かたつむりとパラレルワールド

ツキ

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お別れ

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「うん!」

そうして二人は、元の場所に戻ってきた。

歩き回っていた時にみた景色は、
たみが住んでいる街とほんとによく似ていて、パラレルワールドというのを、じわじわと実感しながら歩いていた。

その道中にも、かたつむりさんと同じように、人間サイズの生き物達や植物があり、それぞれが言葉を交わしており、これはやっぱり夢なんじゃないかと思った。


「おかえり。どうだったかい?」

「わたしは、夢を見ているのかな?でも、不思議な体験が出来て嬉しいし、たみに悩んでることとか、相談もできて、私、とっても楽しかったです。」

「そうかい、よかった。よかった。こっちのたみは、どうだったかい?楽しかったかい?」

「あたし?もちろんだよ!もう一人の私と、同じ場所で話せるなんてさっ。同じ顔だけど、なんか、兄弟みたいな感じ。ふふっ。」

「性格は真逆みたいだしね。」

二人は笑い合った。そして、かたつむりさんが言った。

「そろそろ、、帰る時間みたいだよ。時空の空間が見つかって、そこが揺らぎ始めていてね。たぶん消えてしまったら、戻れなくなるかもしれない。」

「えっ、、。」

「そっか、お別れかぁ。せっかく会えたのに、寂しいな。」

「ねぇ、たみ!一緒に写真撮ろうよ!」

「写真?うん!」

「ちょうどわたしのカメラがあるよ。さっ、ふたりよって。」

そう言ってかたつむりさんがポラロイドカメラを取り出した。

カメラを持ち歩いているなんて、カメラが趣味なのかなと思いつつ、たみはもう一人のたみと並んで、髪を整える。

「はい、かたつむりぃー!」

聞いたこともない声かけにつられ、写真には二人の笑顔が映された。

「さ、こっちだよ。」

かたつむりさんにつられ、たみは時空の空間の前に来た。

「短い時間だったけど、こちらの世界にきて、パラレルワールドっていう知らない世界があるって知って、皆んなに会えたこと、あの時、かたつむりさんと目があって、よかったって、こちらの世界にこれて、奇跡だなって思う。」

「わはは、わたしもこんなことがおこるなんて、驚きさ。たみちゃん、ありがとう。こっちの世界のことも、皆んなのことも忘れないでね。」

「この写真、大事に飾っておくからね!元の世界でも、笑ってすごしてね。」

もう一人のたみが言う。

「うん、あたしも。皆んなとまた会えたらいいな。私皆んなのこと、忘れないよ。」

そしてたみは、時空の空間へと入っていった。



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