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パーティーと不思議な音符
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4人は、他の子供達と相談しながら会場を作っていった。
それぞれが分担を決め、楽しみながら飾り付けをしたり、パーティーに必要なテーブルや椅子、装飾品を出した。
シャイニーとフレームは、天井の飾り付けの担当となった。
2人は天井を小さな空に見立てた。
フレームが、小さな太陽を雲の粘土で作り息を吹きかけると、その太陽はポッと光を放ち明るく輝いた。
フレームがそっと手を離すと、小さな太陽は天井すれすれまで昇り会場を明るく照らした。
シャイニーは、自分の髪を数本抜くとフッと息を吹きかけた。
数本の髪は虹色に輝く美しい雲となり天井に昇っていった。
「う~ん…太陽と雲だけでは、何か物足りないな…
フレーム、虹を出していい?」
「そうだな…うん!虹を出したほうがいいかもな。」
シャイニーは、頷くと今度は翼から羽を抜いて息を吹きかけながら、美しい虹をイメージした。
すると、みるみる間に羽は虹へと変わり天井に昇り、小さな太陽の光を反射し美しくキラキラと輝いた。
2人は、満足し大きく頷いた。
ふと周りを見ると、パーティー会場はほぼ出来上がっていた。
木目調の大きな丸いテーブルが何台か置かれ、テーブルを囲むように椅子も置かれていた。
パーティー会場前方には、サビィやラフィ、ライルやマロン用の長テーブルと背もたれの高い椅子が置かれていた。
床には、美しい花々が咲いている。
この花々は、天使達が歩くたびに踏まれないようにサッと身をかわした。
そして、壁だった場所には樹木が生い茂り、そのたもとには小川が流れていた。
そして、部屋の中にもかかわらず、どこからか心地よい風が優しく拭き、樹木の葉や床に咲いた花々がそよそよと揺れていた。
「うん。なかなか素晴らしい会場が出来たね。」
ラフィは笑顔で会場を見回している。
「私の部屋が花や木で満たされ、美しい空まで…君達がここまで素晴らしい会場を作り上げるとは思わなかった。君達の成長は想像以上のようだ。」
サビィは、満足気な笑顔で更に続ける。
「会場も出来上がったようだ。では、パーティーを始めよう!」
サビィの言葉が合図となり、数名の大人の天使達がパッと現れた。
「あれ?ハーニーがいる!」
シャイニーは、突然現れた天使の中にハーニーの姿を見つけた。
「フレーム!ハーニーがいるよ!」
慌ててフレームの腕を掴み、ハーニーを指差した。
「あれ!本当だ!ハーニー!!」
フレームが大きな声で呼びかけると、ハーニーはシャイニーとフレームに気付き嬉しそうに手を振った。
そして、サビィが穏やかな美しい笑顔で子供達を見回した。
「本日は、君達の学びのスタートを祝してパーティーをとり行う。学びは、楽しい事もあれば辛く苦しい事もある。学びを通して君達は、自分の力を見極め、大人の天使へと成長していく。辛く苦しい時は、1人で抱えず仲間の天使達や、ラフィ…そして私に相談しなさい。君達が素晴らしい天使に成長する事を私は願っている。それでは、パーティーを始める。思う存分楽しんでほしい。」
サビィが挨拶を終えると、ハーニーを含む4名の天使が演奏を始めた。
続いて白い長い帽子を被り、同じく白いエプロンを身に付けた天使が、皆テーブルにつくように促した。
全員が席に着くと、その天使が各テーブルを回り様々な料理を次々と出し並べていった。
「わぁ~」
子供達は、喜び感嘆の声を上げた。
料理が全て並べられ、飲み物も注がれるとサビィがグラスを持ち立ち上がった。
「では、君達の素晴らしい成長を願って…乾杯!」
子供達は、嬉しそうに料理を口に運び始めた。
ハーニーを含む4人の音楽隊は各テーブルを回り演奏をしている。
ハーニーがハープを弾くとリズミカルな音色が音符に変わり子供達の回りクルクルと回った。
(あ!あの音符…僕が泣いた時にハーニーが出してくれたものだ!早くハーニーが来ないかな。)
シャイニーは、ハーニーがテーブルに回って来る順番をソワソワしながら待っていた。
(いよいよ次だ!)
