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第二十九話
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レナードはじっと見つめて、マルヴィナを負った。
長い指が薔薇に触れると、レナードは目を細めてその様子を見続ける。
(あれは、ここの庭師が作った薔薇だ。マルヴィナも興味があるのか?)
他の令嬢は薔薇の話はするのだが、詳しい話は一切しないで上辺ばかりだった。
綺麗だとか良い香りとか、その程度の話をするだけで薔薇には興味はなさそうなのだ。
それに比べて、マルヴィナは薔薇に興味津々と言ったように見える。
(後で庭師を呼んで、マルヴィナに色々と教えてあげよう。喜ぶだろう)
レナードは楽しみを見つけると、そっと窓から離れて机に向かった。
しかし、ちらりと見たマルヴィナの真剣な眼差しを思い出すだけで、また仕事が手に着かない状況になる。
自分でも何をやっているんだと頭を抱えてしまい、とうとう立ち上がり窓を開けた。
声さえ掛けなければ、きっとマルヴィナは気が付くことはないだろうと思い、しばらく見つめることにしたのだ。
案の定、マルヴィナは薔薇を真剣に見つめていてレナードには気が付かなかった。
白い肌は透き通るようで、薔薇の色も映える。
イングリッシュローズを見つめながら、新種の薔薇と交互に見つめている様子は、まるで博士のようだ。
(美しいマルヴィナ。見ているだけでも、私は幸せだ)
そんな事を思った瞬間、マルヴィナが不意に顔を上げた。
勿論、視線の先にはレナードがいる。
驚いた顔でレナードを見つめていて、立ち尽くしている。
「あ……、マルヴィナ。薔薇は綺麗かな。君の方が綺麗だよ、凄く」
じっと見つめていた事がバレてはいけないと、なんとか取り繕おうとしたが、マルヴィナは視線を逸らして、黙り込んでしまった。
こんな所で大声で会話をすれば、他の人間にも聞かれてしまうのを恐れているのだろう。
「悪かった。すぐに退散するよ。そこで薔薇を見ていてくれ」
レナードは急いで窓を閉めると、胸が鳴り止まらず、ソファにどっかりと座った。
(何をしているんだ。カッコ悪い)
レナードは頬を染めながら、頭を抱えるとしばらくは何も出来ずにソファでうずくまってし
まった。
***
マルヴィナは薔薇庭園で行き場のない気持ちを静めようと、散策していた。
傍にある薔薇に触れ、そっと匂いを嗅いでみると微かだが香りが漂ってくる。
(少しでも、忘れなくては)
マルヴィナはアストリー子爵と出会ったことよりも、レナードに抱かれてしまったことの方が印象的で、部屋に籠っていられなかった。
勿論、実の父であるアストリー子爵と出会えたことは誤解が解けるようで有難いことでもある。
でも、どこかでマルヴィナは父については許しのような気持ちになっていた。
勿論、その行いを聞いた時は許せる筈もなかったのだが、本人から聞いた事実を思うと、許さなければ進めないような気がしたのだ。
アガサは被害者だが、その時のアストリー子爵は完全に気がふれていた。
この不運な偶然を、アストリー子爵の理性だけで制御しろというのは、とても難しいことのような気がする。
今も尚償い、アガサを気にかけてくれていること、マルヴィナの結婚を喜んでくれていることを思えば、もうそれで充分だった。
そんな自分の不意を突いたかのように、レナードから抱きしめられてしまい、自分も応じてしまったことを、恥じても恥じてもどうしようもないのだ。
今でも、穿たれた所はジンジンと痛むような感覚はするし、レナードの熱を思い出せる。
薔薇の傍でほおっとため息を吐いてしまうと、一日会えなかったことが寂しく思えてくる。
(私ったら、期待しすぎだわ。婚約者のフリをしただけなのに)
冷静でいなくては、そう思いつつ心は追いつかないで、既に婚約者のような気持ちになってしまう。
そう錯覚させるのも、これまでにマルヴィナが何度もデートに誘われたからだろう。
キャシーに聞けば、他の令嬢は積極的にデートに誘うことはないらしい。
令嬢から誘われることはあっても、公平を期すためにレナードはあまりデートに誘わないと決めているのだそうだ。
遊び人だとばかり思っていたのだが、まるで反対で真面目な所ばかりが浮き出てくる。
令嬢達と薔薇庭園で散策することはあっても、街へ出て買い物や食事を楽しむことはなく、マルヴィナが初めてだと言ってもいいくらいだそうだ。
「そんなこと言われてたら、期待するわ。キャシー」
思わず独り言を呟くが、キャシーは今は忙しく城の中で働いているだろう。
