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しおりを挟むせっせと部屋やらトイレ掃除、
「お天気もいいですし、洗濯日和ですね!」
寛人は満面な笑顔でベランダで洗濯物を干している。
「あ、あー...明日、休日にしたけど、お前はどうすんの?」
「先生はどうなさるんですか?」
「寝る」
即答。
ほぼ、仮眠しか取らずに執筆していたんだ、休日は大抵、寝て過ごす。
「駄目ですよ、先生。睡眠は確かに大事ですけど...」
寛人が俺の傍らに寄ってきて、隣に正座するなり、俺の手の甲に手のひらを重ねた。
「睡眠以外にどう過ごせと」
「デートとか」
「誰と」
「僕と」
見つめ合ったまま、長い沈黙。
可愛らしい笑顔ではある。あるが、男だ。
「....断る」
「えーっ!なんでですか!」
「なんでも何も....」
「創作のヒントが浮かぶかもしれませんよ?夢より」
....確かに。
「だが、断る」
はあぁ、と寛人は深い溜息をついた。
何故、雇い主の俺が溜息つかれなきゃいけないのかわからんが。
「わかりました、こうしましょう。僕も一緒に過ごします。この部屋で」
にっこり、寛人が微笑んだ。
「さ、先生。浴室も掃除しましたし、湯船も溜めておきました。お風呂にどうぞ」
「ああ、悪いな」
「いえ」
そうして、俺は1人でゆったり風呂タイム。
「にしても、スゲーな」
浴室の壁も床もピカピカに光ってやがる。
「失礼しまーす」
「えっ!?」
扉が開き、小さなタオルで前を隠した全裸の寛人が浴室へやって来て、飛び上がりそうになった。
「お背中、お流しします。先生」
笑顔から視線を落としていくと、色白な肌、薄ピンクな乳首、当たり前だが、ペッタンコな胸。
「....何も感じねーな」
「どうかしましたか?」
小首を傾げる寛人に、
「いや、なんでもない。だったらお願いするか」
一旦、湯船から上がり、風呂椅子に座る。
洗面器でなんだかもしゃもしゃと手を動かしていた、かと思えば。
「では、失礼しますねー」
柔らかい泡を感じる....
寛人は素手で俺の背中を洗い始めた。
小さな手のひらが必死に泡を挟んで背中を這い回り、それはまあまあ気持ちいい。
が....
「....腰に何かが当たるんだが」
「腰に?ですか?」
不思議そうに寛人が背後から俺を覗き込む。
「ああ、なんか固い....」
「あー!それ、僕のちんこだと思います」
あっけらかんとした寛人に、俺は思わずブッ、と吹き出した。
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