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***レイラ
お互い朝の身支度を整えた頃に、ジュリが見計らった様に入ってきた。かなり遅めの朝食だ。
そして朝食は2人分準備されていた。陛下との食事も久しぶりだけれども、陛下が一緒に食べるのは初めてで、意外だったし嬉しくも思った。
「ウィレム陛下も一緒に?」
「ふん、自分だけ食べる気だったのか?」
振り返ると、後ろにぴったりとくっつく様に陛下が立っていた。
「わ、、い、いえ。」
「ジュリ、もういい。」
陛下は直ぐにジュリを下がらせようとした。ところがジュリはそわそわと口を開いた。嬉しい事があったのか、隠しきれない顔をしていた。
「あ、あの、少し報告が、」
「言ってみろ。」
「あの、ここでは」
「言えないことか? 」
上気した顔でこくりと頷いた。
2人で部屋を出てしばらくすると陛下だけが戻ってきた。私は何の話か少し気になりつつも聞けなかった。
「戻った、さあ食べよう。」
陛下はぴったりと横並びで座ってきた。2人で並んで食べるには食べにくいのでは、と心配したけれど、陛下は左手を使って器用に食べている。
「あれ? ウィレム陛下は左利きですか?」
「ん? ああ、両方使える。」
「そうなのですね、ふふ。」
1つ新しい事を知った。嬉しくてにやけると、陛下は不思議そうに私を見た。
「何がそんなに嬉しい。」
「ふふ、ウィレム陛下の事を知れて嬉しいです。」
「、、、そうか。」
陛下は照れていた。そんな陛下も愛おしく思った。
「ところで今日はお仕事はいいのですか?」
いつもは早朝に出て行くのに今日はのんびりしているので疑問に思った。
「ああ、今日は休みだ。一緒にいよう。」
「本当ですか? 嬉しいです!」
つい声が大きくなって恥ずかしかったけれど、陛下はにこにこ笑ってくれた。
こんな時間がずっと続けばいいのに。
、、いや、早く終わりたい。先に食べ終えた陛下は、頬杖を付いて私を見つめ始めた。食べさせて貰った時も緊張したけれど、食べる姿を見られるのもとても緊張する。顔は火照って汗は出るし、サラダのミニトマトは何度も転がった。私が失敗する度に陛下は、くっ、、とか、ふっ、とか笑っているのが分かる。途中にジュリが部屋に入ってきて助かったと思ったけれど、ジュリは寝室を整える為に寝室に入って行った。そしてやっと食べ終えた時には疲れ果てていた。
その時寝室から出てきたジュリが、私を見てこっそり手招きをした。何だろうと思って立ち上がったら陛下が私の腕を掴んだ。
「どうした?」
「え、ええと、、」
ジュリに視線を送ると、目が泳いでいる。
「あの、 お手洗いに、、」
「そうか。」
パッと離されて、お手洗いに向かう。ジュリは先に食器をワゴンに乗せてから、付いてきた。
「お嬢様、これを」
手のひらに小さな小瓶を押し込まれた。中には白い錠剤がたくさん入っている。
「これは何?」
ジュリが声を潜める。
「避妊薬です。必要かと思いまして持って来ました。」
「ひにんやく?」
「はい、ベッドが少し乱れていましたので。」
「え、え、、? ベッド?」
「はい。 さ、どうぞ。」
「ま、待ってジュリ。 それは必要ないわ。」
ジュリがきょとんとした。
「え? では何も?」
私より幼い筈のジュリなのに、ごく当たり前のように聞いてくる。私だけが赤面してあたふたと慌てていた。
「ないわっ、ないわよっっ。」
ジュリは ほっ、と溜め息を付いた。
「分かりました。でもこれはお嬢様が持っていて下さい。その日のうちに飲めば大丈夫ですから。」
「え、、え、? でも私、そんな、、」
話が飲み込めない。 何だか怖い。
「お嬢様は陛下のお子を望まれるのですか?」
「え? え? お子? 待って、ジュリ、私はただ、、、」
「ただ、何です? 」
