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しおりを挟むちゃぽーん....
昔の小3の俺と肩を並べ、湯船に浸かっているとは、如何せん、違和感が拭えない。
「....で、お前、いつ帰るんだ?」
「うーん....」
チビ優吾が唇を尖らせ唸る。
「早く帰れよ?母さん達も心配するだろ」
チビ優吾は俯き気味でだんまりだ。
「....ねえ、未来の僕」
「あ?」
湯船の淵に両手を置き、風呂場の床に視線を落とすチビ優吾がいる。
「未来の僕は好きな人とかいる?」
「好きな人....?」
「うん....」
「まあ、いる、かな」
ガバ、と優吾が俺を見上げたが、また俯いた。
「そっか....」
どうもチビ優吾の様子がおかしい。
「どうした?」
「ううん、別に。暑くなってきた!早く上がってアイス食べよ!未来の僕!」
「なあ、その呼び方、どうにかなんない?」
湯船の中で立ち上がったチビ優吾を見上げたら、まだ毛も生え揃ってはない小さなちんこが丸出しだ。
「...前、隠せよ」
「別にいいじゃん。自分のでしょ?」
そう言うなり、チビ優吾はお湯を張った湯船の俺の股間を見下ろしている。
「....お湯が邪魔でよく見えない。おっきくなった?僕のそこ」
気恥しくなり、思い切り、チビ優吾に湯船のお湯を手を使い、ぶっかけた。
風呂を上がると、チビ優吾はリュックサックからブルーのチェック柄のパジャマを取り出し、着始めた。
「....懐かしいな、そのパジャマ」
チビ優吾はきょとん、とし、すぐに、アイス!と叫び、互いにアイスを食べながら、決め事をした。
「俺のことはお兄ちゃんって呼べ」
チビ優吾が突如、眉間に皺を寄せた。
「...妹いるけど、お兄ちゃんいないのに?」
そう、3つ下の妹はいるが、兄はいない。
どうにかチビ優吾を説得し、特にもし外出するときは、お兄ちゃん、と呼ばせることにした。
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