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熟考
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シャワーで気持ちを落ち着かせたあとは、いまさっき自身が体験したことを記すためノートに向かう。
身体には打撲の跡が蒼や黄色くなってあちこちに残っているが、大きな負傷も無く生還することが出来たのは幸いだった。あのキングゴキと真面にやり合っていたなら、ぜったい無事では済まなかったろう。
そして、キングゴキを倒したことで新たな発見も。
それを生命エナジー伸び代充填理論と高濃度生命エナジー直吸収理論と名付けたいと思う。これはどちらも、レベルアップに関することを説明する為の理論だ。
オレは当初、レベルアップは能力値が上昇しそれに伴い見合うランクとしてレベルが上がるのだと考えていた。能力上昇が主で、レベルアップが従の考え方だ。
だがそもそもダンジョンでは能力値の上昇する頻度も上昇幅もおかしい。そう、これは明らかに人間の限界も完全に無視したモノだ。
そこで新たに、生命エナジー伸び代充填理論と高濃度生命エナジー直吸収理論という説を考えてみた。
生命エナジー伸び代充填理論は鍛えられた能力に対しまず伸び代が確保され、その後に充填されるというもの。例えば筋力を鍛えて+5の伸び代を確保したとしよう。だがこの+5はあくまでも未来の可能性としての伸び代であって、現状では存在しない。
しかしここにダンジョンのモンスターが登場する。
どうもダンジョンモンスターは、その体内に生命エナジーとでも呼ぶべきモノを内包しているようだ。そして倒されることでそれを発散させる。すると発散された生命エナジーは、倒されたモンスターの身近にいた存在、つまりはモンスターを倒した者に吸収される。これが生命エナジー吸収理論だ。
うん、これは間違いなくある。オレはキングゴキを倒して、この目でしかと金色に輝く光の奔流を捉えた。まだその時に感じた驚きに、肌が震えるほどなのだから間違いはない。
しかし、この生命エナジーにはどうも濃淡があるらしい。
つまりキングゴキ程に強力なモンスターならな濃厚で視認出来る程だが、並みのモンスターではまず視認できないような淡いモノといったように。
そしてキングゴキ程に強いモンスターなら、その生命エナジー保有量も多く能力値にまで一気に影響を及ぼしてしまうらしい。一方で並みのモンスターではそこまで生命エナジーが濃くないので、精々が可能性としての伸び代を充填していく分の働きしかないという訳だ。
身体を鍛えれば、可能性としてその伸び代が上がる。
本来であればそれは時間をかけて徐々に身についていくもの。だがダンジョンではその可能性である伸び代の分を、モンスターの生命エナジーというカタチで即座に充填してしまえる…。
うむ、それが人間にはありえない急激な成長と、限界突破の秘密ではないだろうか。
かなり大雑把ではある。だがこの生命エナジー伸び代充填理論と高濃度生命エナジー直吸収理論を用いれば、能力値がすごい速度で成長するのも能力の上限を無視して成長してしまえるのも、そしてゲームのように能力値がポンと上がってしまうのも全て説明が付く。
つまり生命エナジー吸収理論を理解して伸び代充填理論を上手く活用すれば、オレはもっと強くなれるということだ。
ウヒッ、これは心躍る。オラ、すっげぇワクワクすっぞ!
………。
あわせてスキルと魔力についても考えてみよう。
オレは地下1層でスライムからスキル【酸】を手に入れて以降、さしたる苦労も無くこれを使いこなせている。
だがそれはなぜか…?
