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第1番 GA─天才エース─
背番号 1番〖化影(かげ)〗
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──4月上旬。ここは、県立神織高等学校。新丸県神織市の公立高等学校である。
神織市の北側に置かれるこの学校は、新丸県内であればそこそこ名のある学校だが、有名校という程でも無い。先程の小柄な少年は、家に近い上にバスケットボール部が無名である事から、この学校を入学する事にした。
そして〝天才〟として部を引っ張り、強豪校へと導こうという計画を立てていたのだ……が、彼にそのような実力はない。つまり此奴、ただの阿呆である。
そんな中、神織高校は4月の入学式から1週間が経ち、すっかり校舎は新入生の部活動勧誘ムードとなっていた。
今日、一年生は教師から渡された入部届に、入りたい部活とその理由を書き、各部が指定した集合場所に持っていく事になっている。
「……さて、これから放課後だ。これから各部の集合場所に書いた入部届を持って行け。勿論、強制はしないので帰りたい奴は帰るといい。では解散」
B組・担任教師の萩本の言葉と共に生徒達は動き出した。
もう既に書き終わっていて走り出す者、決まってはいるがまだ書き終わっていない者、決まっておらずどの部活に入るか悩んでいる者、帰らずに話をしている者、帰宅部絶賛入部中の者……などなど。
そして勿論、この小柄な少年はバスケットボール部に入部する事しか眼中に無い。──しかし、未だ書き終わっておらず、この部活に入りたい理由の欄で止まっていた。
「……バスケットが好きだから。天才だから……ってダメかな? もっとバスケット選手っぽくないとか……何か良い言い回しねぇかな。萩本のやつ、『自分で考えろ』とか言って教えてくんなかったしな」
などと、小柄な少年が真剣に悩みながらボヤいていても、特に周りはチラッと見るくらいで彼に構う者はいなかった。彼等には「チビが何か言ってる」程度なのだ。
それよりも彼等は──
「!?」
教室の前を通る大きな〝影〟に注目していた。
その影を辿って行くと……この一年生が通る廊下に居る筈がないような〝大きな巨体〟があったのだ。影の主は、2mの高さは軽くある教室のドアに今にも届きそうな程の大きさであり、ゆっくりのっそりとB組教室前の廊下を通って行く。
B組の生徒達は「おっきい」「でけぇ」「やばっ、かっこいい」「あれで同級生かよ」などと感嘆の声を漏らしていた。
「……。」
彼の影の主はそんな声など耳には無かった。前を向いてのっそりと廊下を通り過ぎて行く。
──右手に、一枚の紙を持ちながら。
……しかし、そんな事すら眼中に無い男が1人。
そう、小柄の少年である。彼は今、自分の目の前にある紙との格闘だけにしか眼中にない。
「ううっ……くそっ、思いつかねぇよ! これだから作文はよーっ!」
自分の髪の毛をわしゃわしゃとかき回し、イライラしていた。その様子を見たこのクラスに居る者達は、誰もが心の中で「作文じゃねーよ!」とツッコむ。
……この小柄の少年、このレベルであっても文章を綴るのが大の苦手であった。
__________
「──一年生! ここに左から、クラス順に整列してください!」
此処は神織高校の第二体育館である。体育館の中心付近には、数人程の二つの列が互いに向き合って集合していた。ステージ側はバスケットボール部入部希望者の1年生達、反対側はバスケットボール部員の2年・3年生達である。
しかし、列という程多い訳ではなかった。
ステージ側の1年生は3人、部員の2年・3年生達でさえ6人だけだったのだ。そんなバスケ部員6人は寂しく、広い体育館で新部員3人を迎え入れていた。
「では一人ずつクラスと名前、身長を。あと出身校と、バスケットボールの経験があるならポジションを左から順番に言って下さい」
眼鏡を掛けたジャージ姿の女子生徒は、落ち着いた物言いで淡々と入部希望の1年生達に指示を出す。
