81 / 88
4
神々の戦い
しおりを挟む
「ミーちゃん、来るっ!」
「わかっとるわい!」
叫んだのは、ナキの能力・心眼「テレパス」で得た思考をシンクロするさや。
同じく、リリスの能力「エージェント」の発動直前の違和感を感じ取れるミーもまた、攻撃のタイミングを把握していただろう。
俺が気付いた時には、ミーはさやを抱きかかえて、超高層ビルの屋上を見下ろしていた。
つまり、さっきまでいたテラスから上方向へハイジャンプしてとんでもない高さまで浮き上がり、上空で滞空中だったのである。
東京タワーから見下ろせば、確かこんな景色だったような気がする。平常時に見れば素晴らしいと思えるはずの夜景が眼下に広がっていた。
ただし、景色が素晴らしく見えるのは、あくまで自分が生きて帰れる安全な状況にいるからだろう。
今はミーがジャンプしただけの状態。なんの安全措置もない。このまま落ちれば、ビルの屋上に叩きつけられて死ぬのは間違いない。
「ひっ……」
さやが小さく呻いて、
「くっ」
それと同時にミーが妙な声をあげる。
「どうしたのっ!?」
「かすったわ」
遠くのほうから、ダダダダ、という連射銃撃の音が聞こえる。リリスとの距離はかなり離れていたから、音が少しだけ遅れて聞こえていたのだ。下方向を見たミーの視界、夜景が織りなす光の群れの中に、キラキラと輝く光の塊──つまりリリスが見えていた。
「しっかり掴まっときや!」
「ひいいっ」
さやをお姫様抱っこするミーは、超高層ビルの屋上に向かって自然落下した。高さで言うと二〇メートル以上はありそうな距離を、どんどん加速しながら落ちる。さやの視界は閉じられていた。
「手はあんま強うないから、おんぶかな」
そう呟いたミーは体勢を変更する。空中で、さやをうまいこと操ってヒョイっと動かし、
「どりゃっ」
「ぐえっ」
がっしりと安定感のある着地を敢行。どうやらミーは、超高速で動き回るイダテン能力の影響で、移動に必要となる身体強度が飛躍的に高まっているようだった。
ミーはイダテン様だから平気なのかもしれないが、さやは着地の衝撃で、内臓が出そうな声を出す。
着地後、間を置かずに超加速。屋上を瞬足で走り抜けて反対側の柵を飛び越え──。
「いやあああああっ!」
さやの絶叫とともに、またもや眼前には芸術的な夜景。理路整然と並ぶ窓の光が、視界を共有しているだけの俺にも鳥肌を立たせる。
ミーは、地上三〇階はありそうな超高層ビルの屋上から何のためらいもなく飛び降りた。ビルの外壁沿いに落下する二人の視界の中で、無数の窓が高速で上方向に通り過ぎていく。
「ミーちゃんっ! あいつ、どっかから……」
「さやっ、あっち、防御っ!!!」
加速しながら墜落する最中、ミーは指差しながら、さやに合図した。
ミーとさやの視界の中、落ち続ける二人の水平方向──およそ一〇〇メートルは離れた位置に、翼の生えた光る人間が。
「うああああっ!」
叫ぶさやの真正面が光で満たされた。
リリスとの間に張った光のバリア。具現化されたさやのスターバレットがリリスの銃撃から二人を護る。
タタ、と二、三発程度の銃声。
ふと気づくと、光の壁に無数の穴が空いていた。
「げっ! すっごい厚めに具現化したのに、あんな短い銃声で穴だらけ!」
「あいつ、時を止めるからな。その間にも撃っとったんやろ」
「知ってるよ! それを聞いてたから厚めに作ったのに……このやろっ」
五秒間のうち、一秒間だけ時を止めることができる、リリスの能力「エージェント」。
さやは、すぐさまリリスに向かって光弾を撃ち込み反撃を試みる。
リリスは真横方向へ素早く飛んで回避行動を取り、さやは追撃するようにリリスを連射で狙い撃った。光弾の列がリリスに向かって、まるで光線のように連なっていく。
「そうか」
「そやな」
二人は、一言だけ発して何やら同意した。
と、何気に下方向へ視線をやったさや。落下地点がもうすぐそこに迫っているのに気が付く。
「って、ミーちゃん、この落下距離でも着地できんのっ??」
「わからん」
「えええええっ」
さやは目を閉じた。
ミーは、目をそらすことなく落下方向へ視界を固定する。ビュウビュウと通りすぎる風の音は、速度が増すほどに大きくなっていた。
「できる。できる、できる」
呟くようなミーの声。
「やれる。大丈夫。バネ。滑らかに、」
スウっ、と大きく息を吸い込み、
ダアンっ!!