もしかしたらオレが魔法の天才だったからだろうか。いや、だがそうではない。きっとコレは常日頃から魔法だファンタジーだというテーマや舞台の作品に慣れ親しんでいた為ではないだろうか。
故に技能(スキル)というものを素直に受けとめ、なんの抵抗感も無く魔力を操ってそれらを扱うことができたのだ。だからもし敢えて理由を挙げるとするならば、それはオレがオタだったからという事になる。
なにせオレはネットで金運の良くなるというスピリチュアルな音楽をダウンロードして聴いてしまうほどに、スピリチュアルな側面も持つオタ。
うむ、まぁそれはさてき。そうだな。技能(スキル)については使用許可証のようなものだと思えばいいか。
スキル【酸】であれば、【酸】を操る能力を使用することが認められたのだ。人間が空中に酸を生み出すなんて真似、生物学的にも科学的も在り得ないことだが、それを魔力という謎のパワーが可能にしている。
そんな権限をいったい誰に認められたのか?という疑問は尽きないが、それが神であれ世界の創造主であれ、どうせ解りっこないのだから使えるモノは有難く使わせてもらうだけ。
そして魔力の元は、気力だ。
肉体に付随する力がスタミナだとするならば、精神に付随する力が気力でありまた魔力と考えられる。オレはこのふたつを、ほぼ同一視している。
その違いは、体外に発せられ様々な事象を巻き起こす程に濃縮された状態の精神エネルギーが魔力で、体内に普通に存在し肉体に影響を及ぼす程度の精神エネルギーを気力と捉えている。だからまぁ、力の大元は一緒ということ。
スキルと魔力の関係は…、これはきっと電気が電波になったり音になったり光になったりするのと似ているのだろう。
例えばオレのスキルの中の【俊敏】などは、使用を念じると魔力と気力、そしてスタミナを消費しているのを感じる。心拍数も急上昇するので、瞬間的な消費カロリーもきっと物凄いのだと思う。
魔力は気力であり、精神のエネルギーだ。
故に消費すると精神を疲弊する。軽い程度の疲弊なら、精神がささくれ立つ程度で済む。魔女っ娘キャラが普段からツンツンしているのは、もしかしたらそのせいかもしれない。
中程度の精神の疲弊は、精神がささくれ立ったり怒りの感情が沸き立つのを通り越し、普通にゲンナリとしてしまう。終電間際なのにまだ残業が終わらないといった心持ちとでもいえばいいだろうか。それくらい精神がブルーな状態だ。
ただ重度の精神の疲弊は、オレもまだ体験はしていない。
たぶんだけど酷く眠くなったり、最悪は気を失ってしまうのだろう。まぁその前に精神が相当キツくなるので、これ以上魔力を使うのをやめようという気にはなる。もしかしたら魔力の上限を上げるにはそうしたほうが良いのかもしれないが、ダンジョンソロ狩りで気を失うぎりぎりまで自分を追い詰めるのはどう考えても危ない。故にやるとしても、帰還して安全な状態でテストや訓練として行なうのが望ましいだろう。
以上が現在認識出来ている技能(スキル)や魔力についての考察になる。
無論これが100%合っているとか、正しいという話ではない。現状知覚し熟考した限りで、もっとも整合性の取れた解釈というだけの話。
だからこの先もっと色々と解って来れば、また新たな発見がある事だろう。とりあえず今日はこのくらいにして、また明日も頑張ろう。
身体には打撲の跡が蒼や黄色くなってあちこちに残っているが、大きな負傷も無く生還することが出来たのは幸いだった。あのキングゴキと真面にやり合っていたなら、ぜったい無事では済まなかったろう。
そして、キングゴキを倒したことで新たな発見も。
それを生命エナジー伸び代充填理論と高濃度生命エナジー直吸収理論と名付けたいと思う。これはどちらも、レベルアップに関することを説明する為の理論だ。
オレは当初、レベルアップは能力値が上昇しそれに伴い見合うランクとしてレベルが上がるのだと考えていた。能力上昇が主で、レベルアップが従の考え方だ。
だがそもそもダンジョンでは能力値の上昇する頻度も上昇幅もおかしい。そう、これは明らかに人間の限界も完全に無視したモノだ。
そこで新たに、生命エナジー伸び代充填理論と高濃度生命エナジー直吸収理論という説を考えてみた。
生命エナジー伸び代充填理論は鍛えられた能力に対しまず伸び代が確保され、その後に充填されるというもの。例えば筋力を鍛えて+5の伸び代を確保したとしよう。だがこの+5はあくまでも未来の可能性としての伸び代であって、現状では存在しない。
しかしここにダンジョンのモンスターが登場する。
どうもダンジョンモンスターは、その体内に生命エナジーとでも呼ぶべきモノを内包しているようだ。そして倒されることでそれを発散させる。すると発散された生命エナジーは、倒されたモンスターの身近にいた存在、つまりはモンスターを倒した者に吸収される。これが生命エナジー吸収理論だ。
うん、これは間違いなくある。オレはキングゴキを倒して、この目でしかと金色に輝く光の奔流を捉えた。まだその時に感じた驚きに、肌が震えるほどなのだから間違いはない。
しかし、この生命エナジーにはどうも濃淡があるらしい。
つまりキングゴキ程に強力なモンスターならな濃厚で視認出来る程だが、並みのモンスターではまず視認できないような淡いモノといったように。
そしてキングゴキ程に強いモンスターなら、その生命エナジー保有量も多く能力値にまで一気に影響を及ぼしてしまうらしい。一方で並みのモンスターではそこまで生命エナジーが濃くないので、精々が可能性としての伸び代を充填していく分の働きしかないという訳だ。
身体を鍛えれば、可能性としてその伸び代が上がる。
本来であればそれは時間をかけて徐々に身についていくもの。だがダンジョンではその可能性である伸び代の分を、モンスターの生命エナジーというカタチで即座に充填してしまえる…。
うむ、それが人間にはありえない急激な成長と、限界突破の秘密ではないだろうか。
かなり大雑把ではある。だがこの生命エナジー伸び代充填理論と高濃度生命エナジー直吸収理論を用いれば、能力値がすごい速度で成長するのも能力の上限を無視して成長してしまえるのも、そしてゲームのように能力値がポンと上がってしまうのも全て説明が付く。
つまり生命エナジー吸収理論を理解して伸び代充填理論を上手く活用すれば、オレはもっと強くなれるということだ。
ウヒッ、これは心躍る。オラ、すっげぇワクワクすっぞ!
