ママと勘違いされて始まった物語

ミヒロ

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さすがにエプロンは1つしか無いので、俺は私服にエプロン、隣にはメモを取る陽平くんとでキッチンに立っている。

簡単かつ安上がり、栄養も抜群な豆腐ハンバーグをメイン!

醤油、砂糖にみりん、酒、と味付けも子供の理一も食べやすかろうと。

大根おろしに大葉、ぽん酢もさっぱりしていて美味い。

陽平くんはふむふむと俺の手元を見ながら熱心にメモを取っている。

「豆腐なら挽き肉だけより安心でしょう?生焼けとか」

「あー!なるほど、確かに!」

一応、挽き肉が繋ぎに多少は入ってはいるが、ほとんどが豆腐だから。

そして、人参が苦手な理一の為に甘く、グラッセに。

一つ、味見を勧めたら、陽平くんが瞬く間に目を見開いた。

「これなら理一も人参、食べそうですね!癖がない!」

ブロッコリーはマヨネーズやドレッシングを掛けたら食べるそうだから、少しの水をいれてレンジでチン。

「いっつも湯掻いてました!」

「それだと栄養素がなくなるとかテレビで見たので」

「あー!そうか!そうですよね!」

陽平くんの驚きっぷりが初々しい。

「でも、こんなにお料理が出来る、て、羨ましいです」

「一人暮らしが長いからですかね、作ってくれる相手も暫くいなかったですし。気晴らしにもなるし、気づけば自炊にハマってました」

そう言って笑うと、陽平くんから意外な言葉が返ってきた。

「まあ、相手がいたとしても、料理が出来る人かどうか、てわかんないですもんね」

視線を外し俯き気味に笑う陽平くんに暫し釘付けになった。

結婚した相手は料理が出来なかった、てことだろうか、と。

「....いいにおい....」

リビングから小さな声が聞こえた。

料理の匂いで理一が目を覚ましたらしい。

「ハンバーグだぞ、理一」

「ハンバーグ!?」

理一の花が開くかのような明るく元気な声に笑顔になった。
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