自動車が壁に衝突したかのような大音響とともに、ミーの視界に映る着地点のコンクリートは、ミーを中心としてまるで蜘蛛の巣のようにヒビが入った。
「さや。大丈夫か」
「いつつ……まあ、何とか。さっきの屋上の時より遥かに高かったのに、なんで大丈夫だったの?」
「さすがに一人背負ってこの高さは限界ギリギリやな。そやけど、できちゃうところが、やっぱ才能やな」
「自信過剰女……上っ!」
さやの声に合わせて、ミーは瞬間的に水平方向へ動く。
直後に鳴る、バラバラという破壊音。
さっきまで二人がいた位置に、まるで雨のように銃弾が降り注いだ。
ミーはビルの中に入り、閉じられたガラスの扉を、剣と蹴りでガンガン破壊して進む。
やがて、大きな吹き抜けに辿り着いた。ここでミーは、さやを背中から下ろす。
「さや。ここで別れるで」
「そうだね。気をつけるんだよ」
「ふん。誰に言うとんねん、」
「ボケ! ……でしょ?」
向かい合わされた二人の顔。
ふっ、と口元を緩ませるミーは、すぐさま神速を発揮して元の方向へ駆けていった。
さやの視界は、ビルの中を走っていく。ミーの視界は、ビルから出てリリスの姿を探しているようだった。
どうして、二手に別れたのだろうか?
俺は不思議だったが、しかし二人はほとんど言葉を交わすことなく、ゼウスでの会話もせず、完全に同意していたのだ。
さやはナキの能力「テレパス」が効いているから、リリスの接近には前もって対処できるだろう。その上、スターバレットで防御も可能だ。
でも、ミーは違う。リリスの攻撃を防御することもできないし、敵の位置も感知できない。
だから、俺は心配になってミーの視界を追った。
ミーは、ビルの外にある道を走っていた。
目にも止まらぬ速さでビルの側面にある歩道上を駆け抜ける。ミーはそのまま、ビルに沿って直角に曲がろうとした。
と、真正面、サブマシンガンの銃口を真っ直ぐにミーへ向けて宙に浮かぶ天使の姿が。
フルブレーキをかけたミーは靴から煙を立たせ、さっき通り過ぎたビルのかげへと瞬間的に飛び戻る。サブマシンガンの弾はミーの残像を撃ち抜いた。
「ブンブンと鬱陶しい。飛び回るだけなら蝿と変わらんぞ」
見下すリリスのセリフをよそに、ミーはビルのかげに入った直後に水平移動を止め、ビルの外壁沿いに垂直方向へと飛んでいた。ジャンプの推進力と重力が拮抗して、一〇メートルほどの高さでミーの視界は上昇を停止する。
ゆっくりと落下を開始したミーの直下に、瞬間移動をしてきたかのようにリリスが突然姿を現した。奴は、ミーの姿が見当たらずキョロキョロとする。
つまり、リリスは時を止め終わった直後。奴が一秒間のゴールデンタイムを使い切っていれば、ここから四秒間、奴は「エージェント」を発動することができない。
ミーは、落下しながら猛烈な勢いで前転し始める。そのまま、縦回転と落下の力を利用し、リリスへ向かって真っ直ぐに剣を振り下ろす。
「ぐっ……!!!」
「よん」
キャイイン、と鳴る、互いの武器の音。
ギリギリのタイミングでリリスは上空からの奇襲へ対応した。
が、受けきれず、体勢を崩す。
ミーは着地と同時に連撃を開始。片手剣で防御するリリスを、両手で握ったミーの剣が押していく。一秒にも満たない僅かな時間に、キン、カン、という金属音が三、四回は聞こえていた。
「さん」
逆袈裟に斜め下から斬り上げる。
