君と僕との世界

雪色 雫

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甘くささやく

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ある夜のこと。
それは誰もが寝静まり、静かな夜に私が家を出て、街に出た。
その時彼は私の前に…静かに現れた。
「…これは、お嬢さん。もうあたりは真っ暗だというのに、起きて街を出歩くなんて行けませんよ?」
と貴族の知らないお兄さん?に、ある町の路地うろで声をかけられた。
「………」
私は、返す言葉もなく無言になる。
「誰かに連れ去られでもしたらどうするんですか?」
と心配そうに声をかけてきた。顔は、帽子を被り前髪が少し長く表情がうまく読み込めない。
「………別に構わないわ。もう私には帰る家なんてないんだから。」
と私は答えた。
お兄さん?は…
「おやおや、親御さんは?いないのですか?」
「………もういいでしょう。私に構わないで…」
私がそう言い放ち、そのまま行こうとするとお兄さんが私の手を掴んだ。
「な、…何を!!」
私は驚き振りほどこうとするが、力およばず。
「なら…僕のところに来ませんか?」
とお兄さんは、怪しげな笑みを浮かべ私に言う。


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