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しおりを挟むいざ、おどろおどろしいお化け屋敷の前に並んで立った僕とお兄ちゃん。
見上げたお兄ちゃんは瞬きもせずに硬直し、立ち尽くしてる。
怖かったらいつでも抱きついて来ていいからね、お兄ちゃん...。
心の中で秘かにほくそ笑む僕。
「...じゃ、い、行こうか、奏斗」
「うん!」
そうして、僕とお兄ちゃんは並んで歩き、お化け屋敷へと足を踏み入れたのです。
入ったとともに薄闇。
微かな明かりを元にふと隣のお兄ちゃんを見上げてみた。
...壁を不思議そうに見つめ、首を傾げるお兄ちゃんがいた。
なに!?なにが見えるの!?お兄ちゃん!
なんにも見えないんだけど、ただの壁だけどー!
それからも歩くたびに、兄は時折、壁を丸い目で見つめ、首を傾げまくり、その間に僕はスタッフのミイラ男が現れ、
「ギャー!」
僕の声にビクッとなるお兄ちゃん。
「大丈夫?奏斗、どうかした?」
お兄ちゃん、壁に気を取られ、脅かしてくるスタッフのお化けに気づかない。
それからも、
「ひえー!」
「うわー!!!」
脅かされて、叫びまくるのは僕の方...。
お兄ちゃんはその度、僕の声にビクッとなり、僕の声に驚いているのみ。
どうも壁が気になり仕方ないらしい。
お兄ちゃんの傾げた首がどんどん傾き、不思議そうに見つめている。
ようやく、出口が見えた、はいいが、最後の最後、出口の隅をお兄ちゃんは険しい顔で見つめている。
...なに、なにが見えるの、お兄ちゃん。
気になる。気になるけど、怖くて聞けない。
それからも、回転型の空中ブランコみたいなアトラクション、コーヒーカップなどでも、僕と笑顔で会話しながらも、お兄ちゃんはたまに何処かを見つめ、首を傾げてる。
「お、お兄ちゃん...」
「ん?」
「か、帰ろうか」
「えっ、もう?パレードや花火もあるみたいだけど」
「い、いい。大丈夫、充分楽しかったし、ちょ、ちょっと疲れちゃった」
またもや不思議そうに見つめる兄に思わず僕は引き攣り笑いになった。
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