君は僕だけの

アラレ

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13時25分

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「吉高先輩この前~、好きな人いるっていってたじゃないですか、」


「…忘れてって」



今は取引先に挨拶へ行くために俺の車で移動中だ




他人を乗せたくなかったが、会社の車を使うと申請の手続きがめんどくさい



「もしその人と再開したとして、


その人に彼氏が居たらどうするんです~?

あきらめます?」



彼女は意地悪をする時のようにニヤリと笑った



たしかにそれは、あんまり考えないようにしてたけど


「諦めないよ」


そんなことで諦めが着くなら最初から探してない

そんなめんどくさいことしてない



「結婚して、子供がいても?」


「…うん、さすがにないと思うけど」


「どうして?」



いつも言ってた

俺は何度も聞いた



「私には夢がある」

「え?」

「だからギリギリまで結婚できない


って、よく言ってた」



ほんとは見たかった

君が夢を叶えるとき、
一番近くにいたかった

君のことは、どんなに小さなことでも知っていたい





俺の返事に一瞬意外そうな顔をしたがすぐにもとの茶化すような顔に戻った


「…夢なんて、変わりますよ
だいたい、再開できる目星はついてるんですか~?」






「…」



「え、その顔はもしかして…」


俺はいい時も悪い時も顔に出やすいようだ



「今度、同窓会なんだ
もしかしたら来るかもしれない」



昨日のメールを見てからずっと浮き足立っていて、必死でニヤけるのを抑えていた





「え~でも、元彼が来るって聞いたら来ないんじゃないですか?吉高先輩は会いたくても、向こうはそうじゃないかもしれないですよ~?」


「言うねぇ

着いた、降りるよ」




そんなの分かってるよ


俺のことを恨んでいるかもしれない




それでも、見つけ出すよ


君がどんなに俺から逃げたとしても





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