ハーニー達音楽隊は隣のテーブルで演奏をしていた。
クルクル回りリズミカルに動く音符を見て子供達は歓声を上げたり、音符を掴もうと手を伸ばしたりしている。
そして、隣のテーブルの演奏が終わり、ハーニー達がシャイニーのテーブルにやって来た。
「シャイニー、フレーム楽しんでる?」
ハーニーがハープを構えながら、2人を見てニッコリと笑った。
「うん。楽しんでるよ。」
「もちろん、楽しんでるぜ!」
2人が答えると、ハーニーは嬉しそうに頷き演奏を始めた。
その演奏は、楽し気でワクワクする祝福の音楽だった。
音楽隊は、ハープ、フルート、ヴァイオリン、チェロからなる4人の編成で、それぞれの楽器が奏でるメロディーが音符に変わり、子供達の周りをクルクルと回り始めた。
「うわ~」
シャイニー達は、目を輝かせ音符を捕まえようと手を伸ばした。
しかし、音符は掴もうとした瞬間、伸ばした手をスッとかわし捕まえる事ができない。
音符がからかうように、近くに寄っては逃げるため、どうしても捕まえる事ができずに悔しがるシャイニー達を見て小さく震えた。
それは、まるで笑っているかのようだった。
「あ!音符が笑ってる!よ~し、マトラ!挟み撃ちにするぞ。」
「わかったわ、ストラ!」
ストラとマトラが気付かれないようにソーッと音符を挟むように前後に分かれた。
音符は、その場で楽しそうにユラユラと揺れている。
ストラとマトラは、お互いに目で合図をし、一気に音符に向かい走った。
……ドカーン!!……
2人は正面衝突し、その場に倒れ込んだ。
「イタタタタ…」
「いった~い!ストラのバカ!」
音符は捕まる瞬間、2人の間をすり抜けていた。倒れ込んだ2人を見て音符は楽しそうに小刻みに揺れている。
その時、フレームの手が音符をしっかり掴んだ。
「エヘヘ。油断したな。音符捕まえたぜ。」
フレームが音符を掴んだ手をゆっくり広げると、もう音符は動かなくなっていた。
「あれ?コイツ、もう動かなくなってる。」
フレームは何度も音符をつついたが、全く動かなかった。
すると、黒い音符の色が少しずつ変化し、フレームの髪の色と同じ赤い色になった。
「この音符、ストラとマトラに譲ろうと思ったけど…や~めた!俺の髪の色と同じ色に変化したっていう事は、この音符は俺の所にいたいはずだ。」
フレームは、そう言うと赤い音符をストラとマトラに見つからないように、自分の髪の中にソッ隠した。
「うわ~。ストラとマトラ痛そう…大丈夫かな~」
シャイニーが2人の元に駆け寄ろうとした時、目の前に音符が現れた。
その音符は、シャイニーの前から動かず、その場でリズミカルに揺れていた。
シャイニーがソッと音符の下に手を差し出すとストンと手の平に落ち、黒い色から少しずつ色が変わっていった。
そして、その音符は光が当たると虹色に輝く金色に変化したのだった。
「あれ…この色、僕の髪の色と同じだ…キミは、僕と一緒にいたいの?」
シャイニーが尋ねると、音符は返事をするかのようにフルフルと震えた。
「そうなんだ。僕の所に来てくれてありがとう。でもね、このままだと君は他の子に見つかって、また追いかけられるかもしれないよ。」
シャイニーの言葉に音符はビクッとすると、スーッとシャイニーの目線まで上がりキョロキョロと周りを見渡した。
他の子供達は、皆が別の音符を追いかけていて、シャイニーや虹色の音符には全く気付いていなかった。
虹色の音符は、安心したかのように小さくホッと息をつくと、シャイニーの髪の中に潜っていった。
「え!何?どうしたの?くすぐったいよ。」
音符は、髪の中に潜り安心したのか、スースーと寝息をたて始めた。
「え!寝てるの?何だか…君は変わってるね。でも…可愛い。これからよろしくね。音符くん。」
音符は、すっかり安心しきったようにグッスリと寝ているようだった。
シャイニーがテーブルに戻るとハーニー達の演奏は、まだ続いていた。
ハーニーに音符の事を話そうとすると後ろからクレームの声が聞こえてきた。
「シャイニー!これを見てくれ!」
フレームは、自分の髪を掻き分けてシャイニーに見せた。
そこには赤い色の音符が隠れていた。
「え!フレームも?僕も…見て。」
シャイニーも髪を掻き分けてフレームに見せた。
