異世界最強禁術魔法使いはチート能力で世界各地で大暴れして自分だけの闇の組織を作っていく〜

海坂キイカ

文字の大きさ
15 / 30
村編

復興とこれから

しおりを挟む
 家に帰るとエイラはおじさんとおばさんの介抱を一生懸命していた。だからみんなの状態が良くなるまで少し待った後、リザちゃんの話を元にあそこで起きた事を伝えた。

当然みんな驚いていたし悲しんでいた。
しかしあの問題は自分達だけでは無い。

村全体の問題なのだ。
家族を知らぬ間に失った人もいる。

だからこの事を村中に知らせると、そこから数日間の間、村全体で大規模な葬儀や追悼式が行われた。

幸い俺たちは誰も失ってはいないが、リザちゃんはあの宗教によって祖父母も両親も喪った。

彼女の痛みは計り知れないだろう。
自分もこの村の両親を亡くしていたが、もし俺が前世の記憶がないままだったらどうなるか分かったものでは無い。

そして何より彼女は行く当てを失った。
だからおじさんとおばさん、エイラと俺の全員一致の意見で、この家に住ませようという事になった。

これで彼女もスティン家の新しい一員だ。
俺も居候の身ではあるが。

彼女にその事を伝えたらとても喜んで、これからよろしくお願いします!!

と、みんなに言っていた。

とても可愛いかった。
そして何より、

よぉ~~し、これでリザちゃんのお風呂にお邪魔できるぞぉ~~!!

なんて邪な考え事も頭によぎったが辞めておいた。…いつかやりたい。

△△△△

それから3週間後。

時刻は10時。
俺の部屋に5人が集まっていた。

メンバーは俺とエイラとリザちゃん。
そして2体のアンデッドである。

これから会議が始められようとしていた。

「では、これから第2回ブラック・ヴァルキリーによる会議を始める。会議長は組織の創立者たるこの私、蒼翠のフェンリルが担当する」

俺は人ができる最高のカッコ良さの限界点に昇り詰めるような仕草と声を使って、開幕の宣言をする。

他から見てカッコいいかはさておき、これはなかなかに裏の支配者としてのポイントが高い演技だ。

グリフィンドールに10点。

「開幕早々だがエイラ、お前に新顔を紹介する。リザ、自己紹介を」

「私の名前はリザ・ルーンと申します。
これからよろしくお願いします、フェンリル様、エイラさん」

リザちゃんは丁寧に頭を下げた。
しかしエイラは渋い顔をする。

「――いや…別によろしくも何も、さっき部屋に入る時リザとは一緒に入ってきたし、なんなら一緒に住んでるのよ…」

エイラは的確なツッコミを入れる。

なんでリザはそんな早く適応してるのよ…。

エイラはそう思う。
むしろこの会に慣れていないのはエイラの方だった。

それは言わないお約束でしょ?
俺は心の中で呟く。

闇の集会がお遊戯会みたいな事になってはいけないのである。

「それで今日の議題だが、まず初めに先日の謎の宗教との一件を話そう。あの時は諸君らのお陰で連中を殲滅することが出来た、非常によく働いてくれた、感謝する」

俺は頭を下げないでそう言う。

そう、これが闇の支配者の感謝の仕方だ。
たとえ自分が悪かった、もしくは味方の活躍があったとしても、簡単に頭を下げない。

頭を下げる回数が多いほど格式が高い者はその高貴さを失っていくのである。
特に王が頭を下げれば他の者に軽んじられる。
国民から慕われる王様は必要だが、それでも舐められてはいけないのだ。

なぜ自分がこんな事を言えるのか、それはライトノベルでそのようなことが書かれていたからだ。

ペコペコ頭を下げるのは日本人の悪い癖だ。

……とは言いつつも、前世での石田圭は何かにつけて頭を下げていた思い出がある。

それは多分気のせいだろう…。
そうであって欲しい……。

「それについてお前たちに褒美をやろう。
2人とも前に来い」

上座のジークから見て、左右の椅子に座っていた2人はこちらへと近寄ってひざまづいた。

「まずはエイラだ。お前にはこれを与えよう」

後ろのスケルトンが漆の板を差し出してくるので、そこから目的のものを手で持った。

「お前に似合った真紅の宝石のネックレス。
受け取るがいい」

鮮血が固まって結晶になったようなそれは、見る者の心を奪うように輝く。

そしてそれを跪いている彼女の首にかけた。
赤髪のエイラには非常に似合っている。

「あ、ありがとう。
じゃなくて…ありがとうございます」

それから彼女は、"うそ、こんなものいいの…?"

