努力した奴が再来年の春に笑ってるんだからな。」とクラスの全員に活を入れた。
そんなことは分かってるんだよ!でもどうしようもないんだよ!俺がまいた種とはいえ、今俺が置かれてる状況を何とかしてくれるなら、たいして親しいわけではないが、藤井に相談しに行ってもいいくらいだぞ!
俺は心の中でやり場のない怒りを藤井にぶつけていた。
授業が終わった後、文化祭の出し物についての話し合いが始まった。議題は先週伊東が伝えてあった通り、何の展示をやるかだ。先週アイデアを考えてくるように伊東が言ってあったのにもかかわらず、誰もアイデアを提案しなかった。20分ほど伊東がアイデアを出してくれるようにクラスメート全員に頼んでいたが、結局なにもアイデアは出なかった。
これだと先週と同じく時間の無駄だと考えたのか、伊東は話し合いの最後に、「明日、バルーンアート以外のアイデアが出なかったら、うちのクラスの出し物はバルーンアートの展示に決めるから。」と宣言した。
その方がいいと俺は感じていた。決して俺のアイデアに決まってほしいという感情からではなく、これ以上時間を無駄にしたくないという感情から、そう感じていた。
文化祭の出し物についての話し合いが終わった後、いつもの4人で漫画の話をした。ハタケだけでなくカジワラも俺の最近の様子がおかしいと思っていることを先週の土曜日に知ったので、できるだけ一ヶ月ぐらい前の俺を再現できるように努めたが、自分らしくあるようにしようと思うと余計に自分らしくないようになっているように感じた。
しかし、ハタケもカジワラも事情を知っているキョウヘイですら、俺に何も聞いて来なかったので、もしかしたらうまく行ったのかもと思った。結局その日は何も言われずに4人での話は終わった。
その後、俺は急いで第3特別教室に向かった。俺が第3特別教室に着くともうすでにハナザワさんが教室の中で待っていた。俺は事前にハナザワさんに今日は図書室ではなく第3特別教室に来てほしいとメッセージを送っておいたのだった。
「お待たせ。」
「トツカ先輩、何か重大な話でもあるんですか?」
ハナザワさんがそう尋ねてきた時の声色が少し悲しみを帯びていたので、俺はすぐに、「あ!まだナツキとハナザワさんのどちらを彼女にするかを決めたわけではないよ!」とハナザワさんが心配してそうなことを否定しておいた。
すると、ハナザワさんの表情が少し明るくなったような気がした。
「それじゃあ、どんな話があるんですか?」
「うん。実は……ハナザワさんが俺を好きになった理由を聞きたいんだけどダメかな?」
「私がトツカ先輩を好きになった理由ですか……?」
「そうなんだ。この質問はハナザワさんだけでなくナツキにも聞いてるんだけど、ナツキは答えてくれたんだけど……ダメかな?」
俺は自分でもズルいと思ったがナツキに同じ質問をして、ナツキが答えてくれたことをハナザワさんに伝えた。そう伝えれば、ナツキへの対抗心からハナザワさんが答えてくれそうな気がしたからだ。
「……ちょっと考えさせてください。」
「もちろんいいよ!」
そう答えたが、俺を好きになった理由は考えなきゃ答えられないのかぁ。と少し残念に感じていると、
「あ!考えるのは好きになった理由ではないですからね!」
とハナザワさんが付け足してくれたので俺は少しホッとしていた。
「……それは今度デートするときに答えるのでもいいですか?」
「もちろんいいよ!」
「やった!それじゃあ、今度の日曜日にまた一緒に県立図書館に行ってくれませんか?」
「大丈夫だよ。」
「ありがとうございます!楽しみにしてます!」
ちょっと考えるというのは、好きになった理由を答える見返りを考えていたのかな?どちらにせよ、今度の日曜日はハナザワさんと一緒に県立図書館に借りた本を返しに行こうと思っていたのでちょうど良かった。
もともと考えていたことなのに、ハナザワさんがすごく喜んでいたので、俺はとても申し訳ない気持ちになった。
次の日の火曜日、夏期講習が終わった後の文化祭の出し物についての話し合いで、伊東がクラスの奴らに意見を求めたところ、
「もう、バルーンアートでいいんじゃね。」
「そうだよな。これ以上無駄な時間過ごしたくないしな。」
「バルーンアート!バルーンアートで決定!」
と一部のクラスメートが騒ぎ始めた。
それに対して伊藤は、「そうだな。もうこれ以上待ってもアイデアは出そうにないし、バルーンアートに決めようと思います!反対の人がいたら手を挙げてくれ!」と決を採り始めた。手を挙げる人はいなかったので、そのままうちのクラスの出し物はバルーンアートの展示に決まった。
これは伊東はうまい手を使ったな。と思った。こういう消極的な奴らが多い場面では賛成の人より反対の人に手を挙げさせれば、手を挙げてまで反対しようと思う奴がいなくて、すんなり決定することができるんだよな。
俺が伊東のことを少し感心していると最後に伊東が、「あ!あと文化祭で個人やグループで何か出し物をしようと思っている人は出し物や借りたい場所を明記して再来週までに文化祭実行委員会に提出してくれ。」と付け足して、長かった文化祭の出し物についての話し合いが終わった。
出し物についての話し合いが終わった後、いつもの4人で漫画の話をした。俺は昨日と同じく何事もなかったかのように振る舞った。キョウヘイとカジワラの俺への接し方は変わらないように感じたが、ハタケの俺を見る目が何かを疑うように鋭い目をしているように感じられて、少し恐怖を感じた。
ヤバい!どこか不自然だったかな?でも、普段の俺ってこんな感じじゃなかったっけか?とりあえずもう少し抑え気味にしてみるか?