「シャイニーもか…ん?何だコイツ…寝てるのか?」
「そうみたい…」
「変なヤツ…」
2人がコソコソ話していると、ハーニーが演奏の手を止めてやって来た。
「どうしたの? 2人とも。」
「ハーニー、あのね…フレームと僕の髪の中に音符が隠れているんだ。不思議な音符で僕達と同じ髪の色をしてるんだ。」
シャイニーが説明すると、ハーニーは大きく頷いた。
「あぁ…それは、2人が音符に気に入られたのね。一度、音符に気に入られると、よほどの事がない限りあなた達から離れないわよ。ウフフ…覚悟してね。」
ハーニーは楽しそうに笑った。
「え!覚悟ってどういう事なの?」
「冗談よ。シャイニー。音符は気に入った天使からは、決して離れないの。ずっと一緒にいるのよ。あなた達を気に入った音符を見せてくれる?」
シャイニーとフレームは髪を掻き分け音符を見せた。
「あらあら。シャイニーの音符はグッスリ寝てるわね。フレームの音符は…あら?動かない…ちょっと見せてもらうわね。」
ハーニーは、フレームの髪から赤い音符を取り出すと手の平に乗せた。
ハーニーは、音符を持ち上げたり、つついたりしたがピクリとも動かない。
「あら…この音符は…」
ハーニーが真剣な表情でシャイニーとフレームの顔を交互に見た。
「ハーニー。この音符どうしたの?」
「ハーニー。どうしてコイツ動かないんだ?」
「この音符…気絶してるわ。フレーム…この音符が驚くような事を何かした?」
「う~ん…コイツが油断してる時にガバッと掴んだくらいかな…」
フレームは、腕を組み考えながら答えた。
「きっと、その事が原因ね。大丈夫よ。後で目を覚ますわ。そうそう、この子達に名前をつけてあげると喜ぶわよ。」
ハーニーは、2人を見ると再びハープを構えた。
「私は演奏に戻るわね。2人が楽しそうで安心したわ。
何だか成長したみたいだし…それじゃ、また後でね。」
ハーニーは手を振りながら演奏に戻っていった。
「フレーム、気絶だって…」
「うん…音符も気絶するんだな…」
2人は、しばらくフレームの手の平で気絶している音符を眺めていたが、他の子供達がテーブルに戻り始めたため、フレームはソッと音符を髪の中に隠した。
それぞれが分担を決め、楽しみながら飾り付けをしたり、パーティーに必要なテーブルや椅子、装飾品を出した。
シャイニーとフレームは、天井の飾り付けの担当となった。
2人は天井を小さな空に見立てた。
フレームが、小さな太陽を雲の粘土で作り息を吹きかけると、その太陽はポッと光を放ち明るく輝いた。
フレームがそっと手を離すと、小さな太陽は天井すれすれまで昇り会場を明るく照らした。
シャイニーは、自分の髪を数本抜くとフッと息を吹きかけた。
数本の髪は虹色に輝く美しい雲となり天井に昇っていった。
「う~ん…太陽と雲だけでは、何か物足りないな…
フレーム、虹を出していい?」
「そうだな…うん!虹を出したほうがいいかもな。」
シャイニーは、頷くと今度は翼から羽を抜いて息を吹きかけながら、美しい虹をイメージした。
すると、みるみる間に羽は虹へと変わり天井に昇り、小さな太陽の光を反射し美しくキラキラと輝いた。
2人は、満足し大きく頷いた。
ふと周りを見ると、パーティー会場はほぼ出来上がっていた。
木目調の大きな丸いテーブルが何台か置かれ、テーブルを囲むように椅子も置かれていた。
パーティー会場前方には、サビィやラフィ、ライルやマロン用の長テーブルと背もたれの高い椅子が置かれていた。
床には、美しい花々が咲いている。
この花々は、天使達が歩くたびに踏まれないようにサッと身をかわした。
そして、壁だった場所には樹木が生い茂り、そのたもとには小川が流れていた。
そして、部屋の中にもかかわらず、どこからか心地よい風が優しく拭き、樹木の葉や床に咲いた花々がそよそよと揺れていた。
「うん。なかなか素晴らしい会場が出来たね。」
ラフィは笑顔で会場を見回している。
「私の部屋が花や木で満たされ、美しい空まで…君達がここまで素晴らしい会場を作り上げるとは思わなかった。君達の成長は想像以上のようだ。」
サビィは、満足気な笑顔で更に続ける。
「会場も出来上がったようだ。では、パーティーを始めよう!」
