実の弟が、運命の番だった。

いちの瀬

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結婚式。

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あれから、またウィルとは会わなくなった。

会わなくなってから3カ月。

もっと会わなかった10年より、
今会わない3ヶ月の方が辛い。

結局、アングレイさんが、なるべく急ぎたい。と言って、結婚はすぐ決まった。

今日は、その結婚式だ。

皆が祝福してくれる中、アビーだけが
終始不服そうな顔をしていた。
理由は知ってる。
それでも、僕はあえてその話題を口にしない。
それを分かってるのか、アビーもその事について触れようとはしない。

目の前で、ウィルが婚約者と
踊っている。

いかにもこの方を愛してます。
って顔で。

堪えようと思ったが、涙が出た。

周りはそれを、嬉し涙だと思ったみたいで、良かったですね。幸せに。
などと、思ってもない事を口にする。

今まで僕をオメガだからと、除け者にしてきたのはどこのどいつだ。
と、口から飛び出そうになるが、
今日の朝、アビーに約束させられた事だけは守る。
「今日、色んな人に色んな事を言われます。絶対我慢して下さい。」

約束はあれから嫌いになったけど、アビーは約束を破らない。信頼してるから、大丈夫だ。

よし、涙は止まった。

結婚式の主催者が、王に挨拶しなくてどうするんだ。
ルカ、頑張れ。

そう自分を戒めて、にこやかにウィル
に近づく。

「ウィリアム・グレイン陛下、
そして、ロレーナ・ガルシア様。
ようこそおいで下さいました。」

ウィルと、その婚約者に挨拶をする。

「あら、ルカ・グレイン様?
これから私はルカ様の義妹になるのですから、どうか、親しみを込めてローラと呼んでください。」

美しく、聡明な方だ。
家柄も良い。
ウィルとお似合いだ。

「そうですか。では、ローラと呼ばせてもらいますね?でも、私だけローラでは、割に合わない。せめて、私の事は、ルカ、と。呼んでください。」

美しい未来の王妃は、

「わかりましたわ」

そう言うと、ふわり。と微笑んだ。
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