その時、陛下がやって来た。私は瞬時に小瓶をジュリのエプロンのポケットに滑り込ませた。
「遅いな。 どうした。」
「あ、陛下、実はお嬢様に、、」
「やっ! 待ってジュリ!」
咄嗟に叫んでしまって、2人が私を見た。
「ジュリ、そんな事にはならないから。大丈夫、ありがとう。」
無理やり笑って見せた。陛下には知られたくない。それとも陛下の指示かもしれない。怖くて、それ以上は知りたくない。
「何の話だ。」
「ええと、、ジュリがデザートを、って、言うのですが、私は本当にお腹が一杯で、、ええと、それでも後でお腹が空くからと言われて、、ほ、本当に要りません。」
慌てて誤魔化した私に、ジュリが呆気に取られている。
「ふん、そんな事か。だ、そうだが。」
陛下がジュリを見ると、静かに頷いた。
「、、、分かりました。では必要な時に。」
**
午後は2人でソファーに座って寛いだ。お互いの手を見つめてみたり、繋いでみたり。目が合えば口付けが額や頬に降ってきた。抱き締められる度に耳元で名前を何度も呼ばれた。くすぐったくて嬉しくて、幸せだと思った。
幸せなのに時々先程のやり取りが頭を掠める。
「今、何を考えている。」
「へ、、 ええと、、 何でもないです。」
怖くて目をそらしてしまった。
「言え。」
「ほ、本当に、、何でも、、」
「、、、言ってくれ。」
ちら、と見ると、怒っていると思っていた陛下の顔は悲しそうに歪んでいた。
「え、あ、、ご、ごめんなさい。つい、あの、」
「あいつか?」
「え ? あいつ、、ええ、、は、はい。たぶん、そうです。、、あ、そういえば、、」
薄情なことにシンを忘れていた。そして返事をしながら言わないといけないことを思い出した。
「、、、何だ。」
「ええと、、あの、先日の、、あの事です、あれは口付けではなくて、あの、返したんです。その、預かり物を。それに、持っていたピアスは、以前誕生日に貰っただけで深い意味はありません。あの人は小さい頃からの幼馴染みなので友人なのです。」
「その返した物は何だ。」
「い、、命、です。」
「なんだと、、」
陛下の目が見開いた。
「あのっ、あのっ、彼は私が思い詰めて死なない様に、預けたのです。深い意味はありません。彼は友人ですからっ、そのっ、友人として、、」
「 、、、どうしたら考えなくなるのだ?」
「へ?」
「どうしたらそいつの事を頭から消せる?」
「え、、、」
縋る様な目で見つめながら言われて、戸惑ってしまった。心の、弱い部分を垣間見た気がする。
「ええと、、 彼は、友人ですから、友人として、自由に元気でいると分かれば安心出来ます。ただ、それだけです。」
「他には?」
「え、、他ですか?」
「何でもいい、気がかりなことを全て言って欲しい。」
「他は、、ええと、、同じく友人の、ルーナの事も気になりますし、他の仲間が被害にあったらと思うと、怖いです。」
「ルーナ? どこで聞いた? 何を知っている?」
「えっ、あっ、ええと、、」
焦った。陛下からルーナの話は聞いていないのだった。陛下はただ、捕まったジェミューがいると言っただけで、詳しく教えてくれたのはマイクからの手紙だった、、、。
ところが しどろもどろになる私を陛下は強く抱き締めた。
「そのルーナというのは隣国に行った。大丈夫だ。狩りの事は、、どうにかしよう。」
、、、良かった、怒っていない。ほっとして寄りかかると、更にきつく力がこめられた。
「そんな事、出来るのですか?」
ふと尋ねると陛下は静かに答えた。
「どうにかする。 だから、どうか、俺の事だけを考えていて欲しい。」
その切実な言葉に、胸が締め付けられた。この人にはきっと私が必要なのだ。
陛下がルーナの事を追及しなかったように、私もジュリとのやり取りは忘れる事にした。あれを使う事態は避ければいい。それよりも、今はこの人を満たしてあげたい、と思った。
お互い朝の身支度を整えた頃に、ジュリが見計らった様に入ってきた。かなり遅めの朝食だ。