サビィの言葉が合図となり、数名の大人の天使達がパッと現れた。
「あれ?ハーニーがいる!」
シャイニーは、突然現れた天使の中にハーニーの姿を見つけた。
「フレーム!ハーニーがいるよ!」
慌ててフレームの腕を掴み、ハーニーを指差した。
「あれ!本当だ!ハーニー!!」
フレームが大きな声で呼びかけると、ハーニーはシャイニーとフレームに気付き嬉しそうに手を振った。
そして、サビィが穏やかな美しい笑顔で子供達を見回した。
「本日は、君達の学びのスタートを祝してパーティーをとり行う。学びは、楽しい事もあれば辛く苦しい事もある。学びを通して君達は、自分の力を見極め、大人の天使へと成長していく。辛く苦しい時は、1人で抱えず仲間の天使達や、ラフィ…そして私に相談しなさい。君達が素晴らしい天使に成長する事を私は願っている。それでは、パーティーを始める。思う存分楽しんでほしい。」
サビィが挨拶を終えると、ハーニーを含む4名の天使が演奏を始めた。
続いて白い長い帽子を被り、同じく白いエプロンを身に付けた天使が、皆テーブルにつくように促した。
全員が席に着くと、その天使が各テーブルを回り様々な料理を次々と出し並べていった。
「わぁ~」
子供達は、喜び感嘆の声を上げた。
料理が全て並べられ、飲み物も注がれるとサビィがグラスを持ち立ち上がった。
「では、君達の素晴らしい成長を願って…乾杯!」
子供達は、嬉しそうに料理を口に運び始めた。
ハーニーを含む4人の音楽隊は各テーブルを回り演奏をしている。
ハーニーがハープを弾くとリズミカルな音色が音符に変わり子供達の回りクルクルと回った。
(あ!あの音符…僕が泣いた時にハーニーが出してくれたものだ!早くハーニーが来ないかな。)
シャイニーは、ハーニーがテーブルに回って来る順番をソワソワしながら待っていた。
(いよいよ次だ!)
ハーニー達音楽隊は隣のテーブルで演奏をしていた。
クルクル回りリズミカルに動く音符を見て子供達は歓声を上げたり、音符を掴もうと手を伸ばしたりしている。
そして、隣のテーブルの演奏が終わり、ハーニー達がシャイニーのテーブルにやって来た。
「シャイニー、フレーム楽しんでる?」
ハーニーがハープを構えながら、2人を見てニッコリと笑った。
「うん。楽しんでるよ。」
「もちろん、楽しんでるぜ!」
2人が答えると、ハーニーは嬉しそうに頷き演奏を始めた。
その演奏は、楽し気でワクワクする祝福の音楽だった。
音楽隊は、ハープ、フルート、ヴァイオリン、チェロからなる4人の編成で、それぞれの楽器が奏でるメロディーが音符に変わり、子供達の周りをクルクルと回り始めた。
「うわ~」
シャイニー達は、目を輝かせ音符を捕まえようと手を伸ばした。
しかし、音符は掴もうとした瞬間、伸ばした手をスッとかわし捕まえる事ができない。
音符がからかうように、近くに寄っては逃げるため、どうしても捕まえる事ができずに悔しがるシャイニー達を見て小さく震えた。
それは、まるで笑っているかのようだった。
「あ!音符が笑ってる!よ~し、マトラ!挟み撃ちにするぞ。」
「わかったわ、ストラ!」
ストラとマトラが気付かれないようにソーッと音符を挟むように前後に分かれた。
音符は、その場で楽しそうにユラユラと揺れている。
ストラとマトラは、お互いに目で合図をし、一気に音符に向かい走った。
……ドカーン!!……
2人は正面衝突し、その場に倒れ込んだ。
「イタタタタ…」
「いった~い!ストラのバカ!」
音符は捕まる瞬間、2人の間をすり抜けていた。倒れ込んだ2人を見て音符は楽しそうに小刻みに揺れている。
その時、フレームの手が音符をしっかり掴んだ。
「エヘヘ。油断したな。音符捕まえたぜ。」
フレームが音符を掴んだ手をゆっくり広げると、もう音符は動かなくなっていた。
「あれ?コイツ、もう動かなくなってる。」
フレームは何度も音符をつついたが、全く動かなかった。
すると、黒い音符の色が少しずつ変化し、フレームの髪の色と同じ赤い色になった。
「この音符、ストラとマトラに譲ろうと思ったけど…や~めた!俺の髪の色と同じ色に変化したっていう事は、この音符は俺の所にいたいはずだ。」
