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 そんなこんなで数週間後……。

 地上の太陽がサンサンと照り付けて暑いし眩しい……。

 俺達N・R・S大隊は再び砂丘に来ていたりする……。 

 ただし、日野さん抜きで……。

 理由は強敵であるパーツコアモンスターがここいらにはもういないから。

 更にはいたとしても、今の俺達なら撃破出来る実力が十分にあると日野大隊長がそう判断しているから。

 ということで、前回同様コアモンスターを狩りつつレッドサンフラグを立てていく俺達。

「なあ? なんか海辺沿いの敵が強めな気がしないか?」 

 と言いつつ、豪快に青い巨大カニのコアモンスターを真っ二つにしていく豪山パイセン。

 ちなみに天使の刻印を持つメンツは今回は全員刻印解放済みだ……。

 俺以外はね……。

 いやまあ、俺の能力って歌だからさ……なんか刻印の解放してもなあ……って思うんだよな。

 ということで、俺は歌自身のそもそもを開放したわけだけどね。

「そうですね。おそらく、カニやエビなどの甲殻類が多いからな気がしますね。もしかしたら海が関係しているかもですが……」

 優もモードサード状態でそつなく青いエビの甲殻をチャージアイスショットで粉々に砕いていく。

「……まあ、こいつらはコアモンスターだから、もしかしたら地球のエネルギーも関係してるかもだな……。流石秀才っ!」

 他の3期生メンツも軽々とコアモンスターを砕いていく。

 俺は今日はまだデバフ系は歌っていない……。

 ちなみに今回デバフ系を配っていないのは、日野隊長の指示のもと。

 何でも個人の地力を鍛えるのも目的の一つだとか……。

 でも、俺それだと戦闘じゃ何もすることないんですけど……。

 牽制で短銃うつくらいで、スッゲー暇なんですけど?

「無紅君ここのが見えやすいかな?」

 という事で、俺は優達のやや後方から瑠璃さんと仲良くフラグをいそいそと立ててたりする。

「え? んー? もうちょい右。……あ、そこらへん! いい位置だよ瑠璃さん」

 そう、こんな感じでだ。

 てか、ふと思ったんだが……瑠璃さんがこんな雑用するのは珍しいな……。

「なあ、無紅君、ちょっと話があるんだがいいかな?」
「あ、はい!」

 俺は瑠璃さんの元に小走りで駆け寄る。

「我が主人から伝言だ。時が来たので明日私の家に来るようにと……」

 ああなるほど、それで瑠璃さんはあえて雑用を……。

「了解! 待ってました!」

 俺は嬉しさのあまり片手を天に上げガッツポーズを取ってしまう!

 地球から離れた果てしなく広がる宇宙に未知の世界に冒険……。

 考えただけでもワクワクする!

「まあ、それで君には今日は負担をかけたくないのでね。察してくれると嬉しいかな……」 

 あ、そうか、瑠璃さんは俺の体調を心配してくれて今日は雑用だけにしてくれてるわけか……。

 納得……。

 ということで、本チャンに向けて今日は大人しく雑用しときますか……。

 俺は豪山パイセン達の活躍を大人しく見ていることに。

 と言っても、ここしばらくの間、皆さん鍛えられていたのか火力が増している関係ですんなり広範囲を殲滅してしまう……。

 お陰様で、俺と瑠璃さんはフラグを立てるのに忙しいわけで……。

 それから暫くして……。

「よし! 思っていたよりも開拓は進んだ! これは皆の努力と血と汗の結晶の賜物である!」

 瑠璃さんの隊長代理の激が砂丘に響き渡る!

 確かにもう、ここいら一体で活動しているコアモンスター狩りつくしていない……。

「ということでだ! 次のステップに進む! 皆ついてこい!」
「はい!」

 ということで俺らは瑠璃さんの後をついて行く……。

 んん? 木々を抜けた後に何やら前方に白い建物が大量に見えて来るんですが……?

 しかも、その建物の隙間にはツタが巻いたり、大小様々な木技が生い茂っているではないか!

 「あの……これは?」

 見た事もない風景に戸惑う俺……。

「ん? これは旧時代の遺産ビル跡だな」
「成程、俺達の住んでいる地下都市の建物によく似てますね」

「そうだ、昔は民家以外に集団でこの建物に皆住んでいたんだ」
「へー……」

 歴史の時間の映像でも見た事無いので、俺達はまじまじと見てしまう。

「お? 見て見ろ? 木々の中に何かあるぞ?」

 誰かの言葉に反応し、俺達は一斉にそちらを見る……。

 昔で言う豪華客船みたいな形……。

 少し異なるのは巨大な白いそれには二本の対なる翼が生えていること。

 それにしても小奇麗に整備されてあるな……。

「あ、もしかしてこれって……」
「そうだ、我が主が乗っているスペースシップ、その名も【ツインウィングV】だ」

 瑠璃さんの言葉に当然どよめく周囲。

 そ、そうか……安全なとこって船内だったのか……。

 俺もめっさ緊張している。

 だって、数年ぶりに生のクロノに会えるのだから……。

「ちなみに転送装置は【ツインウィングV】の近くのそこにある」
「あ、ではここいら周辺のコアモンスターを討伐していたのは?」

「そうだ、私達が乗り込みやすい環境を整える為だ」

 瑠璃さんと優の会話に納得する俺達。

 な、成程……これで安心して国津アルカディアから直でスペースシップに乗れるって算段か。

「近くに、派遣メンバーが発表されるであろうから、皆心してここいらのコアモンスターを討伐するように!」
「お、おお……俺宇宙に一回行ってみたかったんだよな!」

 まるで少年のような目をした豪山パイセンが何やら熱く語ってますが……。

 あ、ゴメンパイセン、少年法定義だと俺の1個上の先輩でまだ少年でしたね……。

 ガタイがごついのと強気な発言から、力丸さんと同年代だとつい勘違いしてしまうんだよね。

「まあ、そこはお前達の頑張り次第だ」
「良し! 皆やろうぜ! コアモンスター狩りじゃあ!」

 勇んで、前方の森に単独で突っ込んでいく豪山パイセン……。

「ウオオオオおおおおおおおおっ!」

 雄たけびと共にコアモンスターの断末魔や何やら砕かれた破壊音が聞こえてきますが……?

 えっと……何処かの蛮族かな?

 ……あ、ついでにパイセンの通った木々がメキメキと音を立てて倒れ、ちょっとした小道が出来て来てるんですが……?

「……さて、道は豪山が作ってくれているので優達はそこを通って、死なない程度に開拓を続けてくれ」
「分かりました。では手筈通りに俺と黄雀さんがこの隊の指揮をとりますのでそれでいいんですね?」

「ああ……」

 豪山劇場が進む中、優と瑠璃さんは何やら近くでボソボソ会話しているが?

「では黄雀さん達3期生の皆さん! 豪山先輩に続いて開拓作業を始めましょう! という事で桃井さん俺らも行きましょう」
「うん!」

 優達は豪山パイセンの後を急ぎ足でついて行く。

「無紅君はこっちだ……」
「あ、はい」

 そうか、船内にクロノがいるから……俺は久しぶりのクロノとの再会に胸を弾ませるのだった。
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