夜の街に誘われて

skull

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chapter2-1 家族

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彼女の母は、彼女の要望には耳を傾けない。

「お母さん、今回のテスト1位だったよ。」

「1位なんて当たり前でしょ。もっと頑張らないとあなたみたいな馬鹿は良い職業に就けないわよ。」

母はいつだってそうだ。私のことなど褒めないしむしろ、もっと上を要求してくる。何をしたって一生私を、褒めてくれることはないだろう。

「ねえ。あんた、この前のテストの時に言ったよね。合計485点以上じゃなかったら塾増やすって。483点だったから塾増やすわよ。来週から行ってちょうだいね。」

「わかった。」

私は、別に増やされても良かった。塾に行くことでプライベートの時間も増え母からの目も少なくなる。もしかしたら、今回の塾をきっかけに私の何かが変わるかも。美麗はそんな気もしなくはなかった。
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