フレームは、そう言うと赤い音符をストラとマトラに見つからないように、自分の髪の中にソッ隠した。
「うわ~。ストラとマトラ痛そう…大丈夫かな~」
シャイニーが2人の元に駆け寄ろうとした時、目の前に音符が現れた。
その音符は、シャイニーの前から動かず、その場でリズミカルに揺れていた。
シャイニーがソッと音符の下に手を差し出すとストンと手の平に落ち、黒い色から少しずつ色が変わっていった。
そして、その音符は光が当たると虹色に輝く金色に変化したのだった。
「あれ…この色、僕の髪の色と同じだ…キミは、僕と一緒にいたいの?」
シャイニーが尋ねると、音符は返事をするかのようにフルフルと震えた。
「そうなんだ。僕の所に来てくれてありがとう。でもね、このままだと君は他の子に見つかって、また追いかけられるかもしれないよ。」
シャイニーの言葉に音符はビクッとすると、スーッとシャイニーの目線まで上がりキョロキョロと周りを見渡した。
他の子供達は、皆が別の音符を追いかけていて、シャイニーや虹色の音符には全く気付いていなかった。
虹色の音符は、安心したかのように小さくホッと息をつくと、シャイニーの髪の中に潜っていった。
「え!何?どうしたの?くすぐったいよ。」
音符は、髪の中に潜り安心したのか、スースーと寝息をたて始めた。
「え!寝てるの?何だか…君は変わってるね。でも…可愛い。これからよろしくね。音符くん。」
音符は、すっかり安心しきったようにグッスリと寝ているようだった。
シャイニーがテーブルに戻るとハーニー達の演奏は、まだ続いていた。
ハーニーに音符の事を話そうとすると後ろからクレームの声が聞こえてきた。
「シャイニー!これを見てくれ!」
フレームは、自分の髪を掻き分けてシャイニーに見せた。
そこには赤い色の音符が隠れていた。
「え!フレームも?僕も…見て。」
シャイニーも髪を掻き分けてフレームに見せた。
「シャイニーもか…ん?何だコイツ…寝てるのか?」
「そうみたい…」
「変なヤツ…」
2人がコソコソ話していると、ハーニーが演奏の手を止めてやって来た。
「どうしたの? 2人とも。」
「ハーニー、あのね…フレームと僕の髪の中に音符が隠れているんだ。不思議な音符で僕達と同じ髪の色をしてるんだ。」
シャイニーが説明すると、ハーニーは大きく頷いた。
「あぁ…それは、2人が音符に気に入られたのね。一度、音符に気に入られると、よほどの事がない限りあなた達から離れないわよ。ウフフ…覚悟してね。」
ハーニーは楽しそうに笑った。
「え!覚悟ってどういう事なの?」
「冗談よ。シャイニー。音符は気に入った天使からは、決して離れないの。ずっと一緒にいるのよ。あなた達を気に入った音符を見せてくれる?」
シャイニーとフレームは髪を掻き分け音符を見せた。
「あらあら。シャイニーの音符はグッスリ寝てるわね。フレームの音符は…あら?動かない…ちょっと見せてもらうわね。」
ハーニーは、フレームの髪から赤い音符を取り出すと手の平に乗せた。
ハーニーは、音符を持ち上げたり、つついたりしたがピクリとも動かない。
「あら…この音符は…」
ハーニーが真剣な表情でシャイニーとフレームの顔を交互に見た。
「ハーニー。この音符どうしたの?」
「ハーニー。どうしてコイツ動かないんだ?」
「この音符…気絶してるわ。フレーム…この音符が驚くような事を何かした?」
「う~ん…コイツが油断してる時にガバッと掴んだくらいかな…」
フレームは、腕を組み考えながら答えた。
「きっと、その事が原因ね。大丈夫よ。後で目を覚ますわ。そうそう、この子達に名前をつけてあげると喜ぶわよ。」
ハーニーは、2人を見ると再びハープを構えた。
「私は演奏に戻るわね。2人が楽しそうで安心したわ。
何だか成長したみたいだし…それじゃ、また後でね。」
ハーニーは手を振りながら演奏に戻っていった。
「フレーム、気絶だって…」
「うん…音符も気絶するんだな…」
2人は、しばらくフレームの手の平で気絶している音符を眺めていたが、他の子供達がテーブルに戻り始めたため、フレームはソッと音符を髪の中に隠した。
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