弾かれたリリスの剣は頭上高くに跳ね上がり、ミーの視界は、黄金色に輝くリリスの瞳を真正面から捉えていた。逆袈裟から、流れるように渾身の袈裟斬りへと繋げる。
「にっ」
直撃したかと思われた瞬間、僅かにリリスの身体がブレて、致死の斬撃は間一髪で身体を反らして回避されたいた。
ほとんどワープするかのような動き。きっと、エージェントの発動時間を残していたのだろう。
渾身の一撃はかわされたが、ミーは空振った袈裟斬りの勢いを利用して回転連撃を狙った。
大きく身体を反らしたリリスは体勢を戻すことができていない。しかし、回転を開始したミーの視界の端に、サブマシンガンを向けるリリスの姿が────
「いち!」
回転斬りをすんでのところで取りやめて、ミーはとっさに身体をひねる。
胸をかすめる弾丸の群れ。ミーは、残った回転の勢いを活かして回し蹴りをリリスの横っ腹へ叩き込み、同時に現場を離脱した。
「やっぱ強っ。なかなか……」
隣のビルのかげに入り、乱れた息を整えるために少し休むミー。そこへさやが通信する。
「大丈夫?」
「ああ、手強いわ。一秒間しっかり時を止めてくれたらええんやけどな」
くくく、とミーは漏れ出るような笑いをする。
「ほんま、紙一重やな」
「……言わなくても伝わってるよ。あなたのイカれ具合は」
戦いを楽しむかのようなミーの態度。
中原と同じく、どうやらこいつも戦闘種族だったらしい。
「わかっとるわい!」
叫んだのは、ナキの能力・心眼「テレパス」で得た思考をシンクロするさや。
同じく、リリスの能力「エージェント」の発動直前の違和感を感じ取れるミーもまた、攻撃のタイミングを把握していただろう。
俺が気付いた時には、ミーはさやを抱きかかえて、超高層ビルの屋上を見下ろしていた。
つまり、さっきまでいたテラスから上方向へハイジャンプしてとんでもない高さまで浮き上がり、上空で滞空中だったのである。
東京タワーから見下ろせば、確かこんな景色だったような気がする。平常時に見れば素晴らしいと思えるはずの夜景が眼下に広がっていた。
ただし、景色が素晴らしく見えるのは、あくまで自分が生きて帰れる安全な状況にいるからだろう。
今はミーがジャンプしただけの状態。なんの安全措置もない。このまま落ちれば、ビルの屋上に叩きつけられて死ぬのは間違いない。
「ひっ……」
さやが小さく呻いて、
「くっ」
それと同時にミーが妙な声をあげる。
「どうしたのっ!?」
「かすったわ」
遠くのほうから、ダダダダ、という連射銃撃の音が聞こえる。リリスとの距離はかなり離れていたから、音が少しだけ遅れて聞こえていたのだ。下方向を見たミーの視界、夜景が織りなす光の群れの中に、キラキラと輝く光の塊──つまりリリスが見えていた。
「しっかり掴まっときや!」
「ひいいっ」
さやをお姫様抱っこするミーは、超高層ビルの屋上に向かって自然落下した。高さで言うと二〇メートル以上はありそうな距離を、どんどん加速しながら落ちる。さやの視界は閉じられていた。
「手はあんま強うないから、おんぶかな」
そう呟いたミーは体勢を変更する。空中で、さやをうまいこと操ってヒョイっと動かし、
「どりゃっ」
「ぐえっ」
がっしりと安定感のある着地を敢行。どうやらミーは、超高速で動き回るイダテン能力の影響で、移動に必要となる身体強度が飛躍的に高まっているようだった。
ミーはイダテン様だから平気なのかもしれないが、さやは着地の衝撃で、内臓が出そうな声を出す。
