若頭は異世界に転生して宇宙海賊の道を極めます

むねちか

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反社会的勢力組織『鳳神会』若頭、川元悠弥の来世の目標は宇宙飛行士

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 ここは日本。
 俺の名前は川元悠弥。
 広域指定暴力団『鳳神会』という組織で若頭10年近く務めている。
 月曜から金曜、朝9時には本部ビルへ向かい、10時から傘下組織からの定期連絡を受ける。
 ウチくらいの大きな組織となるとその連絡だけで1時間以上かかる。この連絡は、基本的に何事がなくとも連絡をしないといけない事になっており、本当に必要なのかと思う事もある。何ならメールで定期報告を入れてくれれば良いのではないかとさえ思う。
 以前、俺が若頭の話しを受ける際、この報告の仕方を変えないかと執行部や幹部会に提起したが、長くこのやり方をしてきた事と、データでのやり取りはハッキングされたりするという事もあるという事で却下された。
 電話も盗聴されたりする恐れもあるよなぁ、と思う反面、先輩達の顔を立てる事にした。
 全傘下組織からの定期報告が終わったのは11時半過ぎ。
 とにかく昼食の時間なのだが、ここでも報告は続くのだ。
 昼食を取りながら、最近問題視されている様な報告が次々と上がってくる。
 内容はというと、どこかの組織と縄張りの境界線について問題が起きているとか、大陸からのマフィア達がご法度の物を堅気の人達相手に商売しているからどうしようかとか、大小様々な報告である。
 勿論、物によっては、本部が腰を上げないといけないような物もあるのだが、ほとんどはその参加組織で解決出来そうな内容の物ばかりなのだ。
 自分達で判断出来るようにならないと、俺らが居なくなったら彼らはどうやって判断し、どうやって乗り切るのだろうか、と最近思う様になってきた。
 そして午後。
 ここでやっと静かな時間になる。
 俺がタバコを咥えると、横に控えていた若い者が火を着けてくれる。
 「おい、お前もずっと立ってたら疲れるだろう? そこの椅子に座ってろ」
 「し、しかし・・・・・・」
 「構わん。あ、その前に一つ頼みがある。コンビニ行ってタバコとコーヒー買ってきてくれ。コレ、釣りは取っておけ」
 若いのも少しは気晴らしがしたいだろうから、俺は使いを頼むフリして、休むように促した。
 「すいません。行ってきます」
 「ゆっくりでいいぞ」
 若いのは勢い良く頭を下げ、部屋を出て行った。
 あぁ、やっと一人になれた。
 たまには一人で自由な時間を過ごしたいと思ったりもするのだが、組織の№2としてこの地位に就いたのだから次に引き継ぐまで頑張らなければならないと思いながら、日々を過ごしていた。
 「今日も何事もなく終わって、早く家に帰りたい」
 タバコを吸って立ち上がろうとしたその時、強烈な眩暈が襲ってきて、俺はその場に倒れ込んでしまった。
 え? 何? 俺、何で倒れた!?
 身体を動かそうとしても全く動かない。
 おいおい、まさか、俺、過労死とかその手で死ぬのか!?
 いや、確かに一般的な反社会勢力の人達と比べて勤勉であるなとは思ってたけど、そこまで真面目に仕事してきてないよ? 残業もないし、土、日、祝日はもちろん、盆や年末年始だってちゃんと休んでたんだぞ?
 世間でいうブラック企業よりもかなり優良企業(反社ですけど)なんだぞ。
 あ、ヤバい。よいよ意識まで遠退いてきた。
 俺の人生、これで終わりなのかぁ。
 もし、来世ってのがあるならこの勤勉さを使って勉強して宇宙飛行士でも目指してみようかなぁ。

 「で、本当に宇宙飛行士になれたのですね、マスターは」
 「いや、正確には宇宙飛行士でなく、宇宙海賊だよな」
  
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