マルヴィナの部屋のベッドメイクから掃除、他の令嬢達の御用聞きまで、何から何までやならくてはいけないのだから。
(相談相手が欲しいわ。アガサでもいいから)
あんなに反対していたアガサにですら、聞いて欲しいと思ってしまう。
花弁の大きな薔薇を見つけると、マルヴィナはそちらへ移動して大輪の薔薇をそっと手に取り匂いを嗅いだ。
見たことのない薔薇で、マルヴィナの心は落ち着いてきて心が穏やかなになっていく。
けれど、レナードを思うとすぐにそわそわしてまた頭の中がぐちゃぐちゃになってしまいそうになるのだ。
これではいけないと薔薇庭園をうろうろしていると、不意に視線を感じた。
そっと見上げるとレナードが窓辺からマルヴィナを見つめていた。
「あ……」
思わず視線を逸らし、逃げ出したい思いに駆られる。
途端に馬車の中で抱かれたことも思い出してしまい、体中が火照るように熱くなってしまう。
(何を考えているのっ。レナードは偶然見ているだけじゃない)
「あ……、マルヴィナ。薔薇は綺麗かな。君の方が綺麗だよ、凄く」
その言葉に、マルヴィナの心臓が一気に早くなりもはやレナードを見つめていることも出来なかった。
そんな言葉を浴びせるように言うレナードを受け入れられなかったのに、今では心臓が跳ねて嬉しいと思ってしまう。
(おかしいわ。レナードは……。レナードは……)
必死に否定の言葉を探すものの、もはやそれは無理だった。
マルヴィナの気持ちはレナードを好きだと告げていたし、それを受け入れてしまったマルヴィナには、嫌いだとか、悪い噂があるだとか、そんな言葉で誤魔化すことはもはや不可能に誓いほど、レナードを好きになっている。
(レナード……)
ぽつんと心の中で囁くが、声にはならない。
代わりに逃げるようにそっぽを向いて、赤面している顔を見られまい必死になるばかりだ。
これでは嫌われると思うものの、素直に笑顔を見せられる余裕がないのだ。
「悪かった。すぐに退散するよ。そこで薔薇を見ていてくれ」
(あ……。待って)
窓辺から姿を消したレナードに、マルヴィナはようやく顔を上げるものの、もう姿はなかった。
一緒にいられる時間は限られているというのに、偶然会ったこの時を大切にすることが出来ずに黙り込んでしまった。
その事を、マルヴィナは酷く悔いてしまい落ち込むと近くの薔薇に何回か触れてから、部屋に戻った。
綺麗な薔薇で気持ちを癒そうとしたのに、上手くいかなかったことが、自分でももどかしくて仕方がない。
部屋に戻ると、キャシーがせっせと部屋で何かをしている。
「どうしたの? 私の部屋はもう綺麗よ」
「レナード様の御申しつけです。薔薇で部屋を満たすようにと」
「……っ! でも、私だけそんなことをしたら」
胸が切なく疼いた。
さっき窓越しに会った時に言えなかった言葉が、心から悔やまれる。
どうして勇気を出して声を掛けなかったのだろうと自分を責めていると、キャシーは不思議そうに首を傾げた。
「アストリー子爵の所で何かありましたか? レナード様もご様子が変でした。代わりに、薔薇で部屋を埋めるようにと言われるので。求婚でもされましたか?」
「ち、違うわっ。まだ決まってないの」
(キャシーの勘ったら、凄いわ)
アストリー子爵の前で結婚式の話まで出たことを思うと、違うとも言い切れないのだ。
レナードがどこまで本気かは分からないのだが、式を挙げることも約束してしまったし、具体的な日取りまで考えると言っていた。
それに加えて、この薔薇の部屋だ。
マルヴィナは頬を染めて、切ないため息を吐いた。
キャシーがせっせと動き、薔薇を運び入れ、部屋中を薔薇で埋め尽くし始めている。
(私だけが特別なんて、思わせないで)
今までの自分の境遇の中で、特別になったことはなかった。
いつでも誰かに混じり、せっせと働く日々だったし、好きな人も出来ずに、それどころか同じ年頃の子すら近くにいなかった。
特別扱いもされずに育ち、誕生日だけが特別な日で、後は些細なクリスマスや村の祭りが行われるだけだ。
特別な、自分だけを思ってくれる人など、レナード以外に現れるだろうかと考えてしまう。
(こんな素敵な事をしてくれる人、いないわ)
キャシーがベッドまで薔薇で埋め尽くし、バスルームまで薔薇を運びこんだ。
「そんな所まで、いいわ。花びらを千切るのでしょ?」
「そうですが。レナード様が来るかもしれませんから」
「え……来るの、ですか?」
「そのつもりで、私は準備をしておりますよ?」
キャシーは悪戯な笑みを漏らした。
ベッドやバスルームに薔薇の花弁を散らすなど、ふたりが抱き合うことを前提ではないか。
長い指が薔薇に触れると、レナードは目を細めてその様子を見続ける。
(あれは、ここの庭師が作った薔薇だ。マルヴィナも興味があるのか?)