着地後、間を置かずに超加速。屋上を瞬足で走り抜けて反対側の柵を飛び越え──。
「いやあああああっ!」
さやの絶叫とともに、またもや眼前には芸術的な夜景。理路整然と並ぶ窓の光が、視界を共有しているだけの俺にも鳥肌を立たせる。
ミーは、地上三〇階はありそうな超高層ビルの屋上から何のためらいもなく飛び降りた。ビルの外壁沿いに落下する二人の視界の中で、無数の窓が高速で上方向に通り過ぎていく。
「ミーちゃんっ! あいつ、どっかから……」
「さやっ、あっち、防御っ!!!」
加速しながら墜落する最中、ミーは指差しながら、さやに合図した。
ミーとさやの視界の中、落ち続ける二人の水平方向──およそ一〇〇メートルは離れた位置に、翼の生えた光る人間が。
「うああああっ!」
叫ぶさやの真正面が光で満たされた。
リリスとの間に張った光のバリア。具現化されたさやのスターバレットがリリスの銃撃から二人を護る。
タタ、と二、三発程度の銃声。
ふと気づくと、光の壁に無数の穴が空いていた。
「げっ! すっごい厚めに具現化したのに、あんな短い銃声で穴だらけ!」
「あいつ、時を止めるからな。その間にも撃っとったんやろ」
「知ってるよ! それを聞いてたから厚めに作ったのに……このやろっ」
五秒間のうち、一秒間だけ時を止めることができる、リリスの能力「エージェント」。
さやは、すぐさまリリスに向かって光弾を撃ち込み反撃を試みる。
リリスは真横方向へ素早く飛んで回避行動を取り、さやは追撃するようにリリスを連射で狙い撃った。光弾の列がリリスに向かって、まるで光線のように連なっていく。
「そうか」
「そやな」
二人は、一言だけ発して何やら同意した。
と、何気に下方向へ視線をやったさや。落下地点がもうすぐそこに迫っているのに気が付く。
「って、ミーちゃん、この落下距離でも着地できんのっ??」
「わからん」
「えええええっ」
さやは目を閉じた。
ミーは、目をそらすことなく落下方向へ視界を固定する。ビュウビュウと通りすぎる風の音は、速度が増すほどに大きくなっていた。
「できる。できる、できる」
呟くようなミーの声。
「やれる。大丈夫。バネ。滑らかに、」
スウっ、と大きく息を吸い込み、
ダアンっ!!
自動車が壁に衝突したかのような大音響とともに、ミーの視界に映る着地点のコンクリートは、ミーを中心としてまるで蜘蛛の巣のようにヒビが入った。
「さや。大丈夫か」
「いつつ……まあ、何とか。さっきの屋上の時より遥かに高かったのに、なんで大丈夫だったの?」
「さすがに一人背負ってこの高さは限界ギリギリやな。そやけど、できちゃうところが、やっぱ才能やな」
「自信過剰女……上っ!」
さやの声に合わせて、ミーは瞬間的に水平方向へ動く。
直後に鳴る、バラバラという破壊音。
さっきまで二人がいた位置に、まるで雨のように銃弾が降り注いだ。
ミーはビルの中に入り、閉じられたガラスの扉を、剣と蹴りでガンガン破壊して進む。
やがて、大きな吹き抜けに辿り着いた。ここでミーは、さやを背中から下ろす。
「さや。ここで別れるで」
「そうだね。気をつけるんだよ」
「ふん。誰に言うとんねん、」
「ボケ! ……でしょ?」
向かい合わされた二人の顔。
ふっ、と口元を緩ませるミーは、すぐさま神速を発揮して元の方向へ駆けていった。
さやの視界は、ビルの中を走っていく。ミーの視界は、ビルから出てリリスの姿を探しているようだった。
どうして、二手に別れたのだろうか?
