終わりの始まり

よっしぃ

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小島の恐怖

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その二時間後、俺は近くのコンビニへ向かっていた。
もちろんその理由は,,,
「やあ、生意気なバイト君」
「こんばんは、小島さん」
「大島だって言ってるでしょ」
この小島,,,ゴホンgohon大島さんは弱冠22歳にして3店舗を任されているやり手である。
そして俺のからかい相手である。
ただ、いつもはなんだかんだで笑って許してくれるが、怒っているときの大島さんはマジでメチャメチャ怖い。

前に発注ミスかなにかで激怒ぷんぷん丸状態だった大島さんに「小島さん」と呼んだことがあった。
その時には思いっきりげんこつを食らわされた。
控え目に言って死ぬほど痛かった。
そこでオレは大島さんを怒らせるのはやめようと決意した。
まぁ3日で諦めてまたからかい出したけど。
だって面白いんだもん。

「あんたそれで427回目だからね!」
「数えてたんですか?!」
いやはや凄いもんだ。
「天災ですか?」
「いや、あんたそれ天才のほうじゃなくて『天災』のほうでしょ」
むむっ、ばれている。
「やっぱり天s
「くどい!!」
「はいすいません」
「そんなことより早く仕事仕事!」
「はーい」


「今日はもういいよ」
しばらくしたあと、ふいに大島さんがそう言った。
「え、?どうしたんですか小島さん?」
「大島だってば。あんた今日は帰った方がいいよ。自分では気づいてないかもしれないけどずっとぼーっとしてるし」
「え?」
「どうせ恋人とケンカでもしたんでしょ」
「ちょっ」
という訳のわからん理由で帰らされた。

ていうかこれで帰れるなら,,,
と思って毎回深刻な顔をして、毎回心配してもらって、
サボるようになった俺が大島さんをキレさせて
たんこぶが出来るほどのげんこつを食らったのはまた別の話である。


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