俺は試行錯誤しながら「普段通り」の自分を演じた。
4人での漫画の話を終えた後もハタケに何かを指摘されるんじゃないかとびくびくしていたが、ハタケは何も言わずにカジワラと一緒に下校していった。
なんだ。俺の勘違いだったのかな?と思わなくもなかったが、ハタケは結構鋭いので今後も気を付けようと肝に銘じた。
その後は図書室に行って図書室が閉まるまでハナザワさんと一緒に本を読んだ。図書室が閉まった後は昇降口でナツキの部活が終わるまで待って、ナツキと一緒に帰宅した。
そこまでは特に変わったことがなかったのだが、何かが起こったのは帰宅してからだった。
俺が自室で県立図書館から借りた本を読んでいた時、スマホからメッセージの着信音が鳴ったので、スマホの画面を見てみるとキョウヘイから、「セイ、お前ギター弾けるか?」というメッセージが来ていた。
ギター?何でギターの話なんかしてくるんだ?
俺はキョウヘイの話の意図が理解できなかったが、とりあえず、「いや、弾けないけど。それがどうかしたか?」と返信を送った。
するとすぐにキョウヘイから返信が来て、「そうか。それなら俺が教えるからギターを弾く練習をしよう!」とあった。
「何で俺がギターを弾く練習をしなきゃいけないんだよ!」と返信すると、今度はメッセージではなく、音声通話の着信が鳴り始めた。
「もしもし。」と音声通話に出ると、「文化祭で演奏するためだよ!」とキョウヘイの大きな声が聞こえてきた。
「何で俺がギターの演奏なんかしなきゃいけないんだよ!」
「文化祭でカッコよくギターを演奏して、その後カジワラに告白するんだよ!」
「え?告白?」
「そうだよ!ギターを弾くという普段見せない姿を見せることと文化祭という特別な空気が合わされば、きっとうまく行くと思うんだよな!」
「でも、あと2ヵ月ぐらいで弾けるようになるものなのか?」
「それはセイの努力次第だろ!」
「……うーん。ちょっと考えさせてくれないか?」
「まあいいよ。でも、再来週までには決めろよ!場所を借りる申請をしなきゃいけないんだからな!」
「分かってるよ。それじゃあな。」
キョウヘイとの通話が終わった後、俺は、「ギターかぁ。」と独り言をつぶやいた。
確かに文化祭の後なんかはカップルになる奴らが増えるとは聞いたことがある。文化祭には特別な空気が実際あるんだろう。ただカジワラにそれが効くのかなぁ?と疑問に思ってしまう。ただ夏休みが終わったら、ナツキとの形ばかりの彼氏彼女の関係を終えて、カジワラには愛人としてではなく彼女として付き合ってもらおうと考えているため、何かしら作戦を考えなきゃいけないと思っていたから、渡りに船と言えば渡りに船なのだが、望み薄に感じてしまう。まあ、まだ時間はあるし少し考えてみるか。
と、そこで今は考えるのをやめて本を読み始めた。
ナツキから俺を好きになった理由を聞くことはできたが、それを聞いて俺がカジワラを好きになった理由を思い出すきっかけにならなかったことに俺は少し焦りを感じていた。あと3週間後にはナツキとハナザワさんをフラなくてはいけないのに、俺がカジワラを好きになった理由も答えられないようじゃ、ナツキとハナザワさんに申し訳なく感じるからだ。
こうなったら、一縷の望みに賭けてハナザワさんにも俺を好きになった理由を聞くしかないな。よし!今日会う時に聞いてみるか!