俺は不思議だったが、しかし二人はほとんど言葉を交わすことなく、ゼウスでの会話もせず、完全に同意していたのだ。
さやはナキの能力「テレパス」が効いているから、リリスの接近には前もって対処できるだろう。その上、スターバレットで防御も可能だ。
でも、ミーは違う。リリスの攻撃を防御することもできないし、敵の位置も感知できない。
だから、俺は心配になってミーの視界を追った。
ミーは、ビルの外にある道を走っていた。
目にも止まらぬ速さでビルの側面にある歩道上を駆け抜ける。ミーはそのまま、ビルに沿って直角に曲がろうとした。
と、真正面、サブマシンガンの銃口を真っ直ぐにミーへ向けて宙に浮かぶ天使の姿が。
フルブレーキをかけたミーは靴から煙を立たせ、さっき通り過ぎたビルのかげへと瞬間的に飛び戻る。サブマシンガンの弾はミーの残像を撃ち抜いた。
「ブンブンと鬱陶しい。飛び回るだけなら蝿と変わらんぞ」
見下すリリスのセリフをよそに、ミーはビルのかげに入った直後に水平移動を止め、ビルの外壁沿いに垂直方向へと飛んでいた。ジャンプの推進力と重力が拮抗して、一〇メートルほどの高さでミーの視界は上昇を停止する。
ゆっくりと落下を開始したミーの直下に、瞬間移動をしてきたかのようにリリスが突然姿を現した。奴は、ミーの姿が見当たらずキョロキョロとする。
つまり、リリスは時を止め終わった直後。奴が一秒間のゴールデンタイムを使い切っていれば、ここから四秒間、奴は「エージェント」を発動することができない。
ミーは、落下しながら猛烈な勢いで前転し始める。そのまま、縦回転と落下の力を利用し、リリスへ向かって真っ直ぐに剣を振り下ろす。
「ぐっ……!!!」
「よん」
キャイイン、と鳴る、互いの武器の音。
ギリギリのタイミングでリリスは上空からの奇襲へ対応した。
が、受けきれず、体勢を崩す。
ミーは着地と同時に連撃を開始。片手剣で防御するリリスを、両手で握ったミーの剣が押していく。一秒にも満たない僅かな時間に、キン、カン、という金属音が三、四回は聞こえていた。
「さん」
逆袈裟に斜め下から斬り上げる。
弾かれたリリスの剣は頭上高くに跳ね上がり、ミーの視界は、黄金色に輝くリリスの瞳を真正面から捉えていた。逆袈裟から、流れるように渾身の袈裟斬りへと繋げる。
「にっ」
直撃したかと思われた瞬間、僅かにリリスの身体がブレて、致死の斬撃は間一髪で身体を反らして回避されたいた。
ほとんどワープするかのような動き。きっと、エージェントの発動時間を残していたのだろう。
渾身の一撃はかわされたが、ミーは空振った袈裟斬りの勢いを利用して回転連撃を狙った。
大きく身体を反らしたリリスは体勢を戻すことができていない。しかし、回転を開始したミーの視界の端に、サブマシンガンを向けるリリスの姿が────
「いち!」
回転斬りをすんでのところで取りやめて、ミーはとっさに身体をひねる。
胸をかすめる弾丸の群れ。ミーは、残った回転の勢いを活かして回し蹴りをリリスの横っ腹へ叩き込み、同時に現場を離脱した。
「やっぱ強っ。なかなか……」
隣のビルのかげに入り、乱れた息を整えるために少し休むミー。そこへさやが通信する。
「大丈夫?」
「ああ、手強いわ。一秒間しっかり時を止めてくれたらええんやけどな」
くくく、とミーは漏れ出るような笑いをする。
「ほんま、紙一重やな」
「……言わなくても伝わってるよ。あなたのイカれ具合は」
戦いを楽しむかのようなミーの態度。
中原と同じく、どうやらこいつも戦闘種族だったらしい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる