実の弟が、運命の番だった。

いちの瀬

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懐かしの王宮

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その後、僕は城まで運ばれた。

フォスカの屋敷から逃げたはずなのに、何故か王宮に運ばれた。

もしかしたら、逃げ出したことで何か罪にでもなるのだろうか?

世界で一番愛しいウィルに罪を言い渡されるのだろうか。

ああ、それもいいかもしれないな。

ウィルとまた会える。

そう思ったら、自然と胸が高鳴った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガタンッ

馬車が大きく揺れたあと、長い間ずっと続いていた小刻みな揺れが収まった。

「ルカ様、お降りください。」

もう着いてしまったか…。

「あ、はい。」

緊張のあまり何故か従者に対して敬語になってしまった。

先に降りていたらしいアビーが馬車の外から手を差し出す。

「ルカ様。何もされていませんか?」

「うん。大丈夫だよ。」

「そうですか。…よかった。安心しました。」

馬車を降りた僕達は、10年ぶりに王宮に招き入れられた。

僕が12歳の頃には、オメガだからという理由で離宮に隔離されていたから、離宮よりも遙かに大きな王宮を目の前にすると、懐かしさよりも場違いじゃないか。とか、こんなとこに僕が入っていいのか。とか考えてしまって、緊張で足がすくむ。

「ルカ様?」

「……うん。よし。行こうか」

案内された王宮は、案外小さいな。と感じた。

昔は子供だったし、もっと大きく見えてたのかもしれない。

それでも、何日かしかいなかったフォスカの屋敷よりは何倍もあって、昔はここに住んでいたはずなのに、ものすごく怖かった。

王の間に案内されたけど、一番高いところにあるおっきな椅子にはまだ誰も座ってなくて、ウィルに物凄く会いたかったはずなのに、ウィルがまだ来ていないことに安心感を覚えた。

ここまで案内してくれた人達は、着いた途端ささっ!ってどっかに行って、ついでにアビーも連れてった。

アビーは抵抗してたけど、これも王の命ですから。ってその人達が言った途端、抵抗をやめて一緒に行っちゃった。

だから、ウィルが来たら僕はウィルと2人きりで話すんだろうな。と思うと、ものすごく緊張した。

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