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私は町を目指して歩いた。みんなと歩いていた時には思わなかったのに、1人になると急に、纏わりつく砂が憂鬱に感じた。町までの道のりも、果てしなく長いように感じる。
これから先、帰る場所も、行くあてもないのに、シンのせいで死ぬことも出来ない。早くシンに会って返さないと。恨めしく思いながらも、今は彼の為に生き延びなければならないのだ。このことをルーナが知ったらどう思うだろう。
フードを深く被り、ひたすらに歩き続けた。
夜になる前に、町に着くことが出来た。この町は砂漠へ向かう途中にある最後の町で、たくさんの商人や旅行者が立ち寄り、宿を利用する。その為昼も夜も賑やかで、眠らない町と呼ばれている。今の私にはとても有り難かった。
シンに言われた通りに、人の多い場所で待つことにする。室内だと逃げ場がないので、出店が並ぶ広場の端に置いてある椅子に座った。
シンはどれくらいでここに来るだろう。来る前に捕まってしまえば私はシンの命を返す事が出来なくなってしまう。どうして彼はこんな馬鹿なことをしたんだろう。腹立たしくて情けなくて、涙が出た。
涙を拭う気力もなくて、ただぼんやりと騒いだり踊ったりする人々を見ていた。
しばらくすると前方から、その賑やかな輪を外れて2人組の男が歩いてくる。柄の悪そうな雰囲気に不安になって、フードをより深く下げた。まさかこんなに早く探しに来るはずはない。大丈夫、大丈夫と言い聞かせる。
椅子の横を通り過ぎて行ったのでほっとしかけた時に、1人が言った。
「あれ?おかしいな。石が光ってる。」
「どういうことです?」
もう1人がそれに答える。
「近いってことだよ。」
背中がひやりとした。心臓が壊れそうに激しく鳴って、できるだけ離れたくて、椅子から立ち上がり早足でその場を離れる。
「おい、そこの!」
急に大声で叫ばれて私の心臓が飛び出るかと思った。必死で足を動かして逃げようとするけれど、人が多くて上手く進めない。やっとの思いで人ごみを抜けて細い道を走った。突き当たりに出た途端に、急に横から腕を捕まれた。
気付けば人通りのない暗い通路で、助けを呼ぶこともできない。咄嗟に魔力を振り絞って、風を起こそうとした。
起こそうとしたけれど、私の腕には魔力封じの鎖が巻かれ、そのまま地面に叩き付けられていた。
「マルクスさんっ!! やり過ぎです!」
後から走ってきた誰かが叫んだ。
「ああ、死なれたら困ると思って焦ったが、杞憂だったようだな。それにしてもどういうことだ? まさか、印に気付いたのか?」
恐くて堪らない。震えながらもシンが近くにいないことを祈った。
「まあいい。1人生け捕り出来たんだ。」
フードを取られ、はっと息を飲むのが聞こえた。
「これは、、信じられない。女だ。おい、マイク!これはかなりの値が付くぞ!早く連れて帰ろう。」
まるで品物の様な言い方だった。恐いけれど、どうすることも出来ない。
「本当に、連れて行くんですか?」
もう1人が言った。
「当然だろう。見てみろマイク、これはすごいぞ。傷は絶対付けるな。」
布の様なものを顔に押し付けられて、私はそこで意識を失った。
目が覚めた時、そこは檻の中だった。布が掛けられていて、外は見えないけれど、僅かな隙間から明かりが漏れていた。腕を見ると、細い鎖が巻き付いている。
これからどんな恐ろしい事が私を待ち受けているのか想像すると、シンにこれを返すことも叶わないように思える。そんな絶望の中でもシンの命を守る為、最後まで堪えねばならないのかと、途方に暮れた。その時、突然誰かが話しかけてきた。
「なぁ、」
これから先、帰る場所も、行くあてもないのに、シンのせいで死ぬことも出来ない。早くシンに会って返さないと。恨めしく思いながらも、今は彼の為に生き延びなければならないのだ。このことをルーナが知ったらどう思うだろう。
フードを深く被り、ひたすらに歩き続けた。
夜になる前に、町に着くことが出来た。この町は砂漠へ向かう途中にある最後の町で、たくさんの商人や旅行者が立ち寄り、宿を利用する。その為昼も夜も賑やかで、眠らない町と呼ばれている。今の私にはとても有り難かった。
シンに言われた通りに、人の多い場所で待つことにする。室内だと逃げ場がないので、出店が並ぶ広場の端に置いてある椅子に座った。
シンはどれくらいでここに来るだろう。来る前に捕まってしまえば私はシンの命を返す事が出来なくなってしまう。どうして彼はこんな馬鹿なことをしたんだろう。腹立たしくて情けなくて、涙が出た。
涙を拭う気力もなくて、ただぼんやりと騒いだり踊ったりする人々を見ていた。
しばらくすると前方から、その賑やかな輪を外れて2人組の男が歩いてくる。柄の悪そうな雰囲気に不安になって、フードをより深く下げた。まさかこんなに早く探しに来るはずはない。大丈夫、大丈夫と言い聞かせる。
椅子の横を通り過ぎて行ったのでほっとしかけた時に、1人が言った。
「あれ?おかしいな。石が光ってる。」
「どういうことです?」
もう1人がそれに答える。
「近いってことだよ。」
背中がひやりとした。心臓が壊れそうに激しく鳴って、できるだけ離れたくて、椅子から立ち上がり早足でその場を離れる。
「おい、そこの!」
急に大声で叫ばれて私の心臓が飛び出るかと思った。必死で足を動かして逃げようとするけれど、人が多くて上手く進めない。やっとの思いで人ごみを抜けて細い道を走った。突き当たりに出た途端に、急に横から腕を捕まれた。
気付けば人通りのない暗い通路で、助けを呼ぶこともできない。咄嗟に魔力を振り絞って、風を起こそうとした。
起こそうとしたけれど、私の腕には魔力封じの鎖が巻かれ、そのまま地面に叩き付けられていた。
「マルクスさんっ!! やり過ぎです!」
後から走ってきた誰かが叫んだ。
「ああ、死なれたら困ると思って焦ったが、杞憂だったようだな。それにしてもどういうことだ? まさか、印に気付いたのか?」
恐くて堪らない。震えながらもシンが近くにいないことを祈った。
「まあいい。1人生け捕り出来たんだ。」
フードを取られ、はっと息を飲むのが聞こえた。
「これは、、信じられない。女だ。おい、マイク!これはかなりの値が付くぞ!早く連れて帰ろう。」
まるで品物の様な言い方だった。恐いけれど、どうすることも出来ない。
「本当に、連れて行くんですか?」
もう1人が言った。
「当然だろう。見てみろマイク、これはすごいぞ。傷は絶対付けるな。」
布の様なものを顔に押し付けられて、私はそこで意識を失った。
目が覚めた時、そこは檻の中だった。布が掛けられていて、外は見えないけれど、僅かな隙間から明かりが漏れていた。腕を見ると、細い鎖が巻き付いている。
これからどんな恐ろしい事が私を待ち受けているのか想像すると、シンにこれを返すことも叶わないように思える。そんな絶望の中でもシンの命を守る為、最後まで堪えねばならないのかと、途方に暮れた。その時、突然誰かが話しかけてきた。
「なぁ、」
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