と、呟いていた。

これは一週間ほど前に自分だけで街へと赴いて買ってきた品だ。中々に高かったがそれでも安物を二人に渡す訳にはいかないので手持ちで奮発したものだ。

そんなお金どこにあったのかと言われると、実は畑仕事や農作業でおじさんからお駄賃という名の給料を貰っているだ。旅立ちの資金であり、あんまり多くは使えないが、それでも案外余裕があった。

「次にリザだ。
よく頑張った、そしてこれからもよろしく頼むぞ」

ふたたびスケルトンから品物を受け取る。

「右手を出してくれ。
…‥これで良しだ」

リザちゃんの人差し指に指輪をはめた。
薄暗い空間の中でも指輪は黄色に輝いているようにみえる。

ちなみに左手に嵌めなかったのは勘違いされると思ったからだ。

「あ、ありがとうございます!
おにい、じーく…フェンリル様!!」

何度も言い間違えていたが、聞かなかった事にしよう。

裏の支配者は寛容なのだ。
何事にも動じずあるがままを受け入れる。
それでこそ真の支配者。

だから彼女が左手の薬指に指輪をはめ変えていたのも見なかったことにしよう……。



………。



で、できるぁ!!

なんでそこに指輪嵌め直してんだよ!!
おじさんとかに見つかったらどう言い訳すんの!?俺たち結婚しましたとか言うの!?
おじさんドン引きするよ!?
てか結婚したらおせっせもいいよねぇ!?
今日の夜襲いに行っちゃうからね!?
カルト宗教の神よりも恐ろしい性欲宗教の神が襲いに行っちゃうよ!?

なんて淫らな妄想をしていたジークは咳払いを一つして気分転換を図る。

やばいやばいこんな事を考えては闇の支配者としては失格だ、うん。

「とにかく良く頑張った。
お前たちには非常に期待している。
今後ともよろしく頼むぞ」

「「はいフェンリル様!!」」

エイラの野郎、こんな時だけフェンリル様って言いやがって全く都合の良い奴だ。

そんな事を思ったりもした。

△△△△

なんだかんだでその後も話が続き、やっと会議が終わった。

今この部屋にいるのは主たる自分だけだ。

「お前らも下がれ」

両手を叩く事でスケルトン2体を消滅させる。

暗闇の中、ペンダントを付けた自分は輝きながら、今度の展望について一人考える。

はてさてどうするか?
組織は成り立ったものの戦力不足は否定できない。この村を出る前に出来るだけ準備した方がいいことは間違い無いんだが…。

組織としての大きな課題は現在二つある。

一つ目は組織員の少なさ。
リーダーである俺を除けば二人しか組員がいない。これはかなり少ない、いや少なすぎる。
これからいよいよ世界を裏で牛耳ろうとする時に、組織数がこんな有様では世界を股にかける事など不可能。

しかしこれには少なからず解決策がある。
自分がアンデッドを召喚できる以上、その役割分担をアンデッドに任せる事が出来るのだ。

それにこの問題は村を飛び出したら考えればいい。なんたって新天地で組員をスカウトすればいい話である。

それよりも問題は二つ目だ。

それは個としての弱さ。
正直、この組織は九割型俺の力で成り立っている。俺がこの組織から抜けたり、やむ終えず組織から離れた場合、組織は崩壊してしまう。

こんなのは組織とはいえない、個人だ。
だからそうならないためにもあの二人を鍛えるのは必須事項である。

しかしいつからあの二人を鍛えるか…。
思い立ったら吉日って言うし、明日とか丁度いいかもな。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜

昼寝部
ファンタジー
 2XXX年、X月。  俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。  そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。  その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。  俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。  これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

テンプレ最強勇者に転生したら魔女が妻になった

紡識かなめ
ファンタジー
七つの大陸、それぞれを支配する“七大魔女”── 魔力あふれる世界《アルセ=セフィリア》は、魔女たちによる統治と恐怖に覆われていた。 だが、その支配に終止符を打つべく、一人の男が立ち上がる。 名はルーク・アルヴェイン。伝説の勇者の血を引く名家の出身でありながら、前世はただの社畜。 高い魔力と最強の肉体、そして“魔女の核を斬ることのできる唯一の剣”を手に、彼は世界を平和にするという使命にすべてを捧げていた。 ──しかし、最初に討伐した《闇の魔女・ミレイア》はこう言った。 「あなたの妻になります。魔女の掟ですから」 倒された魔女は魔力を失い、ただの美少女に。 しかもそのまま押しかけ同居!? 正妻宣言!? 風呂場に侵入!? さらには王女や別の魔女まで現れて、なぜか勇者をめぐる恋のバトルロイヤルが始まってしまう!

処理中です...