78 / 80
第一章
第78話 【異世界生活・2】
しおりを挟む数時間後、沢山遊んで疲れた俺は家に入り風呂を堪能した。
最近、新しく泡風呂用の入浴剤も作成して、それに入るのが最近の楽しみでもある。
「普段のお風呂も良いんだけど、やっぱりクリス君の家のお風呂だと足も延ばして入れるから良いわね」
「本当にそうね。それに最初はちょっと苦手だったけど、サウナも良いわよね」
お風呂から上がった後、リビングで休憩しているとアリシアさん達もお風呂から上がって来てリビングにやって来た。
俺はそんな二人にキンキンに冷やしておいたコーヒー牛乳を渡すと、二人は嬉しそうにそれを飲んだ。
「私が苦手だけど、お父様が以前から飲んでたコーヒーがこんなに美味しい物に変わるなんてね。本当にクリス君はどんな所から知識を得てるのかしら?」
「美味しい食べ物や飲み物を楽しみたくて、色々と研究していたら出来たんですよね。まあ、そもそも牛乳自体が美味しいので組み合わせただけでも美味しい飲み物になるんですけどね」
コーヒー牛乳の他にフルーツ牛乳や、その他にも飲み物関係を作りそれらのレシピも登録した。
そして、食堂程では無いが拡張した店の一画でジュース販売を行った。
その結果、瞬く間に国中に広がって王家からも早く他の街にも支店を出しい欲しいと頼まれる程になってしまった。
支店に関してはまだだったので、エドガーさんに信頼のある商会を紹介してもらってジュースの販売を委託する事にした。
それにより、更に俺は収入が増えた。
「正直、金に困る事はもう無いように気がしますね」
「逆にクリス君でこくるような事になったら、それはそれで凄いと思うわね」
「ええ、可能性としては材料が購入出来なくなって売る物が作れないって状況位でしょうけど、最悪の場合を想定してクリス君は在庫も大量に持ってるからその場合でも数ヵ月は凌げるものね」
「そうですね。何が起こるか分からないですから、半年分の在庫は常に持ってますね」
その半年間の間に材料を確保する為に動いてるだろうから、本当によっぽどの事が無い限りは大丈夫だろう。
それからアリシアさん達は帰り、夕食まで時間があり暇になった俺は作業室に行き魔道具の制作をする事にした。
「ハク。どうだ温かいか?」
「がう~」
その夜、俺は完成した魔道具〝ホットカーペット〟をハクのベッドに設置した。
寒くなり、部屋には暖房で暖かくしているがそれでもやっぱり寒い時はある。
俺はまだ掛け布団でどうにかなるが、ハクは掛け布団はないのでどうするか考えた俺は、下から温めようという発想になった。
そして数日かけて作った魔道具にハクを寝かせて、感想を聞くと気持ちよさそうな声で鳴いた。
「これで冬場は乗り越せそうだな」
「がう!」
それから俺は眠り、ハクも気持ちよさそうな表情で寝た。
翌日、俺は昨日とは違って朝食を食べた俺は家を出てとある場所に向かっていた。
その場所は俺がこの異世界に来て、ずっと世話になっている商業ギルド。
数日前、この日に来て欲しいとエドガーさんから頼まれていた。
「エドガーさん来ましたけど、どうしたんですか?」
「クリス君が知ってるがどうか分からないが、年の終わりに祭りが行われるんだが。そこに食をテーマにした出店をしてくれないかと、国から頼まれてしまってな……」
「祭り自体は知ってますけど、出店ですか……まあ、別にいいですよ? エドガーさんからの頼みですから」
「いいのか!? てっきり、飯屋はやりたくないからやらないのかと思ってたんだが……」
俺がいつまでたっても食事系の店を出さないから、エドガーさんは俺が食を売りに出したくないと思っていたみたいだ。
「それだったら、飲み物の販売はしてませんよ? まあ、確かに飲食店は面倒事が色々とあるので避けてはいますけど、祭りの数日間限定でしたら準備さえ出来ていれば大丈夫ですし、何より普段あれだけお世話になってるエドガーさんからの頼みは断れませんよ」
「……そういってくれると助かるよ」
エドガーさんは嬉しそうな表情を浮かべてそう言い、そのままどんな食べ物を出すのかエドガーさんとの話し合いを行った。
46
あなたにおすすめの小説
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる