負け犬の俺達

鈴原紫優

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・ボッチから解放されよう

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負け犬から抜け出すには、まずしかない。

しかし、このクラスには仲良くなれそうな奴がいない。

いや、そう思っているだけでいるかもしれないではないか!!!

諦めるな俺!頑張るんだ!!!

目を凝らしてクラス中を見渡す。

誰か、誰かいないか!!!!

ふと、目に止まった奴がいた。

吉野結城…俺と同じでカースト底辺の奴だ。

いやいやいやいや、そんな奴とつるんだって結局はカースト底辺のままじゃないか!

しかし、なんだかんだでボッチは辛い…。

関わってみたらいいやつかもしれないじゃないか!

しかし、でも、そう頭の中で自問自答する。

どの道カースト底辺な俺だ。

ボッチよりマシではないか。

そういう結論に至り、俺は吉野の元へ向かった。

「…」

「…」



無言で突っ立ってる俺を吉野はジトリとした視線で見てくる。

なんかこいつこえーよ!!!!!

目つき半端なくやべーよ!!!!

人殺してそうな目してるんだけど!!!!!

「あ、あの~」
「何。」

素っ気ない!!!!!返事早い!!!!

「よ、吉野君と仲良くなりたくて…。」

「は?」

………はい、今こいつ何考えてんだとか思われた。

終わった………。

さよなら、俺の青春ライフよ………。

「………なんかの罰ゲームとか?」

「はい?いや違うよ!」

終わってない!!!!カモン俺の青春ライフぅぅぅぅ!!!!!

「いや、僕に話しかけてくる人とか今まで居なかったからさ。なんかの罰ゲーム以外浮かばなくて…。」

分かる!!!!!!

俺が吉野君だったら同じ事思ってしまうよ…。

「いやいや、俺だって他の人に話しかけられないし、よかったら友達になりたいなって思ってたんだよ!」

「なるほど、同じボッチだからか。」

なるほどじゃねぇよ!!!!!!

そんな卑屈な顔しないでくれよ!!!!

俺は思わず、笑顔が引きつってしまう。

吉野君はフッと自虐的な笑いをしながら、俺にこう言った。

「僕もボッチ嫌だし。」

友達ゲット………。しかし、なんだろうこの虚しさは………。

「これからよろしく、吉野君!!!!」

「うん、よろしく。ところで君名前なんだっけ?」

………俺の影薄すぎ問題発生。

「俺は姫路宏太だよぅ…。」

「…あぁ。」

絶対聞き覚えない顔してるよ………。

どうせ、俺は同じカースト底辺の奴にも覚えられないほど影薄いよ………。

とりあえず、ミッションクリア?
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