スライムは仲間を呼んだ!~デバフで支援してたのに追放された俺はスライム狩りでレベル爆増!魔王を倒したら惚れられ、気付けばハーレム状態に!

藤村

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第五章 女神解放編

第49話 龍虎相博つ

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「「制限解除!!」」

 レックとヴェルモンドは、
 お互いに相手の実力を理解している。

 一歩間違えばどちらが死ぬか分からない。

 両者の能力はそれ程に拮抗している。

 故に一切の手加減も無用。
 開幕早々、全開である。

「光の神精よ、我の為に祈りを捧げ給え。神罰槍ジャッジメント・スピア!!」

 神罰槍ジャッジメント・スピア――。

 光に質量を持たせ、
 槍へと変化させる魔法。

 この槍は魔力を焼き払う槍。
 故に、触れれば触れるほど魔力が失われていく。無論、レックは例外だが。

「手加減はなしだ~。お前の魔力、根こそぎ焼滅させてやるよ」
「それがどうした! 火の神精よ、我の為に祈りを捧げ給え。超新星爆発ビッグバン!!」

 ヴェルモンドの放った超新星爆発ビッグバンは、この学園はおろか、都市部までをも吹き飛ばすほどの範囲と威力を有していた。

 だが、その全てを。

 ズォオオオオオッ!!

 神罰槍ジャッジメント・スピアが粒子単位になるまで切り刻み、

 その魔力を完膚なきまでに焼き払い、

 爆発そのものを消滅させたのであった。

 この神業を可能とするのは、
 レック・オルタの第三魔法、
 神聖なる存在ザ・ゴッデスの力である。

 まだ人類が命名できていない、
 超級を超える魔法。
 例えるなら、
 それは神級魔法。

 レック・オルタは今、
 光と同化していた!

「なるほど。自らが光そのものとなり、文字通りの光速で攻撃。爆発を相殺したというわけか。ならばこれはどうかな? 大地の神精よ、我の為に祈りを捧げ給え。超級魔法――重力力場グラヴィ・フィールド!!」

 ズシィインッ! 

 と辺り一帯に信じられないほどの重さが付与される。

 エリア一帯に干渉し、
 相手に不利な空間を作りだす。
 範囲魔法が得意なヴェルモンドの戦法だ。

 ズズズズズ……!

「確かに光は速い。とても目では追えん。だが、そんな光すらをも捕らえて逃さぬ存在――概念がある。それが重力だ。オルタよ、いくらお前が光そのものになろうが、今この場では私より少し早い程度。むしろ、魔力の消耗によるデメリットの方が大きいだろう」

 得意気に笑うヴェルモンド。
 だが、レックは動じない。

「そりゃあアンタも同じだろ~が。広範囲に効果を付与する魔法。確かに賞賛に値する。だが、いつまでその重力魔法を維持できる?」

 両者睨み合いながら。
「ふふふふふ」と歪な笑みを顔に貼り付ける。

「これは根競べになりそうだな、オルタよ」
「そうだな。どっちが先に力尽きるか」
「「勝負ッ!!」」

 とは言いつつ。
 レックは、内心でほくそ笑んでいた。そもそも、正々堂々と勝負しに来たわけではない。

 ヴェルモンドを尾行し、
 都合のいいタイミングで捕らえてやろうと思っていたのだ。

 まさかそのヴェルモンドがメアリを尾行していたとは思いもしなかったが。

 とはいえ、
 初めから尾行をするからには、
 既に、ヴェルモンドの情報は学園上層部に通達済み。だからこそこの状況を作り出した。

 レックが行っているのは、
 根競べという体を装っただけの時間稼ぎない。

 教頭という立場である以上、
 教師権限の剥奪には何重もの手続きが必要となる。

 今、学園上層部はヴェルモンドの教師権限剥奪を執行すべく動いている。

 権限を剥奪されれば、
 この学園内部でのバフ魔法を受けることは出来なくなる。

 そうなればもう、
 ヴェルモンドに勝機は無い。

「中々体力あるじゃねぇか~、老いぼれの癖に」

 額に汗を浮かべながらレックが言う。

「クク、お前もな。まあ、この私が教師したのだからこれくらいはして貰わねば困るというものだがな」

 ヴェルモンドの息も上がってきている。

 お互い、莫大な魔力を消費し続けている現状。もういつ力尽きてもおかしくはない。と、

 その頃になって。

 ――フッ!

 突如として、
 ヴェルモンドの重力魔法が効力を失う。

「なっ!」

 同時に、
 レックの胸ポケットのスマホウ・フォンが振動。

「はぁ、はぁ……。いや~、危ない所だったよ。この爺さんやっぱ化け物だわ。全盛期から衰えてないとか勘弁してほしいよ~」

 スマホウ・フォンを手に神聖なる存在ザ・ゴッデスを解除するレック。

 対するヴェルモンドは激しい混乱の渦に放り込まれていた。

 な、んだ?
 何が起きた!!
 あり得ん。

 私の魔力はまだ残っている!
 まだ重力力場グラヴィ・フィールドが解けるはずが……。

「ああ、あとは任せろ」

 スマホウ・フォンをポケットに、レックはじわじわとヴェルモンドに詰め寄った。

「実力は確かだが、ここは耄碌もうろくしたみたいだな、爺さん」

 レックは自分の頭を指差した。

「フー、フー。なにを、した。私の魔力はまだ残っているはず。魔法が解けるはずがないのに」
「お前さぁ、俺が普通に「正々堂々勝負!」とかいうタイプじゃないの知ってるだろ~? お前がノエルの兄と繋がってるって分かった時、学園上層部に駆け込んでな。至急、教師権限の剥奪を懇願したんだ。つまり今この状況において、俺とお前との差は、レベルで例えるなら150前後ってとこかな~」
「はあ、はあ……。なるほど、な。クック、私としたことが、やはり年には勝てぬか。お前のことを理解しているつもりだったが。どうやら私は見誤っていたようだ」
「殺しはしね~よ。今から魔法局直属の憲兵が来る。それまで黙っててくれ。俺だってかつての恩師を痛めつけたくはねぇからよ~」
「……いや、そういう意味ではない。見誤ったというのは逆の意味だ。まさか――」
「?」
「ここまで、バカだったとは」

 なんだ!?
 
 レックは不穏な気配を感じて立ち上がった。
 
 すると。

「ははははは! まさかこの程度で勝ったつもりでいたとはなあ! これを見るがよい!!」

 ヴェルモンドが天高くに掲げた物体。
 それは転移石だった。

「――っ!」

 しまっ――!

 一歩遅かった。
 
 ヴェルモンドは転移石を使い、その場から姿を消したのだった。

「あ~~~……。逃げられた、のか」

 こりゃあ始末書モンだなぁ~。
 
 レックは気落ちした様子でその場にへたり込む。

 やがて訪れた憲兵に、

「転移石で逃げられた」

 と告げると。

「そうですか。しかし、あれほどの人物とやり合って生徒はおろか建物の損壊も無し。これはレック・オルタ様でなければ成し得なかった偉業でしょう。この成果はしかと上の者に報告させて頂きます故、褒章のほど、ご期待ください」

 などと言われるのだった。
 
 褒章なんざ別にいらねぇけどな。それにしても、あのヴェルモンドさんがねぇ~。

 レックはなんとも言えない気分で秘密の部屋をあとにした。
 
 ちなみにこの部屋の存在を知っていたのは校長とヴェルモンドの二人だけだったという。

 後にメアリへと事情を尋ねた校長は、一時的にではあるものの【太陽の書】の所有権をメアリに譲ったという。
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