そんなことを考えてるうちにこの日の授業は終わった。
なんかカジワラに告白してからいろいろなことがあって、勉強に身が入ってる時と身が入ってないときの落差がすごいなと自分のことながら少し呆れて苦笑してしまった。
そんな俺の心の内を知ってか知らずか、この日の最後の授業をした英語担当の藤井が授業が終わった後、「いいか。受験は高校3年から始まるわけじゃないんだからな。今努力した奴が再来年の春に笑ってるんだからな。」とクラスの全員に活を入れた。
そんなことは分かってるんだよ!でもどうしようもないんだよ!俺がまいた種とはいえ、今俺が置かれてる状況を何とかしてくれるなら、たいして親しいわけではないが、藤井に相談しに行ってもいいくらいだぞ!
俺は心の中でやり場のない怒りを藤井にぶつけていた。
授業が終わった後、文化祭の出し物についての話し合いが始まった。議題は先週伊東が伝えてあった通り、何の展示をやるかだ。先週アイデアを考えてくるように伊東が言ってあったのにもかかわらず、誰もアイデアを提案しなかった。20分ほど伊東がアイデアを出してくれるようにクラスメート全員に頼んでいたが、結局なにもアイデアは出なかった。
これだと先週と同じく時間の無駄だと考えたのか、伊東は話し合いの最後に、「明日、バルーンアート以外のアイデアが出なかったら、うちのクラスの出し物はバルーンアートの展示に決めるから。」と宣言した。
その方がいいと俺は感じていた。決して俺のアイデアに決まってほしいという感情からではなく、これ以上時間を無駄にしたくないという感情から、そう感じていた。
文化祭の出し物についての話し合いが終わった後、いつもの4人で漫画の話をした。ハタケだけでなくカジワラも俺の最近の様子がおかしいと思っていることを先週の土曜日に知ったので、できるだけ一ヶ月ぐらい前の俺を再現できるように努めたが、自分らしくあるようにしようと思うと余計に自分らしくないようになっているように感じた。
しかし、ハタケもカジワラも事情を知っているキョウヘイですら、俺に何も聞いて来なかったので、もしかしたらうまく行ったのかもと思った。結局その日は何も言われずに4人での話は終わった。
その後、俺は急いで第3特別教室に向かった。俺が第3特別教室に着くともうすでにハナザワさんが教室の中で待っていた。俺は事前にハナザワさんに今日は図書室ではなく第3特別教室に来てほしいとメッセージを送っておいたのだった。
「お待たせ。」
「トツカ先輩、何か重大な話でもあるんですか?」
ハナザワさんがそう尋ねてきた時の声色が少し悲しみを帯びていたので、俺はすぐに、「あ!まだナツキとハナザワさんのどちらを彼女にするかを決めたわけではないよ!」とハナザワさんが心配してそうなことを否定しておいた。
すると、ハナザワさんの表情が少し明るくなったような気がした。
「それじゃあ、どんな話があるんですか?」
「うん。実は……ハナザワさんが俺を好きになった理由を聞きたいんだけどダメかな?」
「私がトツカ先輩を好きになった理由ですか……?」
「そうなんだ。この質問はハナザワさんだけでなくナツキにも聞いてるんだけど、ナツキは答えてくれたんだけど……ダメかな?」
俺は自分でもズルいと思ったがナツキに同じ質問をして、ナツキが答えてくれたことをハナザワさんに伝えた。そう伝えれば、ナツキへの対抗心からハナザワさんが答えてくれそうな気がしたからだ。
「……ちょっと考えさせてください。」
「もちろんいいよ!」
そう答えたが、俺を好きになった理由は考えなきゃ答えられないのかぁ。と少し残念に感じていると、
「あ!考えるのは好きになった理由ではないですからね!」
とハナザワさんが付け足してくれたので俺は少しホッとしていた。
「……それは今度デートするときに答えるのでもいいですか?」
「もちろんいいよ!」
「やった!それじゃあ、今度の日曜日にまた一緒に県立図書館に行ってくれませんか?」
「大丈夫だよ。」
「ありがとうございます!楽しみにしてます!」
ちょっと考えるというのは、好きになった理由を答える見返りを考えていたのかな?どちらにせよ、今度の日曜日はハナザワさんと一緒に県立図書館に借りた本を返しに行こうと思っていたのでちょうど良かった。
もともと考えていたことなのに、ハナザワさんがすごく喜んでいたので、俺はとても申し訳ない気持ちになった。
次の日の火曜日、夏期講習が終わった後の文化祭の出し物についての話し合いで、伊東がクラスの奴らに意見を求めたところ、
