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変わり果てた世界
しおりを挟むこれが世紀末、と言うのだろうか...。
人間が次々とゾンビと化し、ゾンビが日本を占拠している。
ゾンビに噛まれ、襲った人間の肉を噛み引きちぎり、食っている...。
そうして、襲われた人間もまたゾンビに化す。
今日もまた、耳をつんざく女性の悲鳴に体が大きく跳ねた。
ぶるぶると体を震わせ、様子を伺うとゾンビに噛まれ、肉を引き裂かれていた...。
俺は口元を覆ったが間に合わず、その場で嘔吐した。
血、苦手だし、エグすぎる...。
しかし、どのゾンビも俺を襲っては来ない。
だって、俺もゾンビだから。
他のゾンビと違い、俺は中身は人間のまんま。
人間を襲おうとも思わないし、首元を噛んで仲間にしたいとも思わない。
腹が減ったからと、人間を襲って食おうなんて思わない。
俺もゾンビに噛まれてしまいゾンビなのにゾンビの気持ちがわからない...。
さすがに腹が減るので、俺はそこら辺に生えている雑草を毟り、腹を満たしてる。
こないだは偶然にも、大葉だった!
RPGでハーブ見つけた気分だったよね。
周りのゾンビ達が人間を蝕む中、俺は夢中で大葉を食った。
「やっべ、マジうめー」
皮膚は爛れ、肌の色もなんか気味の悪い色になっちゃって辛い...。
偶然、鏡に映る自分を見てしまった時、愕然としたもん。
髪の毛の量も減り、白髪になってんの。
俺、まだ若いのに...。
泣く泣く俺は雑草を毟り頬張った。
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