すると、一番左に居る目鏡を掛けた男子生徒が口を開いた。
「1年A組、深村 勝です! 身長は175cm! 出身校は太陽中学校です! ポジションはSFをやっていました! 宜しくお願いします!」
先程の女子生徒の左隣の男子生徒がその深村の大きくはっきりとした口調にうんうんと頷きながら話し始める。
「……おおっ、あの太陽中か! 気合いたっぷりでとても期待出来そうだな。よし、次!」
深村の右に居る男子生徒が声を掛けられると、彼は緊張で震えながら答えた。
「……え、えっと……い、1年A組…結城 優寿…ですっ! ……身長は……た、確か166cmです! ……えと、出身校は……神織北中学校でした! バスケ部は初心者で……ちゅ、中学の頃に授業でやった程度ですが……よ、宜しく……おおお、お願いしますっ!」
緊張で声が上ずってしまった結城にクスクスっと二年・三年生が笑ってしまい、結城は恥ずかしさで小さくなってしまった。
慌てて先程の男子生徒が声を掛ける。
「……あっ、すまない! 君の話し方が初々しかったからついな。次は……おおっ、でかいな! その上、顔も凄い整ってる」
彼が言い終えると、その言葉に続く様にその左隣にいた大柄の男子生徒が口を開いた。
「ほう……ええ、背丈だったら俺よりありますね。まあ横は俺の方がありますけど」
結城の右隣に居る男子生徒は二人の会話をじーっと見た後、首を傾げつつ無愛想な顔でゆっくりと口を開いた
──そう、あの影の主である。
「……D組……燐道 流花、195cm……出身校は太陽中です。ポジションは特に決まってなかったですけど……確かSFとPFを良く同時にやってました、はい……」
それを聞くと先程の男子生徒が「おおっ……!」と感嘆の声を上げ、話し掛け始めた。
「SFとPFどっちも!? すると……CFスタイルってやつか、凄いな! そして一年とは思えないこの身長……ああ! 今年も新入部員は少なかったがどうやら豊作だ。これは期待出来るぞ! ……よし、宜しくな燐道」
燐道は「……うっす」と無愛想な顔で答え、軽く一礼するのを見ると、彼は一呼吸置いてからまた話を続ける。
「さて、皆ありがとう! それじゃあ遅くなったが、今度は俺達の紹介だ。まずは俺から……ここバスケットボール部の部長、三年の紅 公だ。みんな宜しくな」
言い終えてにっこりと優しく微笑むと「じゃあ次」と左隣に視線を配った。そして、それを確認するように、大柄の男子生徒が威厳いっぱいの口調で話しを始める。
「……二年、本剛 穂稀だ。ポジションはC。おいッ、鼻たれ一年坊主ども! 優しい公さんの代わりに俺がみっちり扱いてやるから覚悟しておけ! いいな!?」
「ひいっ……!」っと情けない声を上げた結城に気付いた紅は「まあまあ」と本剛を宥めつつ「次」と本剛の左隣に居る二人の男子生徒達に視線を配った。
「同じく二年、有島 淳。僕のポジションはGだ。宜しく」
「俺も同じく二年、Fの樹馬 京士だ。宜しくな!」
樹馬が言い終えると「よし、次はマネージャーを紹介するな」と紅は告げ、自分の一番右に居るジャージを着た男子生徒に視線を配る。男子生徒は軽く頷くと、ゆっくり話し始めた。
「三年、マネージャーの司柴埼 黄菜だ。君達の身体のメンテナンス、サポートは俺とこの女の子に任せてくれ。それじゃあ、皆宜しく」
そう彼は言い終えるとフッと口元を緩めて笑い、左隣に居る眼鏡を掛けたジャージ姿の女子生徒の肩をポンっと軽く叩く。チラッと窺うも、女子生徒はすぐに「はい」と一言告げ、口を開いた。
「同じくマネージャー、二年の彩植 恵水です。しっかりと皆のサポートをして行くので、宜しくお願いします」
最後の彩植で紹介が終わり、紅が締め括りに入る。
「さて、紹介は全員だな。入部会はこれにて終わりなんだが、実はもう一人、三年のキャプテンがこの部に居る……まあ残念な事に体調を崩してるんだけどな。だから数日間はこの顔揃いになるから、一応覚えておいてくれ。……それじゃあ、これから皆で仲良くやって行こうな。宜しく!」