そして朝食は2人分準備されていた。陛下との食事も久しぶりだけれども、陛下が一緒に食べるのは初めてで、意外だったし嬉しくも思った。
「ウィレム陛下も一緒に?」
「ふん、自分だけ食べる気だったのか?」
振り返ると、後ろにぴったりとくっつく様に陛下が立っていた。
「わ、、い、いえ。」
「ジュリ、もういい。」
陛下は直ぐにジュリを下がらせようとした。ところがジュリはそわそわと口を開いた。嬉しい事があったのか、隠しきれない顔をしていた。
「あ、あの、少し報告が、」
「言ってみろ。」
「あの、ここでは」
「言えないことか? 」
上気した顔でこくりと頷いた。
2人で部屋を出てしばらくすると陛下だけが戻ってきた。私は何の話か少し気になりつつも聞けなかった。
「戻った、さあ食べよう。」
陛下はぴったりと横並びで座ってきた。2人で並んで食べるには食べにくいのでは、と心配したけれど、陛下は左手を使って器用に食べている。
「あれ? ウィレム陛下は左利きですか?」
「ん? ああ、両方使える。」
「そうなのですね、ふふ。」
1つ新しい事を知った。嬉しくてにやけると、陛下は不思議そうに私を見た。
「何がそんなに嬉しい。」
「ふふ、ウィレム陛下の事を知れて嬉しいです。」
「、、、そうか。」
陛下は照れていた。そんな陛下も愛おしく思った。
「ところで今日はお仕事はいいのですか?」
いつもは早朝に出て行くのに今日はのんびりしているので疑問に思った。
「ああ、今日は休みだ。一緒にいよう。」
「本当ですか? 嬉しいです!」
つい声が大きくなって恥ずかしかったけれど、陛下はにこにこ笑ってくれた。
こんな時間がずっと続けばいいのに。
、、いや、早く終わりたい。先に食べ終えた陛下は、頬杖を付いて私を見つめ始めた。食べさせて貰った時も緊張したけれど、食べる姿を見られるのもとても緊張する。顔は火照って汗は出るし、サラダのミニトマトは何度も転がった。私が失敗する度に陛下は、くっ、、とか、ふっ、とか笑っているのが分かる。途中にジュリが部屋に入ってきて助かったと思ったけれど、ジュリは寝室を整える為に寝室に入って行った。そしてやっと食べ終えた時には疲れ果てていた。
その時寝室から出てきたジュリが、私を見てこっそり手招きをした。何だろうと思って立ち上がったら陛下が私の腕を掴んだ。
「どうした?」
「え、ええと、、」
ジュリに視線を送ると、目が泳いでいる。
「あの、 お手洗いに、、」
「そうか。」
パッと離されて、お手洗いに向かう。ジュリは先に食器をワゴンに乗せてから、付いてきた。
「お嬢様、これを」
手のひらに小さな小瓶を押し込まれた。中には白い錠剤がたくさん入っている。
「これは何?」
ジュリが声を潜める。
「避妊薬です。必要かと思いまして持って来ました。」
「ひにんやく?」
「はい、ベッドが少し乱れていましたので。」
「え、え、、? ベッド?」
「はい。 さ、どうぞ。」
「ま、待ってジュリ。 それは必要ないわ。」
ジュリがきょとんとした。
「え? では何も?」
私より幼い筈のジュリなのに、ごく当たり前のように聞いてくる。私だけが赤面してあたふたと慌てていた。
「ないわっ、ないわよっっ。」
ジュリは ほっ、と溜め息を付いた。
「分かりました。でもこれはお嬢様が持っていて下さい。その日のうちに飲めば大丈夫ですから。」
「え、、え、? でも私、そんな、、」
話が飲み込めない。 何だか怖い。
「お嬢様は陛下のお子を望まれるのですか?」
「え? え? お子? 待って、ジュリ、私はただ、、、」
「ただ、何です? 」
その時、陛下がやって来た。私は瞬時に小瓶をジュリのエプロンのポケットに滑り込ませた。
「遅いな。 どうした。」
「あ、陛下、実はお嬢様に、、」
「やっ! 待ってジュリ!」
咄嗟に叫んでしまって、2人が私を見た。
