実の弟が、運命の番だった。

いちの瀬

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番外編

エドside

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俺の名前は、エルド・レイデス。

俺の幼なじみは、一国の王の癖して、
ヘタレだ。

俺はもともと、騎士だった。王を護る、近衛騎士。

いや、その前は使用人と、デブ宰相の間に出来た子供だった。
簡単に言えば、愛人の子ってやつ。

難しく言えば、うん?なんだ?

俺は難しいことを考えると、頭が痛くなる病気なんだ…!!

あいつにはいつもアホって言われるけど……。

なんか落ち込むなぁ。因みに俺はアホなんかじゃない…………………………はずだ。

学生時代のテストだって、いつも2位だった。1位は勿論あいつ。憎ったらしい幼なじみのウィルだ。

ムカつくが、あいつはなんでも出来る。だから、いつも2位で満足してたのに、それを聞いたらあいつは、

だからお前はアホなんだ。

って…。なんじゃそりゃ!!

でも、そんなあいつにも、唯一弱点がある。あいつの大事な大事な兄様だ。

あいつの兄の噂は、遠く離れたリガロという小さな国にまで伝わっていると言う。

それ程美しく、天使を通り越して、天から舞い降りた、天女のようだ。とよく言われている。

一度この目に写してみたいものだ。

と何度思ったことか。

そして、俺があいつの目の前で、天女の話をすると、あいつはすぐ怒る。

あいにく俺は、6歳の頃からあいつと一緒に過ごしてきた。あいつの沸点くらい、簡単にわかる。

あいつは、

お前、いい加減天女様に会わせろよ。

この一言で、すぐ怒る。

意味はわからないが、効果はばつぐんだ。

そんなウィルが、ある時からしょぼくれながら学校に通っていた。

どうしたんだ?

と俺が聞くと、どうやら天女様は、オメガであるが故に、アルファのウィルから遠ざける為に宮殿から遠く離れた離宮へと移されるらしい。

悲しそうな顔で、兄様……。と呟くウィルに、俺はこう告げた。

「じゃあさ、約束すればいいんじゃねえの?話を聞く限り、天女様はすげえ優しそうだし、約束は守りそうだ。お前が上目遣いで、結婚してえ~兄様ぁ~とか約束すれば、了承してくれんだろ。そんで、お前はその期限までに力をつけて、王へとのし上がればいい!!おおーー!!俺ってば、天才かもしれない!」
 
「「………………………………。」」

「…………………………おい黙るなよ。俺が頭おかしいやつみたいだろ。」

「……………………………………………………………ソウデスネ。」


ごほんっ!

ウィルはどこぞのおっさんみたいな咳払いをした後、

「まあ…お前のその考えは褒めてやる!早速その約束とやらを実行して来る!!教師には、俺は今日、大事な会議がある。と伝えておけ!」

と偉そうに言い放って教室を出ていった。

仮病ならぬ仮会議かよ。ずるっ!
いいなあ。王様は……。

俺のその提案が、後々、この国の貴族の頂点に立つ二人の男の運命を変えるとは、まだ誰も気づかない。



あれ?ウィルがヘタレって話と、俺の秘書になった話ってどこいったっけ。






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