【完結】婚約破棄された伯爵令嬢と、おっちょこちょいな男子学生

第二章

第十七話

フレッドはまっすぐ歩いていたが、急に向きを変えてさっきまで歩いてきた道を走り出した。

「キャサリン！休暇中も会えるかな？」

独り言を言いながら走ったが、自信はなかった。そもそもキャサリンが自分と同じように会いたいと思っているか分からない。キャサリンにとっては、自分はただ勉強を教えてくれる同級生に過ぎないかもしれない。

キャサリンもさっきまで歩いてきた道を引き返した。小走りになってフレッドの姿を求めた。

「フレッド、まだ遠くには行ってないかしら？」

彼女も独り言を言いながら、小走りになっていた。彼女の方も自信はなかった。いちおう勉強を教えてくれたけど、フレッドにとってはそれだけの関係かもしれない。自分はできが悪かったから、フレッドはがっかりしたかもしれない。でも、会えるなら会いたい。

フレッドは走りながら、遠くに人影を見た。その人影はどんどんこっちに向かってくる。

「キャサリン？！」

その人影を見て、フレッドは思わず叫んだ。