「ジュリ、そんな事にはならないから。大丈夫、ありがとう。」
無理やり笑って見せた。陛下には知られたくない。それとも陛下の指示かもしれない。怖くて、それ以上は知りたくない。
「何の話だ。」
「ええと、、ジュリがデザートを、って、言うのですが、私は本当にお腹が一杯で、、ええと、それでも後でお腹が空くからと言われて、、ほ、本当に要りません。」
慌てて誤魔化した私に、ジュリが呆気に取られている。
「ふん、そんな事か。だ、そうだが。」
陛下がジュリを見ると、静かに頷いた。
「、、、分かりました。では必要な時に。」
**
午後は2人でソファーに座って寛いだ。お互いの手を見つめてみたり、繋いでみたり。目が合えば口付けが額や頬に降ってきた。抱き締められる度に耳元で名前を何度も呼ばれた。くすぐったくて嬉しくて、幸せだと思った。
幸せなのに時々先程のやり取りが頭を掠める。
「今、何を考えている。」
「へ、、 ええと、、 何でもないです。」
怖くて目をそらしてしまった。
「言え。」
「ほ、本当に、、何でも、、」
「、、、言ってくれ。」
ちら、と見ると、怒っていると思っていた陛下の顔は悲しそうに歪んでいた。
「え、あ、、ご、ごめんなさい。つい、あの、」
「あいつか?」
「え ? あいつ、、ええ、、は、はい。たぶん、そうです。、、あ、そういえば、、」
薄情なことにシンを忘れていた。そして返事をしながら言わないといけないことを思い出した。
「、、、何だ。」
「ええと、、あの、先日の、、あの事です、あれは口付けではなくて、あの、返したんです。その、預かり物を。それに、持っていたピアスは、以前誕生日に貰っただけで深い意味はありません。あの人は小さい頃からの幼馴染みなので友人なのです。」
「その返した物は何だ。」
「い、、命、です。」
「なんだと、、」
陛下の目が見開いた。
「あのっ、あのっ、彼は私が思い詰めて死なない様に、預けたのです。深い意味はありません。彼は友人ですからっ、そのっ、友人として、、」
「 、、、どうしたら考えなくなるのだ?」
「へ?」
「どうしたらそいつの事を頭から消せる?」
「え、、、」
縋る様な目で見つめながら言われて、戸惑ってしまった。心の、弱い部分を垣間見た気がする。
「ええと、、 彼は、友人ですから、友人として、自由に元気でいると分かれば安心出来ます。ただ、それだけです。」
「他には?」
「え、、他ですか?」
「何でもいい、気がかりなことを全て言って欲しい。」
「他は、、ええと、、同じく友人の、ルーナの事も気になりますし、他の仲間が被害にあったらと思うと、怖いです。」
「ルーナ? どこで聞いた? 何を知っている?」
「えっ、あっ、ええと、、」
焦った。陛下からルーナの話は聞いていないのだった。陛下はただ、捕まったジェミューがいると言っただけで、詳しく教えてくれたのはマイクからの手紙だった、、、。
ところが しどろもどろになる私を陛下は強く抱き締めた。
「そのルーナというのは隣国に行った。大丈夫だ。狩りの事は、、どうにかしよう。」
、、、良かった、怒っていない。ほっとして寄りかかると、更にきつく力がこめられた。
「そんな事、出来るのですか?」
ふと尋ねると陛下は静かに答えた。
「どうにかする。 だから、どうか、俺の事だけを考えていて欲しい。」
その切実な言葉に、胸が締め付けられた。この人にはきっと私が必要なのだ。
陛下がルーナの事を追及しなかったように、私もジュリとのやり取りは忘れる事にした。あれを使う事態は避ければいい。それよりも、今はこの人を満たしてあげたい、と思った。
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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