他の令嬢は薔薇の話はするのだが、詳しい話は一切しないで上辺ばかりだった。
綺麗だとか良い香りとか、その程度の話をするだけで薔薇には興味はなさそうなのだ。
それに比べて、マルヴィナは薔薇に興味津々と言ったように見える。
(後で庭師を呼んで、マルヴィナに色々と教えてあげよう。喜ぶだろう)
レナードは楽しみを見つけると、そっと窓から離れて机に向かった。
しかし、ちらりと見たマルヴィナの真剣な眼差しを思い出すだけで、また仕事が手に着かない状況になる。
自分でも何をやっているんだと頭を抱えてしまい、とうとう立ち上がり窓を開けた。
声さえ掛けなければ、きっとマルヴィナは気が付くことはないだろうと思い、しばらく見つめることにしたのだ。
案の定、マルヴィナは薔薇を真剣に見つめていてレナードには気が付かなかった。
白い肌は透き通るようで、薔薇の色も映える。
イングリッシュローズを見つめながら、新種の薔薇と交互に見つめている様子は、まるで博士のようだ。
(美しいマルヴィナ。見ているだけでも、私は幸せだ)
そんな事を思った瞬間、マルヴィナが不意に顔を上げた。
勿論、視線の先にはレナードがいる。
驚いた顔でレナードを見つめていて、立ち尽くしている。
「あ……、マルヴィナ。薔薇は綺麗かな。君の方が綺麗だよ、凄く」
じっと見つめていた事がバレてはいけないと、なんとか取り繕おうとしたが、マルヴィナは視線を逸らして、黙り込んでしまった。
こんな所で大声で会話をすれば、他の人間にも聞かれてしまうのを恐れているのだろう。
「悪かった。すぐに退散するよ。そこで薔薇を見ていてくれ」
レナードは急いで窓を閉めると、胸が鳴り止まらず、ソファにどっかりと座った。
(何をしているんだ。カッコ悪い)
レナードは頬を染めながら、頭を抱えるとしばらくは何も出来ずにソファでうずくまってし
まった。
***
マルヴィナは薔薇庭園で行き場のない気持ちを静めようと、散策していた。
傍にある薔薇に触れ、そっと匂いを嗅いでみると微かだが香りが漂ってくる。
(少しでも、忘れなくては)
マルヴィナはアストリー子爵と出会ったことよりも、レナードに抱かれてしまったことの方が印象的で、部屋に籠っていられなかった。
勿論、実の父であるアストリー子爵と出会えたことは誤解が解けるようで有難いことでもある。
でも、どこかでマルヴィナは父については許しのような気持ちになっていた。
勿論、その行いを聞いた時は許せる筈もなかったのだが、本人から聞いた事実を思うと、許さなければ進めないような気がしたのだ。
アガサは被害者だが、その時のアストリー子爵は完全に気がふれていた。
この不運な偶然を、アストリー子爵の理性だけで制御しろというのは、とても難しいことのような気がする。
今も尚償い、アガサを気にかけてくれていること、マルヴィナの結婚を喜んでくれていることを思えば、もうそれで充分だった。
そんな自分の不意を突いたかのように、レナードから抱きしめられてしまい、自分も応じてしまったことを、恥じても恥じてもどうしようもないのだ。
今でも、穿たれた所はジンジンと痛むような感覚はするし、レナードの熱を思い出せる。
薔薇の傍でほおっとため息を吐いてしまうと、一日会えなかったことが寂しく思えてくる。
(私ったら、期待しすぎだわ。婚約者のフリをしただけなのに)
冷静でいなくては、そう思いつつ心は追いつかないで、既に婚約者のような気持ちになってしまう。
そう錯覚させるのも、これまでにマルヴィナが何度もデートに誘われたからだろう。
キャシーに聞けば、他の令嬢は積極的にデートに誘うことはないらしい。
令嬢から誘われることはあっても、公平を期すためにレナードはあまりデートに誘わないと決めているのだそうだ。
遊び人だとばかり思っていたのだが、まるで反対で真面目な所ばかりが浮き出てくる。
令嬢達と薔薇庭園で散策することはあっても、街へ出て買い物や食事を楽しむことはなく、マルヴィナが初めてだと言ってもいいくらいだそうだ。
「そんなこと言われてたら、期待するわ。キャシー」
思わず独り言を呟くが、キャシーは今は忙しく城の中で働いているだろう。
マルヴィナの部屋のベッドメイクから掃除、他の令嬢達の御用聞きまで、何から何までやならくてはいけないのだから。
(相談相手が欲しいわ。アガサでもいいから)
あんなに反対していたアガサにですら、聞いて欲しいと思ってしまう。