そう言い終えて紅がにっこりと微笑むと、一年生の三人はバラバラに「宜しくお願いします」と軽く頭を下げる。
神織高校の新バスケットボール部が始まろうとしていた──筈だった。
神織市の北側に置かれるこの学校は、新丸県内であればそこそこ名のある学校だが、有名校という程でも無い。先程の小柄な少年は、家に近い上にバスケットボール部が無名である事から、この学校を入学する事にした。
そして〝天才〟として部を引っ張り、強豪校へと導こうという計画を立てていたのだ……が、彼にそのような実力はない。つまり此奴、ただの阿呆である。
そんな中、神織高校は4月の入学式から1週間が経ち、すっかり校舎は新入生の部活動勧誘ムードとなっていた。
今日、一年生は教師から渡された入部届に、入りたい部活とその理由を書き、各部が指定した集合場所に持っていく事になっている。
「……さて、これから放課後だ。これから各部の集合場所に書いた入部届を持って行け。勿論、強制はしないので帰りたい奴は帰るといい。では解散」
B組・担任教師の萩本の言葉と共に生徒達は動き出した。
もう既に書き終わっていて走り出す者、決まってはいるがまだ書き終わっていない者、決まっておらずどの部活に入るか悩んでいる者、帰らずに話をしている者、帰宅部絶賛入部中の者……などなど。
そして勿論、この小柄な少年はバスケットボール部に入部する事しか眼中に無い。──しかし、未だ書き終わっておらず、この部活に入りたい理由の欄で止まっていた。
「……バスケットが好きだから。天才だから……ってダメかな? もっとバスケット選手っぽくないとか……何か良い言い回しねぇかな。萩本のやつ、『自分で考えろ』とか言って教えてくんなかったしな」
などと、小柄な少年が真剣に悩みながらボヤいていても、特に周りはチラッと見るくらいで彼に構う者はいなかった。彼等には「チビが何か言ってる」程度なのだ。
それよりも彼等は──
「!?」
教室の前を通る大きな〝影〟に注目していた。
その影を辿って行くと……この一年生が通る廊下に居る筈がないような〝大きな巨体〟があったのだ。影の主は、2mの高さは軽くある教室のドアに今にも届きそうな程の大きさであり、ゆっくりのっそりとB組教室前の廊下を通って行く。
B組の生徒達は「おっきい」「でけぇ」「やばっ、かっこいい」「あれで同級生かよ」などと感嘆の声を漏らしていた。
「……。」
彼の影の主はそんな声など耳には無かった。前を向いてのっそりと廊下を通り過ぎて行く。
──右手に、一枚の紙を持ちながら。
……しかし、そんな事すら眼中に無い男が1人。
そう、小柄の少年である。彼は今、自分の目の前にある紙との格闘だけにしか眼中にない。
「ううっ……くそっ、思いつかねぇよ! これだから作文はよーっ!」
自分の髪の毛をわしゃわしゃとかき回し、イライラしていた。その様子を見たこのクラスに居る者達は、誰もが心の中で「作文じゃねーよ!」とツッコむ。
……この小柄の少年、このレベルであっても文章を綴るのが大の苦手であった。
__________
「──一年生! ここに左から、クラス順に整列してください!」
此処は神織高校の第二体育館である。体育館の中心付近には、数人程の二つの列が互いに向き合って集合していた。ステージ側はバスケットボール部入部希望者の1年生達、反対側はバスケットボール部員の2年・3年生達である。
しかし、列という程多い訳ではなかった。
ステージ側の1年生は3人、部員の2年・3年生達でさえ6人だけだったのだ。そんなバスケ部員6人は寂しく、広い体育館で新部員3人を迎え入れていた。
「では一人ずつクラスと名前、身長を。あと出身校と、バスケットボールの経験があるならポジションを左から順番に言って下さい」
眼鏡を掛けたジャージ姿の女子生徒は、落ち着いた物言いで淡々と入部希望の1年生達に指示を出す。
すると、一番左に居る目鏡を掛けた男子生徒が口を開いた。
「1年A組、深村 勝です! 身長は175cm! 出身校は太陽中学校です! ポジションはSFをやっていました! 宜しくお願いします!」
