異世界最強禁術魔法使いはチート能力で世界各地で大暴れして自分だけの闇の組織を作っていく〜

海坂キイカ

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ブルーパレス・犯罪組織編

夜襲

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 夜の街路に一人の女性が歩いていた。
背が高く麗しい見た目をした彼女は月明かりを受けてその髪が金にも銀に見える。

そう、その正体はリエルであった。

リエルが歩いている場所はブルーパレスの中心から離れた民家の通り。

と言ってもここはかなり静かだ。

それもそのはず、ここは灯りになる魔道具やランプも点ける余裕が無いようなあまり裕福では無い者達が密集した地域だ。

聞こえる音は自分の足音だけ。

――そんな中。

「キャァー!助けて!」

静寂を切り裂くように女性の悲鳴が遠くで聞こえた。

なんだ!?

リエルは驚く。
が、その声を待ち構えてこの通りを歩いてもいた。だからすぐに現場へと急行していく。

△△△△

暗い街路に三人が歩いていた。
一人は女性、そしてもう二人は男性だ。

一人の男性が先導する形で二人はその後に着いていくように歩いていく。

しかしそれは異常だった。
何故ならもう一人の男性は女性の両腕に鎖をつけて強引に引きずるように歩いている。

そして彼女こそ悲鳴を上げた張本人だった。

事態は遡ること数分前。
女性が家にいると突然怪しい二人組の男達に連行され、なすすべなく捕まった。
そして鎖で繋がれ今に至る。

彼女は助けを求めて何度も叫んでいた。
しかし誰も来ない。彼女が住んでいるように、この付近には住宅がちらほらとある。
それでも誰も来ないのだ。

では自力で逃げれるかというと、彼女の両腕には手錠が掛けられた上で鎖に繋がれているので、一人での逃走は至難の業である。それが女性であれば尚更だ。

女性を強引に引きずる男は嗤う。

「へへっ大丈夫だぜ。どうせこの辺りにこいつを助けてくれる奴なんざいねーんだ」

男は知っている。
彼女に助けが来ない事を。

例え街を警備している衛兵や市民が発見したとしても彼女を助ける事はないだろう。
なぜならこの街の衛兵や周囲の市民がグルだからだ。衛兵やこの街を管理している者たちには我々デス・フォールの裏金が回されており、辺り一体の市民にも金をばら撒いておとなしくさせている。

つまり誰も助けに来ない。

まったく…バカな連中だ。
金銭欲に目が眩んで隣人までも差し出す住民ども。いつか回ってくるであろう自分達の番とは知らずにせいぜい喜んでいるといい。

まぁそれも仕方がないことだと男は思っている。

ここ一帯は貧民街のようなものであり、金を欲した獣たちが住んでいる。例え身の回りに不幸が降り掛かっていようとも、金さえ貰えれば連中は何も言わないのだ。

貧困に苛まれていたら自分だってそうする。
腹が減って食い物の事しか頭にないような人間が目の前に落ちていたパンを人のものだから食べてはいけない!などと思わないように、下らない正義感では生きてはいけない。

連中が無視することは至極当然のことなのだ。

しかし。

「そこまでだ!」

本来なら向けられないような台詞が自分達に掛けられた。

「あーーん…?」

鎖を持った男は後ろを振り返る。

なんだこいつ?

そこには騎士が着るような服を身にまとった銀髪の女がいた。

「誰だおめ~?」

先導していたもう一人の男がそう言う。

「…ふん。
貴様ら程度に語る名などない」

月明かりを反射するような銀髪をかき上げる。
次の瞬間、彼女は瞬足の速さで移動していた。

狙いは鎖の男。
そして自慢のレイピアで一閃。
鎖を持っていた男の腹部が貫かれた。

「……なんだ?」

腹部が貫通した男は気付いてすらいない。
そして訳も分からず倒れた。

「な、なんだお前!?」

もう一人の男が焦るように慌てて剣を取り出す。

目の前の女は月明かりを後光のようにして輝く。こんな女は見たことがない。
一体何者だというのか。

「し、死ねぇ!」

少し怖気付きながらも目の前の女に向かって男はがむしゃらに走り出す。

先程はよく分からない剣技で仲間が倒れた。
タネの正体が分からない以上、ここは受け身になるのは危険だ。

その判断は正解。
彼女に背を向ける事は一瞬で貫かれる事になるのだから。

ただその正解の答えも一つ問題があった。
彼女にとって彼は遅すぎたのだ。

「その程度で人攫いなどするのか」

「ぐはぁ!?」

またもや一瞬だった。
彼女は瞬く間に接近すると、今度はレイピアによる無数の刺突で男の体に風穴を開けていく。

男は十の字で倒れた。

「弱いな」

彼女は捨て台詞のように転がった男に向かって言うと、手錠が繋がれている女性の下へ急いで向かう。

「大丈夫か!?」

「大丈夫です。
助けてくださってありがとうございます」

よほど恐ろしかったのか助けられた彼女は涙ながらにそう言ってきた。

「良かった。
ここは危ない、早く離れ…」

リエルは最後まで言い切ることができない。
なぜなら途轍もない気配が近づいて来たのだ。
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