未来から来た笑顔

ミヒロ

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未来人...?

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夢か現実か。

寝惚けてんのか?とも思った。

だって仕方ないだろ?

そいつは、

「未来から遊びに来た」 

なんて、笑顔で訳わかんねーこと言うんだから。

◆◆◆


大学からの帰り道だった。

自宅のアパートに戻るために歩いていて、公園に差し掛かったとき。

175cmある俺より背の高い、180はあるか、体格は俺と同じく細身、脚がやたら長く、随分、整った顔した、目鼻立ちのはっきりした男が公園の仕切りのポールに寄りかかり、通りすがる車や人達を、何処か丸い目でにこやかな笑顔で眺めていた。

「....モデルかなんかかな」

案外、芸能人だったりして。
俺、ぶっちゃけ、そういうの疎いから。

不意にそいつの目が凝視していた俺に移った。

途端、人懐っこい笑顔で飛び跳ねるように寄ってくる。

「こんにちは」

「こ、こんにちは...?」

「俺さ、未来から遊びに来たんだけど。凄いね、車が地面、走ってる」

「....は?」

車が地面、走ってんの当たり前だろ。

....こんなイケメンなのに、頭おかしいのかな、悪いけど。
精神疾患、とか?

「俺、早瀬広嗣。ひろつぐ、て呼んで。君は?」

「川上元樹」

「元樹くん、かあ」

「や、もとき、でいいけど....」

その瞬間、ぐ~きゅるるる、と独特の音がした。

「やば、腹減った。どうしよ、こっちのシステムよくわかんないや...買い物したいけど、カード使える?」

見せられたカード、見たことがない。

「や、どうだろ...よくわかんないけど...」

「そっかあ....」

途端、広嗣は肩を落とし、笑顔が消えた。

「....なんなら、俺んちでなんか食う?簡単な物なら作れるけど....」

ぱあ、と広嗣が満面な笑顔になった。

「ホント!?めっちゃ助かる!ありがとう!」

....まさか、未来人な訳ないよな。
こんなスタイル良くてイケメンなのに、しかも人も良さそう。

飯食わせるくらい、いいか、と俺は広嗣と肩を並べ、歩き出した。
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