「もう、バルーンアートでいいんじゃね。」
「そうだよな。これ以上無駄な時間過ごしたくないしな。」
「バルーンアート!バルーンアートで決定!」
と一部のクラスメートが騒ぎ始めた。
それに対して伊藤は、「そうだな。もうこれ以上待ってもアイデアは出そうにないし、バルーンアートに決めようと思います!反対の人がいたら手を挙げてくれ!」と決を採り始めた。手を挙げる人はいなかったので、そのままうちのクラスの出し物はバルーンアートの展示に決まった。
これは伊東はうまい手を使ったな。と思った。こういう消極的な奴らが多い場面では賛成の人より反対の人に手を挙げさせれば、手を挙げてまで反対しようと思う奴がいなくて、すんなり決定することができるんだよな。
俺が伊東のことを少し感心していると最後に伊東が、「あ!あと文化祭で個人やグループで何か出し物をしようと思っている人は出し物や借りたい場所を明記して再来週までに文化祭実行委員会に提出してくれ。」と付け足して、長かった文化祭の出し物についての話し合いが終わった。
出し物についての話し合いが終わった後、いつもの4人で漫画の話をした。俺は昨日と同じく何事もなかったかのように振る舞った。キョウヘイとカジワラの俺への接し方は変わらないように感じたが、ハタケの俺を見る目が何かを疑うように鋭い目をしているように感じられて、少し恐怖を感じた。
ヤバい!どこか不自然だったかな?でも、普段の俺ってこんな感じじゃなかったっけか?とりあえずもう少し抑え気味にしてみるか?
俺は試行錯誤しながら「普段通り」の自分を演じた。
4人での漫画の話を終えた後もハタケに何かを指摘されるんじゃないかとびくびくしていたが、ハタケは何も言わずにカジワラと一緒に下校していった。
なんだ。俺の勘違いだったのかな?と思わなくもなかったが、ハタケは結構鋭いので今後も気を付けようと肝に銘じた。
その後は図書室に行って図書室が閉まるまでハナザワさんと一緒に本を読んだ。図書室が閉まった後は昇降口でナツキの部活が終わるまで待って、ナツキと一緒に帰宅した。
そこまでは特に変わったことがなかったのだが、何かが起こったのは帰宅してからだった。
俺が自室で県立図書館から借りた本を読んでいた時、スマホからメッセージの着信音が鳴ったので、スマホの画面を見てみるとキョウヘイから、「セイ、お前ギター弾けるか?」というメッセージが来ていた。
ギター?何でギターの話なんかしてくるんだ?
俺はキョウヘイの話の意図が理解できなかったが、とりあえず、「いや、弾けないけど。それがどうかしたか?」と返信を送った。
するとすぐにキョウヘイから返信が来て、「そうか。それなら俺が教えるからギターを弾く練習をしよう!」とあった。
「何で俺がギターを弾く練習をしなきゃいけないんだよ!」と返信すると、今度はメッセージではなく、音声通話の着信が鳴り始めた。
「もしもし。」と音声通話に出ると、「文化祭で演奏するためだよ!」とキョウヘイの大きな声が聞こえてきた。
「何で俺がギターの演奏なんかしなきゃいけないんだよ!」
「文化祭でカッコよくギターを演奏して、その後カジワラに告白するんだよ!」
「え?告白?」
「そうだよ!ギターを弾くという普段見せない姿を見せることと文化祭という特別な空気が合わされば、きっとうまく行くと思うんだよな!」
「でも、あと2ヵ月ぐらいで弾けるようになるものなのか?」
「それはセイの努力次第だろ!」
「……うーん。ちょっと考えさせてくれないか?」
「まあいいよ。でも、再来週までには決めろよ!場所を借りる申請をしなきゃいけないんだからな!」
「分かってるよ。それじゃあな。」
キョウヘイとの通話が終わった後、俺は、「ギターかぁ。」と独り言をつぶやいた。
確かに文化祭の後なんかはカップルになる奴らが増えるとは聞いたことがある。文化祭には特別な空気が実際あるんだろう。ただカジワラにそれが効くのかなぁ?と疑問に思ってしまう。ただ夏休みが終わったら、ナツキとの形ばかりの彼氏彼女の関係を終えて、カジワラには愛人としてではなく彼女として付き合ってもらおうと考えているため、何かしら作戦を考えなきゃいけないと思っていたから、渡りに船と言えば渡りに船なのだが、望み薄に感じてしまう。まあ、まだ時間はあるし少し考えてみるか。
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