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しおりを挟むお手洗いを済ませ、座敷に戻ると、悲しいかな、俺の勤める、きらめきの男性社員どもはすっかり意気投合した、きらめきとレボリューションさんの女性社員たちを遠巻きに眺め、飲んでいるだけだ。
とは言っても、あの女性社員軍団に入っていく勇気も俺にも更々ないが...。
しかし!こんなチャンスは二度とないかもしれない!
レボリューションさんの中の人と会えるチャンス!
近くにあったビールを一気に飲んで、よし!とレボリューションさんの社員で占める座敷へと足を進めた。
レボリューションさんにも男性社員もいるのが唯一の救いだ。
ふと、きらめきの係長と先程、ぶつかった壁のイケメンがビール片手に笑顔で話している姿が目に入った。
イケメンの笑顔が眩しい...。
男の俺まで惚れ惚れする、笑顔。
いいよな、イケメンに生まれて...。
不意にイケメンと目が合ってしまった。
ジロジロと見られ、気を悪くしたかもしれない、と思いきや、俺に笑顔を向けた。
突然のことでドキッとする俺がいる。
おいおい、相手はいくら何でも男だぞ?
なに乙女みたいにときめいちゃってんの、俺。
「おー!中山!」
イケメンと会話していた係長が俺に手を振った。
「お前も来いよ!」
えええっ。
...俺、レボリューションの中の人を探して...。
そうか!あのイケメンに聞けば早い!
「はい!じゃ遠慮なく!」
俺はイケメンと飲む係長の座敷へ移動した。
間近で座り、まず、座高の違い、に驚かされる。
「背、高いですよね」
「この身長もあって、ずっとバスケしてたんだよ」
何故か、係長が答える。
「なんで係長が知ってるんすか?」
「そりゃ、俺の息子だから、知ってて当たり前だろう」
そう言って、あはは、と係長が笑った。
...係長の息子?
似ても似つかない。
なんて口が裂けても言えない。
「秀一、て言うんだ。大学卒業して、レボリューションさんのところに入って2年。よろしくな、中山」
「は、はい」
ということは俺と1つ違い、24、てことか。
「よろしくお願いします、中山さん」
イケメン、もとい、秀一さんが挨拶してきた。
笑顔がなんだか赤いのは酒のせい?
イケメンは酒が弱いみたいだ。
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