先程の女子生徒の左隣の男子生徒がその深村の大きくはっきりとした口調にうんうんと頷きながら話し始める。
「……おおっ、あの太陽中か! 気合いたっぷりでとても期待出来そうだな。よし、次!」
深村の右に居る男子生徒が声を掛けられると、彼は緊張で震えながら答えた。
「……え、えっと……い、1年A組…結城 優寿…ですっ! ……身長は……た、確か166cmです! ……えと、出身校は……神織北中学校でした! バスケ部は初心者で……ちゅ、中学の頃に授業でやった程度ですが……よ、宜しく……おおお、お願いしますっ!」
緊張で声が上ずってしまった結城にクスクスっと二年・三年生が笑ってしまい、結城は恥ずかしさで小さくなってしまった。
慌てて先程の男子生徒が声を掛ける。
「……あっ、すまない! 君の話し方が初々しかったからついな。次は……おおっ、でかいな! その上、顔も凄い整ってる」
彼が言い終えると、その言葉に続く様にその左隣にいた大柄の男子生徒が口を開いた。
「ほう……ええ、背丈だったら俺よりありますね。まあ横は俺の方がありますけど」
結城の右隣に居る男子生徒は二人の会話をじーっと見た後、首を傾げつつ無愛想な顔でゆっくりと口を開いた
──そう、あの影の主である。
「……D組……燐道 流花、195cm……出身校は太陽中です。ポジションは特に決まってなかったですけど……確かSFとPFを良く同時にやってました、はい……」
それを聞くと先程の男子生徒が「おおっ……!」と感嘆の声を上げ、話し掛け始めた。
「SFとPFどっちも!? すると……CFスタイルってやつか、凄いな! そして一年とは思えないこの身長……ああ! 今年も新入部員は少なかったがどうやら豊作だ。これは期待出来るぞ! ……よし、宜しくな燐道」
燐道は「……うっす」と無愛想な顔で答え、軽く一礼するのを見ると、彼は一呼吸置いてからまた話を続ける。
「さて、皆ありがとう! それじゃあ遅くなったが、今度は俺達の紹介だ。まずは俺から……ここバスケットボール部の部長、三年の紅 公だ。みんな宜しくな」
言い終えてにっこりと優しく微笑むと「じゃあ次」と左隣に視線を配った。そして、それを確認するように、大柄の男子生徒が威厳いっぱいの口調で話しを始める。
「……二年、本剛 穂稀だ。ポジションはC。おいッ、鼻たれ一年坊主ども! 優しい公さんの代わりに俺がみっちり扱いてやるから覚悟しておけ! いいな!?」
「ひいっ……!」っと情けない声を上げた結城に気付いた紅は「まあまあ」と本剛を宥めつつ「次」と本剛の左隣に居る二人の男子生徒達に視線を配った。
「同じく二年、有島 淳。僕のポジションはGだ。宜しく」
「俺も同じく二年、Fの樹馬 京士だ。宜しくな!」
樹馬が言い終えると「よし、次はマネージャーを紹介するな」と紅は告げ、自分の一番右に居るジャージを着た男子生徒に視線を配る。男子生徒は軽く頷くと、ゆっくり話し始めた。
「三年、マネージャーの司柴埼 黄菜だ。君達の身体のメンテナンス、サポートは俺とこの女の子に任せてくれ。それじゃあ、皆宜しく」
そう彼は言い終えるとフッと口元を緩めて笑い、左隣に居る眼鏡を掛けたジャージ姿の女子生徒の肩をポンっと軽く叩く。チラッと窺うも、女子生徒はすぐに「はい」と一言告げ、口を開いた。
「同じくマネージャー、二年の彩植 恵水です。しっかりと皆のサポートをして行くので、宜しくお願いします」
最後の彩植で紹介が終わり、紅が締め括りに入る。
「さて、紹介は全員だな。入部会はこれにて終わりなんだが、実はもう一人、三年のキャプテンがこの部に居る……まあ残念な事に体調を崩してるんだけどな。だから数日間はこの顔揃いになるから、一応覚えておいてくれ。……それじゃあ、これから皆で仲良くやって行こうな。宜しく!」
そう言い終えて紅がにっこりと微笑むと、一年生の三人はバラバラに「宜しくお願いします」と軽く頭を下げる。
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