花弁の大きな薔薇を見つけると、マルヴィナはそちらへ移動して大輪の薔薇をそっと手に取り匂いを嗅いだ。
見たことのない薔薇で、マルヴィナの心は落ち着いてきて心が穏やかなになっていく。
けれど、レナードを思うとすぐにそわそわしてまた頭の中がぐちゃぐちゃになってしまいそうになるのだ。
これではいけないと薔薇庭園をうろうろしていると、不意に視線を感じた。
そっと見上げるとレナードが窓辺からマルヴィナを見つめていた。
「あ……」
思わず視線を逸らし、逃げ出したい思いに駆られる。
途端に馬車の中で抱かれたことも思い出してしまい、体中が火照るように熱くなってしまう。
(何を考えているのっ。レナードは偶然見ているだけじゃない)
「あ……、マルヴィナ。薔薇は綺麗かな。君の方が綺麗だよ、凄く」
その言葉に、マルヴィナの心臓が一気に早くなりもはやレナードを見つめていることも出来なかった。
そんな言葉を浴びせるように言うレナードを受け入れられなかったのに、今では心臓が跳ねて嬉しいと思ってしまう。
(おかしいわ。レナードは……。レナードは……)
必死に否定の言葉を探すものの、もはやそれは無理だった。
マルヴィナの気持ちはレナードを好きだと告げていたし、それを受け入れてしまったマルヴィナには、嫌いだとか、悪い噂があるだとか、そんな言葉で誤魔化すことはもはや不可能に誓いほど、レナードを好きになっている。
(レナード……)
ぽつんと心の中で囁くが、声にはならない。
代わりに逃げるようにそっぽを向いて、赤面している顔を見られまい必死になるばかりだ。
これでは嫌われると思うものの、素直に笑顔を見せられる余裕がないのだ。
「悪かった。すぐに退散するよ。そこで薔薇を見ていてくれ」
(あ……。待って)
窓辺から姿を消したレナードに、マルヴィナはようやく顔を上げるものの、もう姿はなかった。
一緒にいられる時間は限られているというのに、偶然会ったこの時を大切にすることが出来ずに黙り込んでしまった。
その事を、マルヴィナは酷く悔いてしまい落ち込むと近くの薔薇に何回か触れてから、部屋に戻った。
綺麗な薔薇で気持ちを癒そうとしたのに、上手くいかなかったことが、自分でももどかしくて仕方がない。
部屋に戻ると、キャシーがせっせと部屋で何かをしている。
「どうしたの? 私の部屋はもう綺麗よ」
「レナード様の御申しつけです。薔薇で部屋を満たすようにと」
「……っ! でも、私だけそんなことをしたら」
胸が切なく疼いた。
さっき窓越しに会った時に言えなかった言葉が、心から悔やまれる。
どうして勇気を出して声を掛けなかったのだろうと自分を責めていると、キャシーは不思議そうに首を傾げた。
「アストリー子爵の所で何かありましたか? レナード様もご様子が変でした。代わりに、薔薇で部屋を埋めるようにと言われるので。求婚でもされましたか?」
「ち、違うわっ。まだ決まってないの」
(キャシーの勘ったら、凄いわ)
アストリー子爵の前で結婚式の話まで出たことを思うと、違うとも言い切れないのだ。
レナードがどこまで本気かは分からないのだが、式を挙げることも約束してしまったし、具体的な日取りまで考えると言っていた。
それに加えて、この薔薇の部屋だ。
マルヴィナは頬を染めて、切ないため息を吐いた。
キャシーがせっせと動き、薔薇を運び入れ、部屋中を薔薇で埋め尽くし始めている。
(私だけが特別なんて、思わせないで)
今までの自分の境遇の中で、特別になったことはなかった。
いつでも誰かに混じり、せっせと働く日々だったし、好きな人も出来ずに、それどころか同じ年頃の子すら近くにいなかった。
特別扱いもされずに育ち、誕生日だけが特別な日で、後は些細なクリスマスや村の祭りが行われるだけだ。
特別な、自分だけを思ってくれる人など、レナード以外に現れるだろうかと考えてしまう。
(こんな素敵な事をしてくれる人、いないわ)
キャシーがベッドまで薔薇で埋め尽くし、バスルームまで薔薇を運びこんだ。
「そんな所まで、いいわ。花びらを千切るのでしょ?」
「そうですが。レナード様が来るかもしれませんから」
「え……来るの、ですか?」
「そのつもりで、私は準備をしておりますよ?」
キャシーは悪戯な笑みを漏らした。
ベッドやバスルームに薔薇の花弁を散らすなど、ふたりが抱き合うことを前提ではないか。
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