………。
あわせてスキルと魔力についても考えてみよう。
オレは地下1層でスライムからスキル【酸】を手に入れて以降、さしたる苦労も無くこれを使いこなせている。
だがそれはなぜか…?
もしかしたらオレが魔法の天才だったからだろうか。いや、だがそうではない。きっとコレは常日頃から魔法だファンタジーだというテーマや舞台の作品に慣れ親しんでいた為ではないだろうか。
故に技能(スキル)というものを素直に受けとめ、なんの抵抗感も無く魔力を操ってそれらを扱うことができたのだ。だからもし敢えて理由を挙げるとするならば、それはオレがオタだったからという事になる。
なにせオレはネットで金運の良くなるというスピリチュアルな音楽をダウンロードして聴いてしまうほどに、スピリチュアルな側面も持つオタ。
うむ、まぁそれはさてき。そうだな。技能(スキル)については使用許可証のようなものだと思えばいいか。
スキル【酸】であれば、【酸】を操る能力を使用することが認められたのだ。人間が空中に酸を生み出すなんて真似、生物学的にも科学的も在り得ないことだが、それを魔力という謎のパワーが可能にしている。
そんな権限をいったい誰に認められたのか?という疑問は尽きないが、それが神であれ世界の創造主であれ、どうせ解りっこないのだから使えるモノは有難く使わせてもらうだけ。
そして魔力の元は、気力だ。
肉体に付随する力がスタミナだとするならば、精神に付随する力が気力でありまた魔力と考えられる。オレはこのふたつを、ほぼ同一視している。
その違いは、体外に発せられ様々な事象を巻き起こす程に濃縮された状態の精神エネルギーが魔力で、体内に普通に存在し肉体に影響を及ぼす程度の精神エネルギーを気力と捉えている。だからまぁ、力の大元は一緒ということ。
スキルと魔力の関係は…、これはきっと電気が電波になったり音になったり光になったりするのと似ているのだろう。
例えばオレのスキルの中の【俊敏】などは、使用を念じると魔力と気力、そしてスタミナを消費しているのを感じる。心拍数も急上昇するので、瞬間的な消費カロリーもきっと物凄いのだと思う。
魔力は気力であり、精神のエネルギーだ。
故に消費すると精神を疲弊する。軽い程度の疲弊なら、精神がささくれ立つ程度で済む。魔女っ娘キャラが普段からツンツンしているのは、もしかしたらそのせいかもしれない。
中程度の精神の疲弊は、精神がささくれ立ったり怒りの感情が沸き立つのを通り越し、普通にゲンナリとしてしまう。終電間際なのにまだ残業が終わらないといった心持ちとでもいえばいいだろうか。それくらい精神がブルーな状態だ。
ただ重度の精神の疲弊は、オレもまだ体験はしていない。
たぶんだけど酷く眠くなったり、最悪は気を失ってしまうのだろう。まぁその前に精神が相当キツくなるので、これ以上魔力を使うのをやめようという気にはなる。もしかしたら魔力の上限を上げるにはそうしたほうが良いのかもしれないが、ダンジョンソロ狩りで気を失うぎりぎりまで自分を追い詰めるのはどう考えても危ない。故にやるとしても、帰還して安全な状態でテストや訓練として行なうのが望ましいだろう。
以上が現在認識出来ている技能(スキル)や魔力についての考察になる。
無論これが100%合っているとか、正しいという話ではない。現状知覚し熟考した限りで、もっとも整合性の取れた解釈というだけの話。
だからこの先もっと色々と解って来れば、また新たな発見がある事だろう。とりあえず今日はこのくらいにして、また明日も頑張ろう。
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